みみずの涙
ベンジャミン



お日様の下
おまえはかたく焼かれてしまった
ただ真っすぐ
地中から這いでてきたおまえは
涙をながす瞳さえ
持って生まれてなどいないのに

かたく焼かれたおまえの
その真っすぐな身体
それを泣いてやるよりも
そんなにまで生き抜いたおまえを
このかたい大地に突き立てて思うのだ

どんなにか光が眩しくても
怖れてはいけないのだと

みみずよ
瞳を持たないおまえにも
ながれる涙は確かにあって
かたく焼かれたおまえの心に
それは還ってゆくだろう
そして思うのだ
這いつくばって生き抜いたからこそ

その心には
誰も知らない光があると


    


自由詩 みみずの涙 Copyright ベンジャミン 2007-03-27 14:57:46
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