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背を向けた時計との会話
雨のむこうの夜は赤く
音の径を
少しだけ照らす


指の鋏で
切る仕草
切りたいものを
切れない仕草


溝が 淵が
永く暗い 一本の ....
触れれば雨の刃
稲妻の涙
ところせましと息ふきかけて
影の無い真昼に指を降ろす



暖かく 冷たく
慈悲もなく 是非もない
ひとさしゆび
ひとりの入れ物


 ....
話しかけてくるものを
拒む理由は特に無い



だが会話には風が無い
実ばかりあって花が無い
羽は失く角は折れ
歌は枯葉の底にあり
声は遠く 風は旋り
ちからとかたちを連れ去ってゆく



終わりは近く 忘れられ
まばゆいひとりがつづいている
息がつまるほどの ....
灰の地層
人工の骨
潰れ かがやく
玩具の群れ


波のはばたき
ひかり振る陽
来ることのない
待ち人の鼓動


動きが動きをくぐり抜け
片手は月に到いている
片足 ....
牢であり城である街を浪が洗い
壁から瀧があふれている
奴隷の子と皇女は手を結び
錆びた真昼の水たまりを踏む


呼吸が
忙しく他者を連れ去る
水の底の 舌のようなもの
 ....
夜は窓を踏み
窓は夜に座す
がたがたと
風のふりをする亡者


記憶は波の上に居る
はばたきとくちづけをまちがえる
羽のような蜘蛛の巣があり
風を抄い 揺れつづけ ....
風を横切り
聞こえる唄
暑くも 寒くも
ひとつの唄


やがて雨になる眠り
薄く重く揺れる原
灯る花は揺れることなく
ただ上方を照らしている


空の力や理が
 ....
空が空を掻き毟り
空はちぎれ ちぎれちぎれる
爪 柱 軌跡 鐘
傷の音 鳴り止まぬ 傷の音


舌の渦
声の洞
青の青の檻
空の囚人


遠い遠い 雨の色から
 ....
降る花だと思ったものは
薄く小さな血の皿だった
数えつづけ 数えつづけ
眠っていた


歪んだ光の水たまり
かけらのかけら
あつまりのあつまり
波と光の 指あ ....
羊の群れが見上げる先に
生きもののあつまりのかたちの曇
黒い太陽は白くなり
鉛のように口をつぐむ


平たい国に咲く花が
丸い虹や風へと傾き
水を覆い揺れている
夜を ....
縦の冷たさと
斜めの温さが
夜の晴れのなかひとつになり
虹とはばたき 地に倒れる


どこから話したらいいのだろう
地を打つ空の尾について
鏡の原が枯れたあとも
残り ....
何かのかたちが傍らを落ち
遅い影がそれにつづく
眠りのなかの冷たい放出
幾度も幾度も繰り返す非


直ぐの水と曲がり水
ひとつのかたちを拒みながら
蒸した原と土 ....
乾いた滴の跡が幾つも
木板の上につづいている
溝の流れから逃れた子蜘蛛が
葉に残る滴を見つめている


遅れてばかりの日時計に
忘れた夢がよみがえる
水彩の音
水彩の ....
冷たい夜に
むらさきとむらさきが向かい合う
岩の径を
音だけがすぎる


鉱と鉛の紙
指を回る火の震え
小さな鈴の音をたて
砕けるように消えてゆく


空の一部をち ....
瀧の夜
火を拾う指
音の無い径
水たまりの径


水の音は鈴
鈴の音は夜
夜の地図は水
光の指をひたす子らの声


火は火のまま底へと沈み
水面に言葉 ....
静かすぎる昼 脳の鼓動
まどろみを吸う
冷たい蝶
左目と左手にはばたいている


斜めに巨きく横たわり
街を隠す羽があり
明るく淡く 数え切れぬまま
ただ風ばかり ....
夜が割れ
なまあたたかい風が降り
明日の朝を見せ
ふたたび閉じる


標は暗く
音は見え 川は見えず
小さな鉄の声が灯り
水に映る夜を扇ぐ


三角の紙の群れの ....
四月の水
五月の水
油 月の輪
空を刺す虹


指先のひと粒
星おおう粒
氷と枝 雪と枝
はざま はざま
空のぼる空


あなたは手
あなたは砂
あなたは ....
夜の街の海
壊れた灯り
階段は風
波の底の星


剥がしても剥がしてもきりが無く
いつか置き去りにされる光
野になるがいい
たなびくものすべて


ひとつの息の ....
水に嫌われ
水で追われる
隠れることもできず
すぎてゆく日々


飛ばされそうになりながら
どこへ帰るともなく進みゆく
すれちがう花も
すれちがう蝶もわからない

 ....
崖を巡る
白い岩の径
ふたつの海の
ひとつは黙っている


水の底には花が見える
崖上からは羽に見える
降り来るものには
まばたきに見える


欠けた色の響きの ....
表にも裏にも
鏡のついた手鏡を
ふたつの指で廻しながら
光ははじまりと終わりを行き来している


横の波が
縦に重なり窓を覆う
外の冬を隠すように
布の鳥の羽音が積も ....
氷の上の雨
滴の上の紋
霧散 飛散
穿つむらさき


誰も乗っていない列車が
真昼の原を分けてゆく
集まる音
緑と無言


地の午後は昇り
空の午後は去る ....
果物の皮
草の波
腹をくすぐる
紙の飛行機


割れてしまう
雪の空
痛みはわずか
銀の柱


通りの名前
風から剥ぎ取り
霧に投げつけ
午後の川となる
 ....
静かに前髪が降りてくる
羽だけの鳥のように
やわらかな影のかたまり
ひらかれる ひらかれる ひらかれる指


見えない雪
目の痛み
息のはざま 光のはざま
土と風 ....
旗についた氷が溶け
滴となって径に撒かれ
たくさんの音を描いている


砲声の半分は空を埋め
もう半分は地を満たす
笛は 曇の影をゆく


手櫛の雪
子の頬に ....
透明な砂地の樹が倒れ
枝が根に 
根が枝になり埋もれている
影が打ち寄せ 去ってゆく


空の名札が剥がれ
旋りながら落ちてきて
やっと捕らえることができても
暗 ....
粉を追えば裏切られ
塵を追えば打ち捨てられる
わたしが蝶に着くはずもなく
蝶がわたしに添うはずもない


わたしには有り
わたしには無い
表も裏も
透り たなびく
 ....
時おり止まり
時おり流れる時間の上を
雪と羽はすぎてゆく
星に棘に傷つきながら


雪夜の森に星雲が降り
倒れた霧の塔にまたたき
朝の月 昼の月のふちどりが
消え ....
ただのみきやさんの木立 悟さんおすすめリスト(206)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ふたつ_離れて- 木立 悟自由詩317-10-13
ひとつ_のばす- 木立 悟自由詩317-10-9
ノート(54Y.9・29)- 木立 悟自由詩217-10-4
水と虹- 木立 悟自由詩517-9-18
ゆくえ_ざわめき- 木立 悟自由詩217-9-7
しずく_はじまり- 木立 悟自由詩317-8-28
しずく_ふるえ- 木立 悟自由詩617-8-25
夜と傷- 木立 悟自由詩317-8-19
ひとつ_よせる- 木立 悟自由詩517-8-13
あゆみ_そまる- 木立 悟自由詩317-8-5
雨と手のひら- 木立 悟自由詩317-7-28
闇話_闇花- 木立 悟自由詩217-7-18
ひとつ_のぞみ- 木立 悟自由詩317-7-12
双つの色- 木立 悟自由詩517-6-2
白とける白- 木立 悟自由詩717-5-24
波と紋- 木立 悟自由詩917-5-17
白と震え- 木立 悟自由詩417-5-12
ひとつ_花歩- 木立 悟自由詩717-4-30
ひかり_外側- 木立 悟自由詩317-4-27
こがね_かたち- 木立 悟自由詩317-4-22
夜に至る夜- 木立 悟自由詩817-4-6
こだま_かたち- 木立 悟自由詩317-3-26
かたち_かたち- 木立 悟自由詩417-3-21
変化_またたき- 木立 悟自由詩417-2-26
冬と祈り- 木立 悟自由詩417-2-11
ひとつ_視線- 木立 悟自由詩517-2-8
ひとつ_帰途- 木立 悟自由詩317-1-24
ひとつ_海辺- 木立 悟自由詩1017-1-20
ひとり_器外- 木立 悟自由詩417-1-15
鏡振街- 木立 悟自由詩517-1-3

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