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太陽のようにほどける髪が
小さな鈴の樹を隠している
地から昇るたくさんの音が
空に晴れを運び込む


虫から生まれる滴が
霧のなかの径を見ている
銀の歪みに映る
碧い ....
消えない泡と見えない泡が
手をつないで終わりを見ていた
おぼろな背中 光の蔽い
けだもののかたちの曇を見ていた


指を灯す指を絡め
指を照らす光を見ていた
歪ませ ....
記憶の穴の水流に
映っては去る音と影
はばたくばかりで飛べない径
小さな本を敷き詰めた径





いつも何か言いたげな
消えない羽を呑み込んで
蒼と灰の時間 ....
人 人 おまえは
ひと
噛み砕き
噛み砕かれ
野にあいた
暗い穴の淵に横たわる


天気雨
小さな蜘蛛が隠れる場所
風が
少しずつ少しずつ
強くなってゆく

 ....
千歳の少女の誕生日を
誰も祝うものはない
一匹の蟻を避けて
十匹の蟻を踏む
淡く巨きな
泡のなかの午後


手を振るたびに
いのち以外に満ち
暗い街の背後の山から
 ....
多数の角
多重の角を持つけだものが
真昼の雨の径に立ち
水たまりの光を
見つめることであたためている


紙が紙に戻る音
空気が空気に沈む音
踊り たたずみ 再び踊る ....
夜は爆ぜ
すぐにまた現われ
朝へ朝へあとずさる
雨に
種を蒔きながら


触れれば空に到く
咲かないものの履歴
指は水を編む
夜を高くする


何処にも行けな ....
不幸自慢の座頭蜘蛛
緑の文字にうろついている
燃やしても燃やしても
早朝を喰みにやってくる
こがねいろの扉が
花にふさがれている
ここは何処なのかと
首をかしげている


くゆる くゆる
くゆ るく ゆる
白湯のなかを
ゆるく ゆるく
午後は廻る


 ....
骨のような岩壁をくり抜き
むらさきの斎場が作られていた
川底には黒い鉱がつづき
岩を二重に映していた


   うれしさはすぐに悲しさになり
   頭のなかには茎がひろが ....
はやにえ
しるべ
ひかりが開けた穴
いそいで




雨の肩書き
午後のおさがり
陽の水母に
別れを言う


溺れかけたのは
羽の子ども
空気の傷が ....
何かに咬まれた指を握り
真昼を渡り海岸に着く
砂浜には紙を追う鳥
波と共に現われ消える


海沿いの径に車は無く
皆ひとりひとり歩いている
砂の丘がつづいては途切れ ....
 




ひとすじの光が
発ってゆこうとするとき
振り返り
振り返り虹を解いた


階段に映る
薄い手紙
窓の水滴
昼から午後へ
めくられる譜


何かが閉まり
 ....
やはり雨は
雨を招んでしまった
風の無能
鏡の前の
左脚の羽化


鳥が降り
見えなくなる
くりかえし降り
陰を ふくらませる


鏡の前で倍になり
曇 ....
音に当たり
目が痛む
何も見ない
器の心


火傷
夜の雨を着る
灯りのはざま
見えない橋


切れぬ鋏が切る静けさがあり
水たまりを避け曲がる色
星は無く ....
夕べの蛇の
白い鱗
花が咲く毎に
風に引かれては消える線


枝に散る雨
水に立つ曇
湿地を分ける径
片方のうた


川の源を見つめる目
暮れの水辺に増えてゆ ....
視線の爪を切りながら
空を横切るむらさきの溝
曇にも屋根にも放たれる
音より遅い花火たちの粉


うつろな器の重さに驚き
なかのものをこぼしてしまう
姿の無い痺れを ....
横たわるものと
立ちつくすもののあいだの霧
とどまるもの
落ちるもの
波のない海に
輪をつくるもの


空を追うつぼみ
変わりゆくものから痛みは去らない
口の内にあ ....
やそ ここのそ 
ふたほ みほ
灯が消えるたび現われる
花を数える花の声


晴れた夜に飛び交う羽
影は枝 影は茎
すりぬけてはひとり
水たまりの径


食 ....
紙を折ると
斜めの方へ
出てゆこうとする
かすかな影


影は影のまま雨になり
花に触れ また影になる
暗がりを映す水
時計のような足跡


光の点が
沈まず ....
紙の実が地に落ち
音にまみれる
土ぼこり
鳥の声
水の庭
鳴りつづける標


海へ 海へ
蒼は岩をすぎる
百合の耳の子
息つく間もなく染まる羽


何も ....
川を境に
夜が半分しか明けない街から
人は次々に去っていった
半分の灯り 半分の雨
空には
鳴らない鈴がかがやいていた


何も無い朝が
星の跡を押しのけてゆく
乳 ....
光の結び目に降る雪は
まだ永い夢を食べている
砂が敷きつめられた部屋を
風がひとり歩いてゆく


黒に黒を足して樹々になり
額の端のついばみを数える
銀から蒼へ至る ....
黒い羽が
夕刻をはたいた
振り向くことなく
飛び去った


傷は付かなかった
あたたかさは奪われなかった
家に至る
二本の径


選ぶまでもない戸惑いのなか ....
虫と花を行き来する羽
雪に重なることなく降りつづき
ひとりの食卓に積もりゆく


線の笑みに埋もれる部屋
まばたきのはざまの火と光
冬からあふれる冬の息


五人の ....
絵の具のにおいの
血の味の白湯に
夜を映して呑みつづけている


光の奥にあるものに
触れたとたんに移動する
人のものではない矜持がある


熱すぎて近づけない
翼と ....
扉をあけると影が廻る
壁を舐める火が径を揺らす
空が巡り 落ちてゆく場所
行方と行方が重なる場所


冬の帽子
両腕をひろげ
花を呼んだ
名前ではなく
かた ....
音のにおいが喉を荒らす
けして呑み干しはせぬ光
壁を越える羽
耳元で話しかけられる
洪水の日のはじまり


砂に突き立てられた羽
あらゆる風に揺るがぬ羽
進めば進むほ ....
冬の背中
冬の公園
冬の遊具
開くはずのない窓のまぼろし


そこに居ない声
大勢はひとり
冬の径
握りしめた楽器


明るい
ただひとりの窓
陽を浴びてい ....
チョークの音
ひとつ
ふたつ


左目が右目と喧嘩したので
花の冠は
明日にします


水の名前
鬼の名前
数え切れずに


ひとつひとつの花を見なが ....
ただのみきやさんの木立 悟さんおすすめリスト(206)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとつ_曳光- 木立 悟自由詩415-11-1
棄天使の地図- 木立 悟自由詩715-10-19
ふたつ_ふたたび_Ⅲ- 木立 悟自由詩315-10-9
水へ_水へ- 木立 悟自由詩515-10-3
空の蝋燭- 木立 悟自由詩515-9-22
蒼へ_鏡へ- 木立 悟自由詩415-9-8
銀の生まれ- 木立 悟自由詩615-8-23
ノート(52Y.8・22)- 木立 悟自由詩615-8-23
庭めぐる庭- 木立 悟自由詩315-8-17
真昼_みさき- 木立 悟自由詩415-8-13
連話_外側- 木立 悟自由詩815-8-8
青と音- 木立 悟自由詩315-7-19
去る日_遍歴_- 木立 悟自由詩615-7-1
飛ぶ日_むらさき- 木立 悟自由詩715-6-10
ひとつ_露光- 木立 悟自由詩315-5-18
ふたつ_ふたたび_Ⅱ- 木立 悟自由詩315-5-13
夜と重なり- 木立 悟自由詩315-5-7
ひとつ_うずみ- 木立 悟自由詩615-4-26
夜と虚像- 木立 悟自由詩615-4-13
ふたつ_満ちて- 木立 悟自由詩415-3-11
朝と白- 木立 悟自由詩615-2-27
そして_いくたび- 木立 悟自由詩815-2-7
水と手のひら- 木立 悟自由詩415-2-2
うた_わかれ_うた- 木立 悟自由詩315-1-26
瞬くもの_呼ぶもの- 木立 悟自由詩415-1-13
ひとつ_篩- 木立 悟自由詩314-12-1
外へ_夜へ- 木立 悟自由詩4+14-11-26
降り来る言葉_LXVIII- 木立 悟自由詩414-10-22
ノート(凍奏者)- 木立 悟自由詩414-9-15
ノート(連絡)- 木立 悟自由詩214-9-15

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