安易なキボウが、風に消える 
この糞ったれな世界にて 
ぼくは今迄よりも必死に 
「ほんとうの答」を探し始めた 

古書を開いて捲るほど 
文字の無い空白の頁の 
左側には、十字架にかけ ....
大切に育てたモノは
誰にも見せられない
丁重に外を睨め上げて
時折祈るのは空が落ちること

暗く湿った風を蔑んで
耳に残るは静かな破裂

命は吐き気がするほど柔らかく
言葉は寒気がす ....
ライラックの香りが飛び込んできました

車を停めたときには気づきませんでした
4月の夜のことでした

まわりを確認してから枝ごと花を盗みました
それを車のダッシュボードのうえに置きました
 ....
  ∞ おわりに


私はこれまで
数々の冒険について述べてきた
世界はかくも荒々しく美しいことを
伝えたかったからだ
最後に一人の青年
カントリーボーイの話を記して
筆を置くことに ....
 
 
夜半から降り始めた砂が
やがて積もり
部屋は砂漠になる
はるか遠くの方からやって来た
一頭のラクダが
もうひとつのはるか遠くへと
渡っていく
わたしは椅子に腰掛け
挨拶を忘 ....
切り倒したばかりの白木 刳り貫いて

船をつくろう 船をつくろう

亡くなった人の骸を入れるため

船の棺に入れて 愛しい亡骸を入れて

白浜へ挽いていこう 海まで挽いていこう ....
僕には、
何もなかった

夏の蚊のごとく
生き急ぐことしかできなかった
何もないのに求め続けた
何もないのだから
何も得られる筈がないのに
なのに求め続けていた


僕には、
 ....
一二の時まで、わたしは発光していました。

ちいさなわたしは
空き地のハルジオンの隙間に落ちていた
たくさんの欠片(かけら)を
拾い集めては、
序序にじょじょに発光していきました。
 ....
君はうんざりするような春の幻の中で
僕が捨てた声を拾い上げながらずっと微笑んでいる
揺らぐことのない穏やかさに
敵わない何かを感じて僕はうなだれてしまう

秋 ....
空のうえは宇宙でしょうか

ぼくには空のしたしかありません

あらゆる哀しみと同苦したいのです

空のうえなどいらないから

あらゆる哀しみと同苦したいのです


天国なんかありません

地獄なんかも ....
マーくんとマーちゃんは
幼稚園で知り合いました
家はご近所で
よく公園で遊びました

二人とも照れ屋で
最初は大人の足に隠れ
一言も話しませんでした

ようやく砂場で
山を作りあう ....
十七のとき

二十六の女と付き合っていた

対等だと思っていたけれど

そうではなかったはずだ

いま考えると恥ずかしい

アルバイトさきに女を迎えて

よく女の部屋までいっし ....
日頃の不摂生で 
年の瀬に熱を出し 
病院で点滴をした三日目 

今日、初めて気づいた 
点滴を吊るした棒の台車に 
歩きやすいよう 
掴まる取っ手がついてたことに 

昨日、僕は点 ....
こんばんわ
強盗さん
金を出せと言われても
ご覧のとおり何もないわよ
あなたに渡せるのは
この部屋の暖かさだけ

求められたら
声は聞かせてあげる
耳元でささやいたら
強盗さんの右 ....
夜は沈黙の代価で震える
いとしい
くるしい
あさましい
そういう感情の化合物で
誰が誰を傷つけるか予想できないから
おいそれと名前を用いることは出来ない

手前にはロック以来の経験論が ....
確かにあっちがああだとしても

でもこっちはこうだし

仮にあれがそうだとしても

これがどうなるのだろう

交差するのは人差し指

虚言はいかにも真実を含んでいそうだった

 ....
「かんちゃんはさぁ」

まどろんでた保健室で突然に話しかけられたんだっけ。
アダムとイブがどうとか、
ノアの箱舟がどうとかこうとか、
新約聖書と旧約聖書の区別もついてない私には
さっぱりわ ....
風の便りに聞いたんだけどさあ
20年も筆を折ったままだったおまえが
またぞろ詩を書いているんだってね

どうゆう風の吹き回しだか知らないけど
本棚一杯の現代詩手帳やユリイカ
荒川洋治やら訳 ....
真島正人さんのおすすめリスト(299)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
宇宙の本_- 服部 剛自由詩310-1-14
命は吐き気がするほど柔らかく- くろね自由詩410-1-12
ライラック通り- 吉岡ペペ ...自由詩310-1-4
冒険の書___著_エンディ・スタッド- りょう自由詩3*10-1-4
記憶- たもつ自由詩1610-1-4
船葬- 楽恵自由詩13*10-1-4
何もなかった- オンガシ自由詩4*10-1-3
夢の欠片(かけら)- ……とあ ...自由詩15*10-1-2
だからといってそれが冷めてしまうまでここでこうしているわけに ...- ホロウ・ ...自由詩6*10-1-2
空のうえなどいらないから- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-1-2
おわりは始まり- りょう自由詩9*10-1-2
六月の白い月- 吉岡ペペ ...自由詩410-1-1
新年の扉_- 服部 剛自由詩8*09-12-31
真夜中_机の上のラブレター- りょう自由詩6+*09-12-31
夜は沈黙の代価で震える- 瀬崎 虎 ...自由詩809-12-30
仮にあれがそうだとしても- こめ自由詩1309-12-28
ナベくんへのながい返事- かんな自由詩15*08-8-29
風にふかれて- 恋月 ぴ ...自由詩4*05-7-10

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