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昭和13年の正月にタイムスリップしていたのだ

女は着物か着物っぽい洋装をしていた

喫茶店では皆姿勢が良かった

会話の声はさ行が強調されて聞こえた

新聞はどれも昭和13年の正月の ....
愛が溢れ出す

それはほんとうの話

切なさの正しさを調べ出す

もう受け入れて貰えなくて

干からびた脳が暴きたてる

あなたの愛の

それはほんとうの話


最愛が旅 ....
私自身、ともすると自信を失っている。

いや、自信がない訳ではない、自信が限定的になっている。

年を重ねると経験値が上がる。

その経験には当然、プラスもマイナスもある。これが私の自信を ....
月が未明に

ひだりしたにだけ

亀裂を走らせ

音もなく

ざわつき

かがやき

それとは関係なく

オリオンは南天から北の裏側に


(天体とはそういうものだ) ....
平成だ

まったく平成いがい

ない光景だ

汚れていく緻密な先端

つきまとう

粗雑な日常のひかり

平成だ


砂漠に水をまこう

焼け石に水かけよう

傷 ....
霜降りた田園のあとかたに

朝日の残滓が

それは早すぎる追憶

天涯より撃ちつけられる萎び

もう戻れない日々のなかにいる


最初からなければ良かった原発

誰にでもある ....
緑をうしなった銀杏の葉っぱは清洌だ

黄色くてとうめいだ

西側の窓が額縁になって

たわわな銀杏が一枚の大きな絵のよう

風が吹くたび

朝の掃除の大変ばかりを考えてしまう

 ....
古墳のある郊外の町には

なにか清新な風が吹いていた

プログラミングの講習を

五階建てのビルで受けていた


ぼくは思う

よくないことも

いいことも

起こっては ....
夕陽が相変わらず色をかえている

美しいとはこのことくらいだ

夜が暗くなるのも目に優しい

当たり障りのない蓋なんて必要か


ナチスが

ハンバーガーにはコーラが合う

 ....
昨夜も空高くに見つけたのだが

朝まだ空高く

月が浮いていた

文字どおり海月のように

どうもなんだか滞空時間が長すぎる


駅に向かうひとびとの列

左、右、左、右、ま ....
みどりの鳥居をくぐるには

あなたの笑みが必要でした

まもなく消える身であれど

この世は占いじゃないから

意味しかないところだから


焼け石に水であろうと

二階から ....
もし俺がアリなら

昆虫学者はきょう

俺をどんなふうに観察しただろう

観察日誌になんと記しただろう

胸の奥に眠る夢が

きょう陳腐になっちまった

ひとりで歩いて頑張って ....
悲しいとかじゃない

惨めとかじゃない

傷つくとかじゃない

水溜まりを見ているだけ

雨に降られているだけ

雑踏で人にぶつかるだけ


タクシーをひろう

行く先を ....
海はひろいなおおきいな

アリが砂浜で刺される

月がのぼるし日がしずむ

血をおさえてたおれる

救援信号が花火のようだ

裸の声が死相をきざむ

金が波にあらわれている
 ....
トラックが泣いている

ひねもすのたり泣いている

何がそんなに悲しいか

雲のひかりに青ざめて

雲のひかりに汗かいて

ひねもすのたり泣いている

トラックが泣いている
 ....
モノクロの台所

電話から夫の死

芋虫みたいになって

チューブで生き永らえて

血を吐きながら

愛を探した

口をあけて

頬をだらしなくさせて


エンターテ ....
カーテンにくるまって

部屋のなかに飛び出せば

暗い廊下に佇むばかり

小学校のパイプと木の机

銀色に染めたら居眠り

ベッドで一回転、二回転

自転車替えて顔替えて

 ....
一枚の紙に、今から100年分のカレンダーが載っている。

想像できるだろう。

このカレンダーのとある日に、きみは死ぬ。

想像できるだろう。

なにもしなくてもきみは死ぬ。

想 ....
あてもなく歩くには

新宿か公園か帰り道か

女子をスカウトする

大小の横断歩道の標示

雑誌を投げ俺を叩け

泣きながら歩くな道を

軽く一億を超えてる

屋上からつま ....
月が地球の影で

欠けているように見える

地球に住むぼくには

それあまりにもは遠い実感だ

命も宇宙もスケールが大きすぎるから

じぶんが世界に

どんな影響を与えているか ....
後進国の造船所で

死しかない取引をした

墓場の樹のしたで

人質は解放された

血だらけのワイシャツ

乾かない赤い染み


錆びだらけの波止場で寝転んでいたら

日 ....
あるはずもないタッチの絵具だ

向こうは延々と向日葵畑だ

揺らぎのような絵筆の踊り

空は煙たい光で真っ白な灰色だ


荷馬車の馬が木陰に入れずに

陽の陰りを静かに温かく冷た ....
悲しいことなんて

気持ちやからだに従えば

気になることでもない

じぶんを大切にしなければ

他人に依存してしまう

そんな生き方を選ぶべきではない


愛なんて

 ....
ひきつりそうな溜め息のありかは

ぼくのなかに巣食う緊張だった

四ッ谷までを電車に揺られて

ほとんど覚えていない道程をたどる

焼きそばと皿わんたんとペリエを頼む

ここにも人 ....
連行される女は

ピエロのような顔をして

やすらかだった

車のなか全てが

スローモーションだった

そんな事件記事


高層ビルでは都議会議員が名刺を配る

弁護士 ....
水平線をはがしてみる

空き缶を鳴らすほどの

つまらん風が吹いている

あしたなんてもう

地図なしでもわかるさ

いったいなんのために

生きているのかななんて


 ....
たとえば月が地球から離れていく

周回軌道が大きくなる

そこから逸脱していく

さよなら地球星、さよなら地球星


いろんな国の国旗を眺める

いろんな国の国歌を聴く

ラ ....
舟が港につながれている

波がゆれている

生き物の呼吸のよう

あたしは森からそれを見る

ひっきりなしの鳥の鳴き声

それがあたしの胎教

何度も生まれて

一日に何度 ....
世界は何も変わらないけれど

身ひとつ傷つけていよう

そこにしかもう立てないから


開き直る生き物たちを

そのまま受け入れる

それはつらいことだ

我慢ならないことだ ....
感じるままに生きてやる

言葉も追いつかない

あとあと

説明だらけの人生を

感じるままに生きてやる


説明しなきゃ分かってもらえないような生き方がいい

おれの人生お ....
ただのみきやさんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(406)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水溜まり- 吉岡ペペ ...自由詩417-1-8
あなたの愛の- 吉岡ペペ ...自由詩417-1-8
自信- 吉岡ペペ ...自由詩417-1-7
亀裂- 吉岡ペペ ...自由詩217-1-4
平成の光景- 吉岡ペペ ...自由詩416-12-23
黄昏る- 吉岡ペペ ...自由詩716-12-17
加齢臭もない- 吉岡ペペ ...自由詩316-12-12
古墳のある町- 吉岡ペペ ...自由詩616-11-30
当たり障りのない蓋なんて- 吉岡ペペ ...自由詩416-11-5
浮月- 吉岡ペペ ...自由詩216-10-19
みどりの鳥居- 吉岡ペペ ...自由詩516-10-10
空車の灯り- 吉岡ペペ ...自由詩116-10-5
水溜まり- 吉岡ペペ ...自由詩316-10-5
轟音- 吉岡ペペ ...自由詩216-10-2
トラックが泣いている- 吉岡ペペ ...自由詩416-9-24
笑顔- 吉岡ペペ ...自由詩116-9-8
あのときの- 吉岡ペペ ...自由詩416-9-7
100年カレンダー- 吉岡ペペ ...自由詩516-8-27
人ってたぶん- 吉岡ペペ ...自由詩116-8-15
魔法- 吉岡ペペ ...自由詩416-8-13
錆びだらけの波止場- 吉岡ペペ ...自由詩316-7-17
画家の叢- 吉岡ペペ ...自由詩116-7-11
異常気象で- 吉岡ペペ ...自由詩516-7-10
ここにもたくさん- 吉岡ペペ ...自由詩416-6-27
そんな事件記事- 吉岡ペペ ...自由詩216-6-26
日めくり- 吉岡ペペ ...自由詩3+16-6-12
遠くへ- 吉岡ペペ ...自由詩416-6-12
舟の家- 吉岡ペペ ...自由詩516-6-5
開き直る生き物たちを- 吉岡ペペ ...自由詩316-6-4
説明だらけの人生を- 吉岡ペペ ...自由詩816-5-9

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