A道化








ガタン、ガタン、ガタン
ガタン、ガタン、ガタン


光線状の白昼が、車両の
力のないグリーンの床に
夏帯びて明らかな窓を落とす、その熱を
打ち消す、不自然な音立てる冷気に
適応してゆく、ことが務めである、この肌の
「わたし冷えやすい体です」とは、自嘲ではなく
硝子の向こうずっと向こうの南国にいつまでも達しない
わたしの、南端の
冷静な諦め


誰かの、
旅が、熱帯雨に
濡れる、常緑に
むせぶ、を


故意に浮かべては落差を利用し、冷え
わたし冷えやすい体ですわたし冷えやすい体です
ガタンガタンガタン一拍ごとにガタンガタン冷え、ガタン
ガタンガタン無意識にガタン南向いてしまった眼をガタンガタン
閉じた時
ああ、
こんなところに
(ガタン。)
絶景、



2006.5.28.


自由詩Copyright A道化 2006-05-28 04:20:00
notebook Home 戻る