少し大げさに
五月の朝を吸い込んだら
つまらない不純物など
軽々と許せてしまうくらい
気管が心地好くせせらいだ

少し控え目に
五月の朝を吐き出したら
ためらいや秘め事を
うっか ....
ただいま… と言って静かに散って行った
今年の君
まるでいつも通り
決まった道をゆっくりと往復する少女のように

見上げる僕の左頬に はらり
降り注ぐひとひらの遺言のように
それはか弱く ....
時間を失くした鳥たちは
夜明けの湖に集い 互いの夢を宥めあう
凍りついたみたいに鼓動を止めて
過去から届く笑い声に 耳を澄ます

そして声にならない 声を上げ
湖面の靄から一羽 また一羽と ....
田んぼのあぜにカラスが一羽
黒い背中を風がなでる

苗もゆれてる田の海を
一緒にみつめる
黒いカラスとこの私

なに色だろうか
この私
{画像=120506235631.jpg}


きらきら光る
硝子の破片
きらきら光る
小川のせせらぎ


寂しく独りで
光っている


きらきら
きらきら
光っている
 ....
新しい下敷きと筆箱
小学校に上がる頃
新緑が眩しくて
世界のすべてに希望が満ちている気がしていた

水泳 習字 ピアノ 絵画
同級生と通う教室
集中して 戯れて
成長の度に褒められてい ....
呼んだりするし
あいしているし

分類はいらなくて
おそらく実在して

手繰り寄せて
撫でる要領で

一見集中しているようで
投げやりにあつかったり
 
 
都会のカラスが都会を飛ぶ
そして都会の彼女は
赤いハイヒールで
都会を軽やかに歩く
空が飛べないのはきっと
背中の羽が邪魔だから

そんな彼女は
首がない、ただそれだけで
 ....
家族が寝静まった夜には
そっと家を抜け出し
生と死の狭間で
命についての哲学的思想を弄んでみる

死にたい私と
生きていたい誰かが
相容れない思考の中で
哀しい悲鳴をあげている
世の ....
月の画像を水が
砂漠に変えて行く

死んだ花の血を
餌と間違えた
共食いの魚達
顔が潰れている

思い出が苔になる
城跡の石垣の中
眠っている
人々の化石は
緩慢に割れていく
 ....
地面とじかに触れ合う春は
たった一つの落し物をした
そのたった一つの落し物が
みるみるうちに散らばっていって
こんなに豊かな花々になった
花々は凍り続ける
大気が花々を許すその日まで
 ....
またひとつ
何かを壊してしまったみたいだ
動き出す為の未熟なあがきに
称賛は約束されない

消えて行った魂が残した
記憶の欠片をありのままに
誰の為でなく 私の為でなく

少し前まで ....
親心を
揺らしながら
春の野に立ち尽くしている
子どもらは
既に
旅立って
再び逢うことは
叶わないというのに
心配の種はつきないのでしょう

親心を
揺らしながら
じっと耳を ....
ホンマに? 
ホンマに。

ホンマにホンマ?
ホンマにホンマ。

これ、
エンドレスです

美しい季節を
嘘だと思うから

哀しい現実を
嘘だと思いたいから

ホンマにホ ....
向い風が吹き荒れて
わたしを白線へ押し戻す
もがけばもがくほど
重くなったコートは
身体から熱を奪っていく
向い風いつの日か
そよ風に変わるだろうか

向い風が容赦なく
わたしを地 ....
朝日はね
特に良く晴れた日の朝日はね
そりゃあもう別嬪さんで
たったひとりで見ていると
もったいないような
独り占めできてうれしいような
不思議だね おれは
新しい朝と結婚したくなっちま ....
手紙の最後に
P.S.と記す

ああ、そういえば
思い出したよ
とでも
いうような
そぶりで
P.S.と記す

白状すると
本文は
この追伸を
書くための
助走

その ....
カーテンを ふふっ と揺らして
“遊びに行くよ”と風がささやく

ベランダに出るとまだ肌寒く
真夜中の匂いが甘く漂う

空が丸い皿をひっくり返して
夢中でざらめをかじっている
それがし ....
雨はふってはいないけど
心の中でふっていた

あなたも
泣いていたのだろう

だれも傘をかせないほど
雨がふっていたのだろう

あなたにあいた
穴は私があけた
ほんとうにそれだけ ....
納屋は鉢植えの葉っぱが判別もできないほど、伸び放題の雑草に囲まれていた
やわらかな西日が微かに反射するプリズム
曇った硝子の汚れを異物に浮かび上がらせて、枯れた観葉植物の茎根が足元に絡み付く
 ....
{画像=080302220223.jpg}


おいらは鈎にぶらさがったあんこうさ
口からいっぱい水を呑まされて
ぶらさげられて
身を削ぎ落とされる

皮も
鰭も
胃も
腸も
 ....
不器用なのだ

皆と一緒に
綺麗に泳げないから
海底の泥の中で
ぶつぶつと独り言を
溜め込んでいる

腹が減ると
ぬめったアンテナを
おずおずと立てて
雑魚をおびき寄せては
 ....
{画像=120414154847.jpg}


春に向う

眠りから覚めるがよい。
若者よ目を開けよ。
口を少しく開けたそのけだるい表情こそ
生得の感覚。
風を感じるがよい。
足の ....
少し背伸びがしたくて
ちょっと大きめの靴をはいてみた
少し自由になりたくて
ちょっと大きめの靴をはいてみた

いつもはいているぴったりの靴は
ちょっと窮屈で
いつもはいているぴったりの靴 ....
いくつもの
さみしい
たましいが
夜のツバメさながらに
ひらひら
とびまわる

生きている
人間は
なぜに
あんなにも
桜、桜と騒ぐのだろうと思い
やってきて
白いはなびらの ....
街角の桜木

白いぼんぼり

だれの葬式か

灰の花びら


花びらが草にのってるよ

草の愛らしさ

そっちに心が惹かれるよ


街角の桜木

白いぼんぼり
 ....
冷たい雨が降ってきた
おれは黒々と木のようで
 心臓だけがガス灯
何を照らすでもなく ぼんやりと立っていた


小さな春は震えていた
おれの心臓に寄り添い 冷え切ったからだを温めた
 ....
わたしたちはFEEDされている。

生きるには時間が経ちすぎている、
絶望は希望よりもすこしだけ早く感染する、
いるといないの合間を貪る猫。
不自由で浴びる、
嘘を吐くときは好きではないが ....
次の
風をつかまえて
兄弟たちは
ひとりぼっちの旅に出る
誰にも頼れない冒険
もう二度と
会うこともない
その
さようならは
白いの光のなかで
美しい羽になる

ダン・ド・リオ ....
南へ向かう鳥達が
薄色の空に溶けて行った

きみは衣装棚から
厚い上着を出してきて
胸元に飾った小さな憧れを
そっと隠した

子犬が地層の匂いを嗅いでいる
鳥の化石に恋をしたんだ
 ....
yamadahifumiさんのおすすめリスト(239)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝_(五月)- nonya自由詩27*12-5-12
夢のあと- 南 さや ...自由詩212-5-12
Swan- 南 さや ...自由詩212-5-12
緑のカラス- 朧月自由詩712-5-10
硝子の破片_/_きらきら光る- beebee自由詩25*12-5-6
文房具の時代- れもん自由詩412-5-5
no_name- いばら自由詩2*12-5-2
首男(三)- たもつ自由詩512-4-30
自己満足- 無限上昇 ...自由詩512-4-30
桜の花びらがお堀の水面に- 和田カマ ...自由詩5*12-4-26
- 葉leaf自由詩1212-4-26
助走- 深水遊脚自由詩3*12-4-26
蒲公英草子- そらの珊 ...自由詩912-4-26
ホンマ?- そらの珊 ...自由詩8*12-4-24
【_向い風_】- 泡沫恋歌自由詩18*12-4-24
黄金の花嫁- ただのみ ...自由詩28*12-4-22
追伸- そらの珊 ...自由詩18*12-4-22
真夜中の回遊- 寝坊ぎぶ ...自由詩5*12-4-22
朝の雨- 朧月自由詩312-4-21
棲魚- アラガイ ...自由詩11*12-4-17
あんこう鍋_/_悪食賛歌- beebee自由詩25*12-4-16
あんこう鍋- nonya自由詩23*12-4-15
春に向かう_/_陽射しに顔を向けて- beebee自由詩19*12-4-14
春の日- ここ自由詩712-4-13
夜間飛行- そらの珊 ...自由詩11*12-4-13
灰の花びら- 吉岡ペペ ...自由詩312-4-13
つぐない- ただのみ ...自由詩22*12-4-13
ふりそそぐ- はるな自由詩9*12-4-13
たんぽぽ- そらの珊 ...自由詩11*12-4-11
晩秋- 壮佑自由詩32*12-4-5

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