すべてのおすすめ
あなたはわたしの何もかもを知らないし
わたしはあなたの何もかもを知らない
それでいいと思う
それでいいと思ったら
夏の柔らかい部分では
雨の方で都合をつけて
わたしとあなたを
水たま ....
十二番目で
いつも言葉を間違えてしまう君は
その次の交差点では
左折ばかりを繰り返している
東京
狭い夕暮れで
夢から覚めたばかりの抜け落ちた体を
ついでのような角度でドアの隙間に潜り込 ....
おもいではいくつかぞえても どんな過去も おなじになるから
ときどき、かなしくなる
かなしいうたを、うたいなさんな
あけがたをみつめて
やっとねむりにおちて
うたうことは
わたしの たましいの かたちを
そっと ゆびで なぞるのと にている
すべてのおんなのこは
みんな桃の実のようで
ピンクに染められた指先を
風が撫でてゆくたびに
わけもなく泣きたくなる
土砂降りで
街は
真っ白に
光っていて
おれは
雨の終わる場所を
ずっと
探し続けている
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子 ....
やさしさの
形は何かと尋ねたら
君は丸だと答えたね
金柑蜜柑夏蜜柑
すこやかに香り
夕暮れの
色は何かと尋ねたら
君はまっすぐ指差して
....
棺桶に釘を打ち立てる音
葬儀場に響き渡って
弱い子供はわけもわからず泣く
強い大人も少しだけ泣く
おしまいの音
おわかれの音
日曜日に夕日があたるので
さらに 奥まで入り込みますと
サヴォイの 看板が
悟ったように私は
このままの 状態で
さらに 奥へと進みました
壮健な 壮健な ....
男は長い間カバンの中に住んでいたが
ある日旅をすることにした
もちろんカバンを忘れなかった
昼間は旅を続け
夜になるとカバンの中で寝た
朝起きると同じ場所にいることもあったし
誰かの手 ....
愛は儚いけれど
愛がある瞬間は
永遠のようです
愛の言葉は
幾度聞いても
古くはならず
季節が来るごとに
咲く花の様に
新鮮で
不規則に打つ心を
いつも安定させま ....
背負うものが
不確かなものなら
その重さは
自分で決めていいらしい
あすとらっど じるべると
あなたを あいしています と
うたっている
わたしの こらそん と
うたっている
たんなる ひとりの
あすとらっど じるべると が
....
マフラーいい加減に巻いて
サンフランシスコの風みたいに
ロケットスタート ドリーマーは
サンスターでちゃんと歯を磨く
そろそろと差し出した上唇と靴下
いろいろと伸び悩んだあげく濡れて ....
前髪短く切ってさ 朝になったら眠ろうよ
インタビューに載せる アイデアで生きてる
おやすみサンライズ おやすみサンライズ
腰を短く揺らして 朝になるまで踊ろうよ
夜を想像して 昼を ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった
少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
引っ越すと言うので
貰った8角形のコップ
口づける度
あなたの味して
使えません
よるのうた うたうのは
だれですか
よるのうた うたうのは
やねのうえ
よるのうた うたうのは
ちいさなこえ
よるのうた うたうのは
あおい まよなか
....
双子の兄弟が天秤の右と左に乗った
同じものを食べ同じものを着ているのに
右にのった弟の方が重かった
弟が髪の毛を数本抜いて
ようやく天秤は釣りあった
天秤から降りると
母親は二人の ....
欲しいものが欲しいと
子供がせがむので
欲しいのは欲しいものなのかと
問い質したら
欲しいのは欲しいものではないかもしれないと
子供が言うので
欲しいが欲しいんじゃ ....
思いと
言葉が
噛み合わない
また一つ
約束を破った
夕涼む縁側
うちわ
ねつ
におい
笑うしかないと
娘は知っている
まだ桜に早い頃
木蓮が
花を咲かせる
冬の無骨さを残しながら
樹の先に
花びらだけを
咲かせる
花びら一枚一枚に
名前があるわけもなく
少し高いところの
空気のそよぎに合わせて
....
ひとりのような気がするし
誰かと一緒のような気もする
今日は三度死んだのに
同じ回数だけ生き返ってしまった
いろんなことに飽きたから
何もかもやめてみた
身体を動かさない
思考を停止 ....
すべての人には名前があり
すべての名前には願いや祈りがこめられている
殺す者に名前があるように
殺される者にも名前はある
殺す者になるために付けられた名前などなく
殺される者になるた ....
母をおくる と
おそらく
わたしの半分が終わる
半分が終わる と
わたしには
守るものがたくさんあって
後戻り
できないことも
また
たくさんあるのを知って
さみしさの ....
夕暮れには
群れなす鳥が遠くの森から
別の生き物となって飛来する
そういうまちに僕は住んでる
あのひとが好きで
好きで
もう死んでしまいたい
こんな感情は
刹那的で
明日の朝、目が覚めたらきっと
忘れている
桜に似ている
降る花びらの中を今日、歩いた
小さく舞う白 ....
まよえるこひつじも
まよえるたましいも
まよえるさらりーまんも
まよえるしょうがくせいも
まよえるおくさんも
まよえるかえるも
まよえるさつじんきも
まよえるつばめも
まよえるしゃちょ ....
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