気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ
夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを
縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
俳優は事件をひとりで引っ被っている
現場にいた元総理の息子と
死亡した女とのあいだには
国家レベルで容認できない何かがあった
この事件を掻き消そうとして
あの女優夫婦にも ....
冬の夜空ったら輝く星ひたすらまぶしくて
手編みのマフラーとか恥ずかしい思い出の数々
泣きながら破り捨てた一枚の写真
私の肩を抱いていた男の顔
なんて
忘れたような
未だ忘れられない ....
{引用=(横たわる河をいつもひとり渡ったこの身も河のひと粒として)}
電源を切ったつめたい指先が私の花をふるわせて、夜
私だけを、という歪んだ夢をみて卓上の檸檬が暴発する
恋人か友人 ....
ららいらららいらい
誰がきょうも
種を飛ばす
やわらかく
芯はかたく
眼球は
きょう、うるおっていますか
かわいてるのなら
かけてあげましょう
えん罪のドラマをみる
ことば ....
どうしようあの娘に嫌われたら
私があの娘のことが気になってるって
人に言えないような気持ち抱えてるって気付かれたら
どうしよう
友達だと思ってたのにって嘘付きって
どうしよう私また一人
君とは双子み ....
水面下で寝息をたてるわたしに
おはようのあいさつは
いつもキスだった
大切はいつも
抱えていたつもりで
放り投げていたかもしれない
川のあたりできれいな石を探すようには
見つから ....
届かないと思っていた扉の取っ手は
いつの間にか腰の位置になっていた
背が伸びて視野が広がる
遮っていたものに追いつき追い越し
世界の大きさに少しずつゆびが触れる
もうすっかり ....
うつくしいものは、あなたの涙
うつくしいものは、あなたのくちびる
うつくしいものを知らずに、あなたは
地上を這い回る、あなたは
哀れでいとおしく
人はたくさくんの月や星や太陽を贈る
....
満員電車にのって
おじさんの大きなお腹に
つぶれそうになって
呼吸困難
外は真っ暗
家に着く
待ちわびた今日が
終わってしまった
なんて
玄関まできて思っ ....
退 屈 だ
君は太陽のように退屈だね
悪いことしたい
深夜にこっそりすること
ほんとうはそれが人生で一番大事
暗闇 沈黙 かすかな息づかい
昼間の世界 ....
だきしめる
骨ごとだきしめる
フルパワーが続くまで
たましいがふれあっている
鈴のねがきこえる
宇宙からきこえている
じかんのまえで
ぼくらは迷える子羊だ
....
どこかにいきたいと思う
ここはとても寂しい場所だ
自分からの声もないけれど
夜の帳の中に入ると
木の葉の破片を見た
*
ヤゴかゲンゴロウかもしれない
光っぽいものを掬い上 ....
唐突に君を食べて吸収してしまいたいと感じた夏の終わり
蝉がじぃーじぃーと田舎を想って鳴いていた午後の話
グラスに入った海月型固形の気泡たちは
海に還りながらバラッドを口ずさんでいた( 空耳?? ....
{引用=地上では
夏を散らす風
恋しくて水面をみあげた
なぜかしら
感じたことのないものを
わたしは知ってる
水面には
ひかりの乱舞
銀が背に降り積もり
手のひらの ....
すきだけど
愛じゃない
あなたにそう云われたとき
あたしうなずいたけど
ほんとは
心にぐさってきてた
ちが出てたかも
すごくいたかった
わざわざ
あらたまって云わなく ....
記憶を
残す
出来るだけ
美しい形のものを
渡す
それが
なんなのか知ったのは
ずっと
後の話
+
いつか
死ぬことを
知らずにうまれ
しばらくは
その ....
鯵の開きってあのままの姿かたちで泳いでいるのかな
だなんて今さらながらにとぼけてみせても
私は私自身に過ぎなくて
迎え火で迎え
送り火で送る
ヒグラシの鳴く音に季節の移ろいを覚え
....
これから
あのおも苦しくて
食欲のない時に食べなさいといわれても箸がすすまずに
高い熱があるときに自力で病院まで這って歩くときのように
とんでもない大雨で身動きのとれないひとりの空間
エレベ ....
ゆく雲が
君を求めてのばした蔓から
ふわりと咲いた雪の花びら
彼方を白く染めるものの
ひとつひとつの小ささを
ひとつひとつの儚さを
まるく含んだ湿り気が
花の波に匂いたつ
....
リビングでうつむせに戦死をしてると
からんからんとガラスと氷が遊ぶ音がする
目線だけあげて見れば
薬味と素麺とめんつゆをお盆に乗せた母親が微笑んでくれていた
という夢をみた
....
親のいうことをきかないと死んじゃうからたいへんだ
きょうは花火大会
火薬のにおいをかぐために
ずらずら歩いて
親においつくために必死に歩いて
きれいだなあ花火
ゆがんだドラえもんきれいだな ....
僕は流れに身をぼんやり寄せた
ああ地中海の風を受けた
僕は
ここで
フランスの色々な国々を歩きたい
歴史のことを考える
*
ぼんやりと夜の青色に
ナポレオンが侵略した
白 ....
夜なんだけどね
ペンネの奥に
おじいちゃんが見えたの
遅かったんだけど
お腹空いちゃって
冷凍のペンネ温めて
(レンジ鳴る)
食べ始めて
なんとなくペンネの穴を見てたの
そしたらね
....
きみとはじめてくちびるを交わした日のことを思い出したよ。
恥ずかしがってる私を捕らえて、
きみはやさしくほほえんでくれた。
かわいていてやわらかで
ほんのりとあたかかだったそれは
わ ....
星たちが瞬き
時がゆっくり流れる
トランペットが小夜曲
クラリネットが後打ち
楽しそうなトロンボーン
可愛いシロフォーン
軽快なフルート
夢を与えるキーボード
ゆったりとしたチ ....
すきだよ
すき
すきだ
きみを
たべたくなった
でも
ここにいないので
持てるだけの思い出を総動員して
きみの輪郭をなぞる
たよりない
あたしのきおく
きみの ....
僕はたくさんのひとを巻き込みすぎている
それでみんなを
幸福にしているのならいいのだが
ついて来れないひともたくさんいた
僕は反省もするし、確信もするし、
でもさいごには ....
コンビニで105円のマカダミアチョコレートが発売されたのを知ったときは発狂しそうになった
Suicaのワンタッチで体が欲するチョコレートが買えるのだから
目眩で空が半分ちぎれてしまった
....
朝からの風の匂いで
前線の真下にいると気付いたところ
一晩じゅう置き去りにした鍋からは
酸っぱい匂い、残る悲しみ
部屋干しの洗濯物に引っかかる
濡れた髪の毛
湿ったタオル
鉛 ....
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