風が強く吹いたとき、
地球の時間はたしかに止まってしまっていた
工事中のビルはもうそれ以上育たなくなってしまった
強い風がすべての自転車をなぎ倒した

風が強く吹いて、
地球の時間は置いて ....
春はふたたび

贋作者たちの水いろ

雨つぶたちの素直な旅路

生きにくさが心地好かった


朝のアスファルトが

黒くぬれていた

つめたい大気には

ヒッグス粒子がま ....
  空の蒼い日
  乾いた独房に
  ひとふさの春が投げこまれる
  赤錆びた格子窓の向うから
  透明な一枚の手によって



  そこには誰も居ないので
  やがて、壁の ....
朝の微睡みの中
腹に行儀良く座っている黒猫
薄く開けた眼の先には
彼女の瞳がある
夢と現うつつを行き来するうち
そのまま抜け出した僕の意識は
彼女の瞳の中に落下する
母ちゃんと旅に出る
鞄に歯ブラシ、着替え、切符と
最後にわくわくを詰めて チャックを閉める

朝一番のバスに乗り込んだ
母ちゃんと座席に並んですわる
乗り物酔いの薬あるよ
切符は持ったか ....
十二月の夕暮れは突然やってきて
時間の無い坂道を上って行く
左手に灰色のニコライ堂が聳え
覆い被さりながら

聖橋の先には聖堂の黒い森
神田川もJRも跨ぐ聖橋
暗いトーンの夕暮れから
 ....
{画像=120223235940.jpg}



欠けた塊の怒り


輝くような怒りはあるか?
物質のように堅い岩石のような怒り
傷ついて欠けてしまうような怒り
純粋で結晶していて ....
蜘蛛の糸で宙吊りにされた意識が
朦朧として微風に揺れる
埃だらけの部屋の片隅に
宙吊りにされた自意識
窓枠は皹割れ
硝子に結露は無いが曇つてゐる
窓から差し込む悲劇は
眼球からの映像とし ....
日常は何もすることもない。多くの人間は暇なのだ。なぜ日本人は働かされているのだろうと思う。立派な人間であり、失業者である彼らを何が働かせようとするのだろうと思う。働かない自由があって当然だと思う。大学 .... ざわざわと
木洩れ日が落ちて来る

背に伸びゆく翼の
幾千もの小羽の
目覚めの呟きのように

ざわざわと
木洩れ日は落ちて来る

震える睫に
ひととき留まる涙に溢れる
夢の欠片 ....
ぼくは鯨になって
解体する12月

ザパーンザパーン

虹色の火

あ、誰が 食べた?
(無音)


遠くで白ける地平線
ぼくらは並んで海の際をみてた
容赦なく時が飲まれ ....
風吹いて雨の小声が雪となる

痛みすら忘れるほどの冬の薔薇

小鳥来て枝先たわむ雪の朝

うとうとと命の日干し何思う

一つ越え二つ越えして大晦日
蛇行した道を

ただ車に乗って眺めているようで

反芻する言葉は

上着に突っ込んだ両手の震えを

幾分も楽にしてくれない

街は雪で白くかすみ

遠くに見えるビルの頂は

 ....
私は
鏡の中で火傷の痕を
そっと
指先で確かめる
年月を経て
それは大分薄くなって
セピアに変色した
フォトグラフを連想させる
右頬に
てん、てん、てんと
程よい距離を置いて存在す ....
テストです
あなたが生き残れるかどうか

今日も朝がきた
寒い朝だった
何度も経験している朝だった

静まりかえった
私の耳は
営みを探して
きょろきょろするのだった

目をつ ....
夜の街にダイブしたなら
何かが見えるだろうか?
掴むことのできない
見えない何かが

暗闇と街明かり
静かなる鼓動と
張りつめた空気

夜の孤独と葛藤を
織り交ぜたような空間に
 ....
{画像=111126115111.jpg}


自由 / フリー でいたい

色々なことに捕らわれていては見失ってしまう

ただ真っ直ぐ向いていたい

でも君は時折ぼくに向かって言う ....
水が溶け合う 
女は悲しげに海へ帰りました
貝殻を拾い上げ 
訝しげそうにこう云います


「あなたの愛はもう飛び立ってしまったのかしら」



瞳をとじ 月夜を泳ぎ 
白い箱舟 ....
満潮
魚がよろこぶ
真っ青になる地球のどこか
沈んでいく

月が二つあります、
社会のように
わたしをとりまいて引きちぎる
右に 左に
西に 東に
分裂しなさい、と
輝く
無性 ....
海沿いを走る列車が
波飛沫を浴び
潮風を{ルビ喰=く}らってサビまみれだ

通りすがるたびに
このリビングに{ルビ軋=きし}む音が
クロスに跳ね返ってこだました

生活の一部となった音 ....
気に入らないから、
きみの死だけを考えているよ。
死ぬことについて。
死ぬことについて。
死んでほしいことについて。

いっしょに遺書をかこうか。
きみが死んでもいいように。

 ....
予め
蕾は刈り取られていた

頭上を
越えていった
鳥の名前を知らない、
車輪のあとに立ち尽くす
わたしの肩を抱いて
そっと
目を伏せたあなたの

手と、
手を
重ねると
 ....
とても とても 小さな町から
とても とても 遠くの町へと
列車は少年を連れ去った

絵に描いた景色が
車窓に飾られてく度に
少女の声はひび割れていった

小麦色の雲の間で  見えない ....
 最期の夜、廃墟は夜空に繋がっている
 かつては森であった荒野を貫く
 高架の瓦礫の向こうへ
 私は痩せた狼のように背筋を伸ばし
 吼える
 石が落ちてくるように

 やがて踞る朝が
 ....
{画像=110917004242.jpg}



わたしはひかり / わたしはしずく

ふようして / こうかする


あなたはやみ / あなたはこうずい

かくさんして / ....
  胸に抱いた
  ちいさな逸脱を
  きみは、
  そっと足もとにこぼして



  かなしげな
  落ち葉のように重ね
  どこか、
  もっとかなしげなところへ

 ....
誰が為に 花は咲く
野の風に 消えゆく涙

こぼれた思いが 君を追って
私の背中を 押した

60cmの足取りは
高さ7cmの靴に変わり
多分 そのうち三点倒立

もうすぐ 木 ....
{画像=110831002002.jpg}


夜の
瑠璃色の涼気に
夏は
フゥとため息をつき
頬杖をついて
浅い眠りを眠る
薄青い羽虫は
闇の中を飛翔するであろう
夏の夜に
 ....
紫のタツノオトシゴのような銀河と
青色の古代貝のような銀河が
衝突しているという新聞写真

深淵の黒い場所の
手の届かないドラマ
何百万年か後には一つに溶け合うという

地球が属する銀 ....
動く石ころを
温められるような気がして。

場面の一部には
通りすがりに
志が引っかかることがある。

意中に収まることであるなら
延長されるべき場面とされ
その場に長く止まろうとす ....
yamadahifumiさんのおすすめリスト(239)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
銀行- ブロッコ ...自由詩3*12-3-20
贋作者たちの水いろ- 吉岡ペペ ...自由詩2*12-3-18
独房の春- 草野春心自由詩9*12-3-17
微睡(まどろ)み- ……とあ ...自由詩12*12-3-16
【_母ちゃんの唄_】- 泡沫恋歌自由詩26+*12-3-2
午後五時の御茶ノ水駅から- ……とあ ...自由詩12*12-3-1
欠けた塊の怒り- beebee自由詩27+*12-2-24
思ひつく儘_自意識- ……とあ ...自由詩10*12-2-11
人は、個人- 番田 自由詩312-1-26
木洩れ日- 夜雨自由詩212-1-18
沿岸にて- いばら自由詩5*11-12-29
2011年12月- 花キリン俳句211-12-24
白い時間は闇の中で- 空中分解自由詩111-12-23
しょっぱい宝石- そらの珊 ...自由詩9*11-12-21
テステス- 朧月自由詩411-12-14
夜に紛れた夢想- 菜穂自由詩5*11-11-28
不埒な野心家でいたい- beebee自由詩23*11-11-26
水の女- マーブル自由詩411-11-22
夜の斥力- 伊月りさ自由詩811-11-16
廃線- subaru★自由詩24*11-11-10
過去の遺書- ゆうと自由詩111-11-9
旅路- yuko自由詩911-11-4
小さな町- 自由詩411-11-4
石が落ちてくるように- 夜雨自由詩211-10-2
わたしはひかり- beebee自由詩29+*11-9-17
逸脱- 草野春心自由詩5*11-9-5
- アヤメ自由詩111-9-5
夏の夜に- beebee自由詩17*11-8-31
VV340北_VV340南_銀河- 砂木自由詩6*11-8-30
はぶられみちで- yuugao自由詩7*11-8-5

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