すべてのおすすめ
ベルリンの壁が壊れて産声をあげたわたしに世界が刺さる
誰とでもハローがいえる。誰にでもわたしのせいぎを「愛せ」といえる。
戦争をしらないこども ほんとうの平 ....
おやすみの点呼は二回息を吐く
今日の思索を脱ぎ捨てながら
行儀よく今日の寝床をしつらえる
繭の機能を備えています
錠剤を飲み下したら探しだそう
数えきれない
羊の群れを
....
血液が脳動脈を駆け巡る音に似ているクマゼミの歌
この街はひとつの詩篇しずやかに置手紙のような息を吐くひと
光さす野をひたすらにゆくがいい、君、セルリアンブルーの尾びれ
湯豆腐を崩さぬようにくずしつつ星の底までゆきたいと言う
....
虹色のフーガを織った君のそば
ゆびさき揺れて
やさしいトリル
泣きながら便所駆け来る男子いて一枚へだてその嗚咽聞く
歳だけは取りたくないが口癖の老婆の霊が座る終電
急死した男の棺運ばれるテニスコートの脇の葬儀所
河口まで入道雲を追いかけた「イエ ....
(雨に濡れた明朝体のようなてのひらで羽だったあたりをなぜてください)
水のない水底で背びれをあらいあう僕らは人にも魚にもなれずに
「この鱗あなたにあげる。ともしびをわすれた夜のともしびとし ....
スプーンを傾けるその角度さえ愛しいままに百年が過ぎ
カーテンの揺れるはやさに追いつけず取り残されて百年が過ぎ
指さきにのこる温度をたぐり寄せ記憶撫でるだけ百年が過ぎ
晴れわた ....
水族館
泳ぐ魚を
凝視、凝視
美味そうだなぁ、と
思うは異常?
<桃>
夏の夕 シャワーを浴びて 丹念に
君に食まれる 身支度のとき
うっすらと 産毛の肌が汗ばんで
早く食べてと 桃の香がして
摑 ....
産まれ生き苦しみそして死んでゆく
たった一行闘病短歌
日赤の病棟入り口掲示板
嘆歌とあって朝顔も書く
これからは口語短歌の詩人です
出来損ないの痛みを堪え
銀色に輝け外科 ....
一匹は
左目の無い老いぼれで
もう一匹は死もイトワナイ
とうさんに教えてもらった花たちを遠くの町でさがしています
あのひとの
ギターをはじく手の速さ
見ているだけで
悲しくなる
缶切りで鯖味噌缶を開封し背中まるめてわぶわぶ食べる
薄荷飴ひとりで舐めてさびしがる君のことなど想ってみつつ
朝刊の明朝体が目に刺さる夜明けどこかで鳥が鳴いてる
晴れた日の午睡が好 ....
雨粒の 2つ重なり落ちる如く
君と重なり
落つる術なきか
ブラウスの
透けて露わるる細腕に
心俄に騒ぐ夕暮れ
雨に濡れ
走るおんなの横顔を 目に焼き付けたる
....
人形の折れた手首を持ったまま母の帰りを一人待ってた
説明しようとして絶命してしまった僕のレジュメが空へと
深夜、ヒツジが僕を数えている、可愛そうにまだ眠れないのだ
....
「林檎ってちょっと女に似てるから歯を立てるときぞくっとするね。」
夕暮れに秋刀魚さばいてみるのですふと血が見たくなりましたので
夜遅い夫の帰りを待ちながら深く深く爪を切るわたし
....
ココア姫マショマロ枕抱いてねる優しい人になれますように
サイダーの中に無数の星がある消えないうちにお願いしよう
黄金のリンゴジュースが飲みたくて急いで帰る夏から秋へ
....
剃髪に立ち会った日の陽の光 淡く結んだらせんのつづき
葉脈にミシンをかける神様は季節のすきまは縫い合わせない
にんにくで追い払うんだ君のこと季節外れの桜の匂い
....
あら、どうも
はじめましての
ごあいさつ
お久しぶり、と
云うべきですか?
荷造りの終わった窓際
目に留まる
私に泣いた朝鳥が飛ぶ
BSつけて チラ見しながら 授業案
腰をフリフリ いつしか号泣
日だまりに停車してある軽トラできらきら光るホットサイダー
おじいちゃん早く渡りな大丈夫道路は三途の川じゃないから
祝日に国旗を掲げる家なくて家主の世代交代思う
....
あの襟を 整えてみる 心にて 生まれしヒロイン 凛乎たる風
{ルビ温=ぬく}き陽に メトロノームも 居眠りす {ルビ幽=かす}かに聞こゆ {ルビ古=いにしえ}の歌
旋盤が 削り出す ....
舌先が絡める熱い銃口の鉄の苦みは血の味に似て
約束の指でいざなうライフリング自我突き破る濡れた弾丸
背徳を縛る鎖の錠を撃つ。ふたつの魂(たま)は逝く果てもなく
紙コップ握ればひしゃげるその器己が心の浅ましさの果て
湯の水面暗闇の波広がりて妙なる調べあなたへの蒼
時越えて地の果てまでもどこまでもそんな誓いも時の彼方に
肌破り爪たて君を望みしは ....
わたしは神に選ばれた亀の子たわしだ仕事はごしごしである。
たわしはわたしだ!だからといってどうというのでもないごしごし。
渡したたわしは ....
青柳
背なに負いたし
子をあやし
揺らるる君も
笑っているか
うにゃーとか
ごろにゃんとかで生きてみたい
そう云うあなたはナマケモノ
ハイエナが
悪者だなんて酷すぎます
一生懸命生きてるんです
ラブレター食べさせられても困りま ....
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