六月の白い月
吉岡ペペロ

十七のとき

二十六の女と付き合っていた

対等だと思っていたけれど

そうではなかったはずだ

いま考えると恥ずかしい

アルバイトさきに女を迎えて

よく女の部屋までいっしょに帰った

女を慕う女子中学生が

たまに自転車で途中までついてきた

女子中学生が

せんせえ、月が外灯より明るいねえ、

女にとりとめもない話をしている

群青に白い月があがっていた

ひどく蒸す宵を月だけが冷ましていた


自由詩 六月の白い月 Copyright 吉岡ペペロ 2010-01-01 17:05:21
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