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あのひとのことのはひとつひとつにもあのひとがゐてわれをまどはす
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からっぽであるということ殻ですらないということそれでも私
眠れないまま待っている夜明け前祟るってえならとっとと ....
硝子瓶つかんだ手首鳴りひびき緑に映る偽りを燃す
月の角おのれを穿つかがやきのなんという蒼なんという蒼
からだから離れる痛み目の痛み光とまらぬ光す ....
深海の
砂一粒が
目を閉じて
魚の夢を
透明にする
{引用=
8センチ隣でただしく眠ってる、きみに呟く「死のうか」なんて。
どうしても受話器ごしでは無理なのね いっしょに歌う、そんなことすら
この夜のふかいとこにきみがいて ....
棘のある野薔薇にそっと口づけるようにお酒を飲みなよ、きみは
お星様 えいえい力込めましょう 割れたら海に 捨てておきます
エメラルドグリーンのバッズ 煤焼けた肺に早蕨芽吹き、噎せる
....
松の葉が
ささった髪が
うれしくて
飛び跳ね回る
きみとカエル
魚には
冷凍船の
眩しさが
遠い海鳴り
故郷のひかり
太陽が
消えてもきみは
キスをして
8時間後に
メールしてくる
{引用=
なぁぼくは受話器で泣いてるきみを抱けん。その泣き声さえも「ほんもん」ちゃうんや。
気の強いきみの受話器が黙るんは なんでかわかるよ、ぼくにはわかる。
....
8センチヒールで足をくじいた日 あなたの背中バファリンのよう
花道に落ちて知りえる一輪の桜に彼女を知らないままに
暗い夜東京路地裏俺一人((誰かのことを思えたなら))
天王洲アイルの夢の色((ヘッドライト))無数の行き交う桟橋に
....
ヒマワリを育てています真っ青な種を十一月にもらって
双葉本葉大雪冬至ヒマワリはじわりじわりと育っています
植え替えるとき底に根がぎっしりでやる気でいるのが窺えました
強風と霜からだけ ....
嵐去りなぎ倒された{ルビ畑=はた}に立ち、「またがんばればいい。」父は鎌持つ
フェルマーの最終定理説く君の肩にとまってみとれる小鳥
はい、あげる。うれしかったよあのときは あのサボテンは枯れちゃったけど
世界一星の近くで息をする {ルビ宇宙=そら}に寄りそい晴れわたる肺
実朝の末期知るなる大銀杏八百年後の雪に折れけり
夢自体めったに見ないし、まして樹木絡みの夢など、木を相手の仕事をしている割には見たことが無かった。
それが、今日の未明、倒れる大木 ....
{引用=
愛なんてコンビニでも買えるって どれが愛だかわからんのやけど。
さみしくて漂流したくなったさかい、貯金おろしてロフトに行くわ。
星空をさんきゅっぱで買ってきて ....
適当にご飯は済ませろその代わりたけのこの里は噛みしめて食え
ペケをするマルをするまたペケをする答案用紙が涙ぐむまで
カゴの中震える果物くださいなろくでもない日に ....
なな色の純真、羽化し残された白紙の絵本「はらぺこあおむし」
波音に吐息は溶けて泡になり水の香りを身につけた肌
ただいっしんに首を振りあたまの中の炭酸ソーダを泡立てる。
ぱちぱちとはじける泡の数だけあなたに言いたいことばがあるの。
泡も抜け残酷なひとが通りすぎ鏡 ....
まっさらな 白いガーゼを 赤く染め 私は大人になりました
きっと前世は 人魚だったのかも 私の間に 海があるから
体内に 地球を抱いて 丸くなる 愛おしむ程 母になってく
{引用=
*あいうえおにあこがれている
あってみたい。まだ見たことない朝焼けに ぴったりの名前、つけられる人と。
いまだけを生きているから。いまだけを生きていたいと思って ....
やわらかな光をたばね菜をゆらす瞳に春を住まわせた人
{引用=
絵具を溶く指から香るあなたの匂い。だから時々描けなくなるの。
滲み出す画面の先に春があって たまらなくなるから青色を塗ろう
大好きなふたつのものを区別する、わたしの ....
雨の日は虹の七色探索す。ポスト、au、ロフトにハンズ。
「再発は再出発のことだよ。」と笑った母のわたしは娘。
ふるさとの母の帰った日の夜の 机にぽつんとはっさく光る
椅子ひとつ文句をつける君の横で 黙って揺れる二足の私
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