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少女がしゃがみこんで
草むらを見ている
ふいに振り返り
その昔
あなたはわたしだったのと告げる
小さな瞳を通せば
草むらは森になり
水たまりは湖になり
その村の地下組織に住まう ....
腐る。
ギリギリのところで
なんとか持ちこたえている
としたら
死がとても怖い
かくれんぼしていて
うっかり見つけてしまった
小鳥の死骸にうごめいていたうじむし
その卵が
この空気中 ....
あゝ薔薇が咲きました
昨日までは蕾であったのに
馬鹿だね 何もこんな寒い日を
選んで咲くことないのに
小学校から知っている息子の友達は自衛隊に入隊するといいます
有事の際には戦うので ....
昨晩
ひとつの恋を失った
ミセス ミスティは
男の不実を責めるでもなく
ピアノの蓋を閉めた
ミとファ
シとドの間に
黒鍵がない理由は
おそらく
その間に
幻想があるからだと
....
2014年一月某日、娘が去年一年間ほぼ毎日日記を書いたと言う。「へーすごいね」と褒めたあと、中学生は毎日日記に記すような出来事があるんだろうとなかばうらやましくなって聞くと「そんなわけないじゃん。な ....
子どもっておもろいな
おしあいへしあい
わざわざさむい日に
「あらてののケンカちゃうか?」
そんでもたのしそうやで
「だからたのしくケンカできるって
子どもっておもろいやんか ....
かあさんの
みずたまもようのワンピース
あれ、手作りなんやでって
こそっと打ち明けた
キヨちゃんが
ほんま? すごいなー
でもどこからが手作りなん? って
イケズゆうから
どこもかしこ ....
魂を語り合いましょうと
いいながら
詩人は逝ったのでした
今朝
わたしはみつけた
ゴミステーションの柵に
いくつも並んだ雫
それは
ぶらさがって
落ちまいと揺れていた
冬の夜が ....
夕闇がやってくる気配
それは決まって
南向きの玄関の隅から生まれた
冷えていく板張りに寝転がって
図書室で借りてきた本を読んでいると
ふいに呼ばれる
声、
のようなものに
夜が
....
白銀の光
冷たい熱を帯び
今
私と月の間には
透明な冬だけがある
はるかに遠いくせに
あっけなく近くなる
こんな風に
てのひらにのってみせるのは
何故?
まるで
弓矢を射れば ....
焼き芋の包まれている新聞紙かすかなインクの匂いも食す
くくられた新聞紙の椅子の上あごひげという名の猫がくつろぐ
ちぎられて水にひたさればらまかまれほこりにまみれて新聞紙逝く
世の中の ....
じゅうたんをほどいてゆく
いろとりどりの糸があらわれる
つむがれていた星々の
ものがたりがきえていった
糸をほどく
きぬの生まれでた
まゆにもどってゆく
蛾のはいた
むすびめのない ....
きょうという日に
きょうという火が
ともされる
約束したわけでもないのに
東の空に
明るく
温かい
平等な
きょうが
どこから生まれてくるのか
ボクは
みつけた
旅の途中で ....
ただの壁だと思っていた面に
白い花が
ちらほらと咲き始めた
家と道
内と外
隣人と自分
向こうとこちら
静けさと騒音
過ぎ去った時間とやってくる時間
何かと何かを隔てるための境目 ....
非常階段には
扉があって
内と外が隔てられている
内のものかといえば
そうでも非ず
外のものかというえば
そうでも非ず
非常のために作られた階段
日常では使われない
避難通路
....
ペットボトルのごみの日
中身(心)はもうとうになくて
キャップ(顔)やら
包装(洋服)やらを
捨て去ったら
みな
潔い裸になった
とても清々しいごみの日には
カラスさえも
素通りする ....
椅子になってみようと思って
椅子にはなれなかった
三秒で挫折した
たゆまぬ努力なしに
椅子は存在しえない
私の大腿四頭筋は悲鳴を上げ
痙攣を始める
あまねくすべての椅子は
慈悲とい ....
わたしが
命をもらった日から
吸って吐いて
繰り返されてきた
呼吸の仕組み
その息は
かじかんだあなたの指を少し温め
その息は
幼子の風車を廻し
その息は
ケーキに灯されたろう ....
かーさん ももいろひよこ かってや
めっちゃ かわいーやんか
そらいろも いるんやで
にじいろも いるんやで
ハートマークも いるんやで
息も絶え絶えのひよこたち
鳴いてるんじゃない
....
底から
蒸発した
温かい水が
蓋裏で
冷たい水になる
ほんの少し
傾けただけで
それは
ふたたびのしずくとなって
ほとばしる
涙の成り立ちを
まぶたの裏で描きながら
わ ....
まっすぐに
引けたためしがない
まっすぐに似た線なら書けるのに
フリーハンドで書く
まっすぐは
ほんの少し曲がっている
骨が湾曲している
私のなかに
直線がない
失ったわけではなく
....
母の手作りする洋服は
大体において
あらかじめ寸法が大きかった
未来が足されていたから
子どもはすぐ大きくなっちゃうからって
それは言い訳というより
有無を言わせない印籠のように掲げられた ....
星のみえない夜にも
星は存在する
風にふれない丘にも
風は存在する
あなたが消えたあとにも
あなたは存在しつづける
両のてのひらを
まるくして合わせる
透明な卵だよ、ほら
引越しが落ちついて
さあどこかに食べに行こうという算段になり
歩いていける距離といえば
とんかつかフランス料理風か喫茶店かお好み焼きだった
「お好み焼きアキちゃん」は
とびきりの笑顔のふ ....
死を拾う 空に斧振り上げたまま腹見せて転がっている
詩を拾う 弔いもなく涙なく乾いて虫の命逝く夏
沖に出てあおむけに視るこんなにも空の広さがおしよせてくる
優しげな名前とは裏腹に盆過ぎて泳ぐ子 戒める海月
光る波ひとつふたつと三角の硝子の意志が増殖してく
足裏の次第に砂がさらわれ ....
いくぶん体温の高い
あなたを胸に抱けば
心の真ん中にある
バターが溶け出し
私は
ホットケーキになった
ふくらんで
ふくらんで
痛いほどふくらんで
あなたに与える
ちょっとのほ ....
腕がある
脚がある
カラダがあって
心臓はこの辺だろうか
洗濯物を干しながら
幸福感に包まれる
よれてしまった襟だとか
落ちきれてない染みだとか
ゴムの伸びたパンツだとか
新品で ....
パチンと弾けとんだ
洗濯バサミ
ひらいて、はさむ
どんなに風の強い日だって
あなたがいいというまで
ただもくもくと
しがみついてきた
のに
繰り返されてきた
しごく簡単な仕組みが ....
ここに
コンクリートの破片がある
砂と水を固めて
作られた人工の石たち
人が集う会館になり
公園の遊具になり
学校の名を刻む門となり
新しい道となり
駅となり
小さな島に架かる橋 ....
まーつんさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト
(130)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
小さな村のお話
-
そらの珊 ...
自由詩
12*
14-2-20
冬時間
-
そらの珊 ...
自由詩
14*
14-2-13
君死にたまふことなかれ
-
そらの珊 ...
自由詩
14+*
14-2-7
【ミセス_M】詩サークル「群青」の一月のお題「霧」への提出作 ...
-
そらの珊 ...
自由詩
14*
14-2-5
夜更けの紙相撲・2014.1.
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
8
14-1-31
おしくらまんじゅう
-
そらの珊 ...
自由詩
12*
14-1-25
授業参観
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
14-1-24
魂
-
そらの珊 ...
自由詩
17
14-1-23
夕闇
-
そらの珊 ...
自由詩
25
14-1-16
さえざえと
-
そらの珊 ...
自由詩
16
14-1-15
新聞紙
-
そらの珊 ...
短歌
13
14-1-10
機織り
-
そらの珊 ...
自由詩
17*
14-1-2
猫のさがしもの
-
そらの珊 ...
自由詩
21
13-12-18
垣根
-
そらの珊 ...
自由詩
19*
13-12-4
【非常階段】_詩サークル「群青」11月の課題「非」への提出作 ...
-
そらの珊 ...
自由詩
19
13-11-30
とうめいな容れ物が収集を待っている
-
そらの珊 ...
自由詩
26
13-11-17
あまねくすべての椅子に捧げる
-
そらの珊 ...
自由詩
23
13-11-4
ためいき
-
そらの珊 ...
自由詩
17*
13-10-14
夜市
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
13-10-11
十月の扉
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-10-9
まっすぐ
-
そらの珊 ...
自由詩
20+*
13-10-7
ぶかぶか【詩サークル「群青」九月のお題「音」から】
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
13-10-2
わたしが消えたあとにも
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
13-9-27
アキちゃん
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
13-9-9
蟷螂
-
そらの珊 ...
短歌
17*
13-8-24
夏の終わりに
-
そらの珊 ...
短歌
11*
13-8-19
食べさせる
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-8-13
【ベランダに吹く風】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-8-4
プラスチック哀歌
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
13-7-11
破片
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-7-4
1
2
3
4
5
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