無職無芸の自分に向けられた罵詈雑言に
ヘラヘラヘラと冷笑を以て返すのが
心底辛くなったから
田舎を出てきた
そしてわたしを差す黒い指を
そのつどへし折って へし折ってきながら
ペ ....
柔らかな詩集をよみたくて
その手触りをつてに探してみる
本屋の隅の空間
私と本との距離

固く閉ざされた世界
踏み入れる足はとまる
ひとりの詩人の呼吸になる
同じ風にふかれる

地 ....
 父さんはニ層式洗濯機の中で
 ぐるぐる洗われている
 家族みんなに
 臭いって言われるから

 姉さんは乾燥機の中で
 父さんと同じように
 だけどひっそりと回っている
 好きな ....
窓を閉めれば
肌を撫でる寒さは居留守を使われ
ガラスを通り抜けて
冷たくなった雰囲気を
盛り上げる穏やかな
秋の太陽に温まった教室


昨日までそばにいた
串刺しの的はもうい ....
 
 
わたしが
しあわせになるために
ぎせいになった
きみへ

わたしより
としうえというりゆうで
きみはいのちを
ゆずってくれた

うまれなかった
あによ
いつからわた ....
朝靄の薄雲に似た恋情の 移ろい易くもいちめんに咲き 瞼の奥で失っていたことに気づく。しかし、
それが、髑髏を巻いていたひと夏の感情だ
ったのか、それとも、行きずりの女が床に
棄てた水着の匂いだったのか。朦朧と立ち
込める喪失感だけが、ドラム ....
                 101105



もうちっと
もうちっとですね
もうちっとで冬ですね
河原のネズミも慌ててる
ほじくり出した獲物を咥え
呑み込む暇に走り去る
水 ....
重ねると傷になるからね
特に完熟

「桃太郎」は品種名
「トマト 妻せつ子」はブランド名

品種による
大玉、ミディ、ミニは、あるけれど
それだけではない、育て方で
品種の普通より小 ....
秋になったら家を出る
軍手とシャベルを持って遠く遠く
九月いっぱいは歩き続ける
十月は釣りなどして過ごす
十一月が木々を染め出したら
場所を決めて、あとは待つ
落葉を敷きつめてその上に座る ....
婦人服リサイクルの店「るうぷ」は
九年目で十年を待たずして
閉店せざる得ないことになった

彼女の夢の一つが消える

二台あった軽自動車も
彼女の車は手放すことになった

税務署から ....
市営住宅を取り囲む塀のなかで

ぼくはひとり能の練習をしていた

隣接の公園でこどもたちの遊ぶ声が

やわらかなガラスみたいになって空を引っ掻いている

能を教えてくれたのはお母さんの ....
君のことを
煙草1本分だけ考える
はずだったのに

君のことを
煙草3本分考えてた

煙草の煙は
君への

想いのように
柔らかく漂ったり

ため息のように
切なく漂ったり ....
遮光レンズ越しの
淡い背景が
拡散する持ち時間を
しばし彩る
グラデュエーション
緑色のかみ人形の林立に
研ぎ澄まされた
ペーパーナイフの
握り締めた刃先の赤
指の間の憂鬱な黒い ....
それはまるで鉄条網のまえで

雨にうたれる哀切なる群衆のようだった

おまえとキスをして

おたがい探しまわって

ふたりして群衆を見つめていた

哀切./i

それがまるで鉄 ....
子犬の小太郎を
弟が散歩に連れて行き
人を噛ませてしまった。

それ以来弟は噛ませた事は
なかった。
小さい弟には屈辱的だった。

輪ゴムのパチンコで
弟の目を失明させて
しまった ....
影の尾を掴み
痴呆する夕方
ぬるい病みの連続と
意識下の模索の交錯
爪を噛みちぎりながら
肉食の夢に
ひとしきり溺れた刹那
見下ろした欠片は
一滴の血液を滲ませることもなく ....
行方満ちる目
未明ひとつ触れ
踊りかなしく


ひと呑みひと呑みが
耳につもり
うなじを下り


冬の馬が削る
原 崖 丘
かけらを ふりほどいて

 ....
忙しい作家みたいに
見えない締め切りに追われてさ
渋谷の人ごみ追い越して
ひとりぼっちのおいかけっこ
横断歩道を
渡る
手を挙げた老人の
律儀な背中にしょった
いくつもの
ストーリー ....
終わりの果てだと 葉っぱのふち
緑の雲を浮かべた陽気
体を掠めて靴の先で紐をとく

小さな精密が一生懸命
育てた木は また残る

根元に散らばる慈しみと親愛が
腐りはて かさかさに乾い ....
鉄塔の切先に白い烏がとまって喚いている 物事の切先に頭の良くない蛸が絡みついて喚いている 夜のえりあしが伸びきった性器に引っ掛って喚いている 敵はどこだ?
白い白い夜明け の向う側に 見えるか  ....
あの子の
頭脳はノーベル賞級の学者も認めるほどだ
そのくせ
恋に落ちたら
頭脳も体も
全部溶けちゃう

あの子の
恋はいつも正面衝突
背の高い男が好みで
体当たり ....
君よ、忘れたもうな 
いかなる時もあかい実を{ルビ包=くる}む 
透きとほった 
ほおづきの殻のあることを 
「じれったい!」と叫んでいた男の背中にすがりつこうとして
彼が必要としてたのは私じゃないことに気付く

う〜ん、淋しいかも

開けてはいけない扉を自らの意思で開けてしまったのだし
それが愛 ....
魚の小骨のように胸腔にナイフが引っかかっております。
子どもの時分からずっと引っかかっているのです。

(おかしいですか?
 たいして悩みでもないのですが、
 やみつきだなんてとんでもない。 ....
直線的な飲み方をしたら
その酒は喉を焼いた
甘美な味わいの後の
ヒリヒリした後悔は
終電後の情事

一杯飲めば十分で
それ以上求める気はない
倦んだのでは無く
違う刺激に酔っている
 ....
(ここもむかしはみんな桑畑じゃった‥)
年老いた父や母を車に乗せて走っていると必ずそう切り出したのが、今では自分のことのように懐かしい 。

刈り取られた田んぼ/稲架、萎れた葱/大根の葉、 ....
人間は 誕生日から 次の誕生日までの間に
普通に生きてさえいれば
少なくとも 2%ぐらい能力的に成長するらしい

毎日で割ってみれば 僅かな数値しか出ないけど
日々 起きるたびに あ ....
 死んだら二十八グラム体重が少なくなるって
 それがひとのタマシイの重さらしいよ
 と、どこから聞いてきたのか
 娘が言う

 父はおもう
 タマシイに重さがあるなら
 物質 ....
 
 
やねのうえを
あめがあるいている

なかにはいりたくて
しかたがないのだ

しめわすれたまどから
なかをのぞいて

さんのあたりを
なみだでぬらして
 
 
ナカツカユウリさんのおすすめリスト(180)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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