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少しだけ死なせて、と
たった一人
君が言った
春の
うつくしい夕暮れだった
ぼくは
君なら死んでもいいと
思ったから
ばんご飯の時間には
帰っておいで、
と言った
ぼくは君が
....
ハジメ
空から
電波
によると
によると
よると
よるとに
よるとにい
よるとにいち
よるとにいちゃ
夜とにいちゃんがたたかって
たたかっているにいちゃん負けながら
負 ....
どんなに雨が降っても
傘なんかささないで
道端にうずくまっていたい
夜がある
さよなら、ブラジャー
白くて
可愛い布切れでした
もう誰に着けられることもなく
誰に脱がされるわけでもない
ブラジャー
風に吹かれて
善光寺参り
13階建てのマンション
焦茶色の非常階段
オレンジ色のバスケットボールが
弾んで落ちる
送電塔の電線が
切れて
絡まり
踊り場の縄跳びの少 ....
こないだの日曜日
夕方
泣きました
一人
ベッドの隅っこの方で
丸くなって
泣きました
どこかの家から聴こえてくる
たどたどしいピアノが
まるで
冴えない映画のBGMみたいで
....
おはよう
で、今日も誰かが溶けていく
それでも、空を見上げることを止められなくて
いつの間にか、あちこち穴だらけになっている
使い古しの気持ちを手紙に残して
あなたもすっかりと溶けて ....
色エンピツのセットを開けると
母さんは黒い色と並んでいつも一番長い
そして一番きれいだ
こんなきれいな母さんを使うわけにはいかないから
やっぱり母さんは一番長い
バカ男さあ、昔、母さ ....
あなたは届いたり
届かなかったり
する
ふゆのなかでは
わたしはあなたにもぐり込んだり
息をとめたり とめなかったり
する
わたしは海のように
いくつもの約束を
忘れたり
....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる
新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る
夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
深夜シフトのコンビニ店員は
今日も、自動ドアの向こうにいる
23時から8時まで
これ以上にないほどダサい
緑とオレンジのうわっぱりを着て
レジを打ったり、品出しをしたりする
とても、と ....
出来れば見たことのない
鳥に願いたかった
かなわないことを知ってしまう少女は
自分のために泣かないだろう
から
2月は
真摯なまなざしを蹴飛ばして雪 ....
やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます
あなたは
向かいあう見知らぬひと、や
すれちがうたいせつなひと、や
ほんの1ミリのすきまでとなりにいる
わたし、
が
ふい ....
ところで
お前の魂はどこをさすらうか知っているか
俺は知らない
知らないけど、知ってるぞ
今来た言葉だ
真冬のさなか
さなかの、さなか
どっかそのへんてこ ....
絶望を語る人は
絶望を語る上において
楽しそうだ
恋の苦しみを語る人は
恋の苦しみを語る上において
楽しそうだ
国を憂うことを語る人は
国を憂うことを語る上において
楽しそうだ ....
あかん。
もうおしまいや。
胸が痛くて、
心が壊れて、
揺れてしまう。
なにがあっても、
なんねんたっても、
おもいだしてしまう。
笑ったる。
笑ったるねん。 ....
ないてしまうかと おもった
きみは よぞらを みあげて
あれは リゲル
あれは べテルギウス
そんなに きれいな めで
とおく とおく あるものに
そらを すかして うちゅうを みてる ....
決めた
今日
君以外の事
しない
君の名前を呼吸して
君の笑顔で働いて
君の鎖骨をおつまみに
君の言葉を食べて
寝る
今日
僕
君以外の事
しない
ギターが
なりひびく
ギターが
なりひびく
ギターが
なりひびく
ギターが
なりひびく
ギターが
なりひびく
地下1Fの五叉路で。
写真立てには何も入って ....
そうじゃないよきみ
と言いたくてうずうずしている
大人げない大人たちに
注射器で若さを注入してやる
若さは活性酸素でできているから
一週間したら致死性の猛毒にかわる
踊り尽きた月 雲もない ....
実は僕
あんたの事
5回殺してるんですよね
ええ、頭ん中で想像して
だから罪にはなりません
心の積荷は少々重いですけれど
まぁ、現実にあんたが生きているのは
僕の想像力のお陰 ....
目のまわりが充分に黒ずんでいるから
メイクはしないむしろもっと顔色を悪くしたい
歯はおあつらえむきにぼろぼろ
煙草吸うから脂できたない
昨日から何にも食べていないから
うまいことやつれて頬が ....
ひらひらと
一年の想い出を
ひっさげて
木の葉は空へと
舞ってゆく
どこかの星へ
報告をしに
包装のプチプチをぷちぷちしてるとき
まちのはずれでは夜が夕景を食べていました
ペットボトルのお茶が
中途半端に飲まれることを怒っています
ショベルカーは「ごめんね」と言いながら ....
地球儀をもって
世界を
旅してきます
200箇国を超える
人々に会ってきます
ぼくたちはボランティアではありません
ただの旅人で ....
君がふと
だまりこむだけで
私は遠くへとばされる
沈黙という名の遠心力によって
私は遠くへとばされる
手を添えて泣くことを覚えたのは
三つ前の冬です
どこへも行かぬように
願いながら 泣きました
秋風
たわむれる女子高生と女子高生が
悪ぶって眉間に皺を寄せている
その光景が嫌 ....
ぼくの短い両腕じゃ
半円だって描けない
手をつないで欲しいんだ
き ....
一日の終わりに
シャワーの蛇口をひねると
十二時のひずみから
しずくが落ちる
窓枠の
カタカタ
と鳴くのもよそに
通り過ぎたのは
秒針で
洗いながしたのは
遠い遠い
約束 ....
それぞれの じんせいには
そのとき きもちにさいた はなを
そだてて ゆくときが あるのだろう
ひつぜんでも ぐうぜんでも
ただ そこにある かんどうが
ぼくらを つきうごかして ....
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