曇り日の妻の花壇は彩さみし戸を閉めて机に座りけり

 トレモロという曲ギターで流るテレビ放送心をたたく
 
 今朝の家雰囲気はよし幸先よしだが人の心の空しさよ 
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか


田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく


華 ....
夜のまんなかで

煌々と

月は月している

そのまわりに散らばった

それぞれの場所で

星たちは星している



宇宙はなにを


ものまねして


いるの ....
忘れてはいけません
時間はそっと話しました
呼吸をするように肌に刻み
常に隣に寄り添う空気のように
忘れてはいけません
時間は繰り返します

記憶はいつも曖昧で
苦しみも喜びすらも薄れ ....
それは八〇年代に現れたバンドで、知ったのはオールナイトニッポンというAMラジオの深夜番組だった 当時十五歳だった僕はその音と詞と声に夢中になった CDプレイヤーも持っておらず、レコード店というものが縁 .... インドでの最後の日
褐色の海に
トビウオが跳ねる。
海底油田の採掘船の間をすりぬけて。

少女たちが物乞いをしている。
海を背にして。
彼女たちは自営業者なのか、と私は考える。
それと ....
        

停車場で
吉備団子あげます
ください
くれ
おくれ
家来になった顔した侍達が
ぞろぞろ
動物の面を着けて歩いてくるから
ぎびだ〜んごっ
といいながら
口をも ....
朝に

晩秋の小雨しと降るうすくらき朝の車はゆかしく去りぬ

髭を剃る朝に人を迎え夕に妻に会うためなりともに心して

歳とりて若きゴルファー打つボール転がりゆくをじっと見つめる
もう腹を立てたりするのはやめよう

ぼくにはひとを裁く権利などないのだから

あらゆるイマジネーションを使って

ぼく自身に置き換えてしまうのだ

身に覚えがないとしても

身に覚 ....
ふと君と出会ったので
なにを思ったのか
結婚する気になってしまい
程なくして言葉に出してしまい

ふと言葉に出してしまったため
なにを思ったのか
結婚することが現実的に思え
程なくして ....
きみから放たれた愛しい種子は
酸素に混じり肺に吸い込まれ
潤んだ空間にじわじわと溶ける


熱いため息が吐き出されたとき
そのあまりの重さに
飽和状態であったことを知る


きみの ....
ニュートラルな空気
僕の頬に触れているけれど

そこにあることすら忘れていた

ペダルを踏み込む
ふらつきながら動き出す自転車

そこにあった空気を押しのける

次々と 次々と
 ....
虫の音だけが響く長い秋夜のしじまに
基次郎の 「檸檬」 を読んで
僕も明日、彼女の机の上に
そっと檸檬を置いてみようかと
画策する 新しい世界を生むために

だいぶすずしいなったなあ
と ....
雨上がりの濡れた空気に
しっとり染み込む芳香は
垣根の向こうの金木犀


乾き始めたアスファルトに
規則正しくむちを打つのは
子どもが回す赤いなわとび


吸い込みすぎて重たくなっ ....
{引用=眠れよい子よ
月がほしいと泣く君よ
闇夜の空に手を伸ばし
きつくきつく握っても
月はその手をすり抜けて
君の心を絞めつける。
ほしいほしいと泣けば泣くほど
月は君を支配して
 ....
影響

少しだけの賞賛が
少しだけの満足が
少しだけの尊敬が
少しだけの裕福が

それが人生の全てだ

と気づくのに人生の大半を費やしてしまった。

少しばかりの賞賛と
少しば ....
天文館通でスナックのあとラーメン、定番だ

芋焼酎は白い

脈絡もないことを思いながら歩いている

麺はのこしておいてよかったな

酔ったからだをホテルまで動かしている


出張 ....
トビが啼かずにまるく飛んでいる
白い朝の港の防波堤は
カラスの群れで
黒く染まっていた

ひゆん ひゆん ひゆん
と息をしている
ひゆん ひゆん ひゆん
と啼いている
ひゆん ひゆん ....
あのときあいつはああ言った

あのときあの男はあたしを笑った

あのときあのひとは助けてくれなかった

あのときやつらは追い詰めた

あの言葉、あの態度、あの時あの時あの時あの時あの時 ....
あたしはコトバなんかじゃねえし
心なんかじゃねえし
おまえらみたいな輪郭がどうしても線にならないから
流れていってしまう
地上のある全部が全部が
あたし達の皮膚
皮膚
だから
午前中は ....
地面から声がする
見おろすと小さな
白い帽子が揺れる

帽子を乗せている茎を折って
目の前に近づける
帽子に見えたのは
米粒よりさらに小さな女の子たちが
たくさんぶら下がっている姿だっ ....
               091017


コロッケを買う
帰り道の悦楽
見事なほどの
木の根の太さ
あ〜ぁ〜あ〜ぁ〜
赤い車のホースを伸ばす
裏の川から水を汲む
火事だ!
 ....
日差しのなかで
生きた時間が
歩く 歩く 歩く
ひとつひとつのリズムが

あたたかい血の
海の 彼方の
遠くて近い場所で

地下鉱脈の
その少し先で

ひとつになり
大地に雨 ....
夏の宵に火をくべて
お帰りなさい お帰りなさい おじいちゃん
帰るうちはここだよ 間違えないでね

大好きなおじいちゃんは私が3つのとき亡くなった
お盆に亡くなったからおじいちゃんは大変だっ ....
木枯らしに吹かれながら
丸裸になっても
真っ直ぐ空に向かい伸びている枝を見ていると
大切なのは見えるものじゃなく
内面に抱えることのできるものだって
沁みるように思えて
こぶしを握りしめた ....
長月の夜に
細かく降り注ぐ秋の雨
人も街も月でさえも
水煙で霞んでいる
そんな中
大地を真っ赤にできそうな
目一杯の彼岸花の花の群れに
小さな
水滴が
つく
時 ....
夕刻の列車
窓に頬を寄せて
待ち合わせの停車駅で
夕陽を眺める
ほんの九分間

たとえば
一日を振り返ってみると
夕食の献立が
浮かぶ
なんて、便利でいいのに

どんなときも
 ....
在り合わせにかえって思いやりを感じる
わざわざ捻り出さなくても
無ければそれで誰も責めやしないのに
お節介なのは今に始まったことではないので
いつもの舌打ちに心を込めた


昼間の月を見 ....
私の勤めているキャバクラ店は明日おでんデーらしい

ボーイの寺田君と内緒でつきあってるレナさんが
おでん作んのダルイ、と
セッターの煙と一緒にはきだした瞬間
明日の昼に私服にノーメイクで ....
俺の腐った幹の上に
枝葉が伸びて花が咲く

俺の腐った幹の下に
根っこが伸びて瘤になる。

俺の腐った幹の中
殻に包まれた自分がいて
自分の匂いに吐き気を催し

俺の腐った幹の中
 ....
西天 龍さんのおすすめリスト(312)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
曇り日- 生田 稔短歌209-11-5
きみはほうき星の足跡- あ。自由詩27*09-11-4
宇宙のものまね- 吉岡ペペ ...自由詩809-11-3
胸の中に- ミツバチ自由詩2*09-11-3
Welcome_To_The_Lost_Child_Club- within自由詩2*09-11-2
ムンバイにて- 都志雄自由詩6*09-10-31
おひとり戦記_(朗読用)- あおば自由詩2*09-10-26
朝に- 生田 稔短歌209-10-26
ぼくは祈りしか持たない- 吉岡ペペ ...自由詩709-10-25
情歌(ジョーカー)ー中二階の六畳間ー- ……とあ ...自由詩26*09-10-25
きみの球体- あ。自由詩21*09-10-23
さいくりんぐはい- kauz ...自由詩8*09-10-22
さやけき奏(かなで)- within自由詩8*09-10-20
芳香- あ。自由詩22*09-10-17
月の子守唄- 夏嶋 真 ...自由詩22*09-10-17
精算書- ……とあ ...自由詩17*09-10-17
酔いに想う- 吉岡ペペ ...自由詩4*09-10-17
港の朝- within自由詩9*09-10-17
繁る私- 笠原 ち ...自由詩1109-10-17
ホーム- モリマサ ...自由詩509-10-17
タンポポ- 殿岡秀秋自由詩609-10-17
僕らはたまに- あおば自由詩6*09-10-17
正午- 夜明けま ...自由詩209-10-17
祖父の白百合- 朽木 裕自由詩409-10-11
「The_things_unseen」- 広川 孝 ...自由詩109-10-11
彼岸花- 麻生ゆり自由詩7*09-10-10
まちあわせ- かんな自由詩7*09-10-10
ホームグラウンド- 中原 那 ...自由詩709-10-10
今日はおでんデーだからとかマジどうでもいい。- ゆきちゃ ...自由詩7+09-10-10
- ……とあ ...自由詩8*09-10-9

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