みみずの涙
ベンジャミン
お日様の下
おまえはかたく焼かれてしまった
ただ真っすぐ
地中から這いでてきたおまえは
涙をながす瞳さえ
持って生まれてなどいないのに
かたく焼かれたおまえの
その真っすぐな身体
それを泣いてやるよりも
そんなにまで生き抜いたおまえを
このかたい大地に突き立てて思うのだ
どんなにか光が眩しくても
怖れてはいけないのだと
みみずよ
瞳を持たないおまえにも
ながれる涙は確かにあって
かたく焼かれたおまえの心に
それは還ってゆくだろう
そして思うのだ
這いつくばって生き抜いたからこそ
その心には
誰も知らない光があると