深海に潜るようにと梅雨が来る、それはさておき君は元気か
傘さえも寂しいですよ、と群れる夕、東京タワーがひとり濡れてる
遠くとも月のかたちがつなぐのに、その暗号を雨が閉ざすよ
不意打ち ....
口喧嘩したとしても
仲直りの機会とか窺うでも無く
当たり前のように手を貸してくれる
たとえばそれは
洗濯物でふさがった両手のかわりになってくれたり
ちんちん鳴り出したやかんをコンロから下 ....
ひらひらと光の粉と誘惑の扉が開く午後三時半
現実を避けているから私には恋の予感も感じ取れない
スコールの様に涙を降らせても割れた心は満たせないのに
夕立を導くような雷が胸に落ちれば愛に ....
さようならと言うことが
お別れではないように
決められた夜明けは
訪れないのです、私の朝に
どんな明日が来るのか
誰も知らないから
眠れない夜も
夢見る眠りも
明けてしまえばまぶし ....
演劇部の先輩のふくらはぎに
さくり、と突きたつ
矢文になりたい
長閑な朝の通学路に
あらっ?と気づかれて
さらさらほどかれたい
演目は
「草原とピアノと少女と」
そんなガラス球 ....
晴れた日の自転車は
ちりちりと
陽射しが痛くて
風を切ると
明るいシャツに羽虫のシミがぽつり
白や黄色の
果実の予感を湛えた花は
土埃の上で
清しく開き
匂いを放つでもなく
た ....
あれがやってくる
あれの足音が聞こえると心が乱される
あれの姿を目にしてしまうと頭が煙る
あれはひどく美しい
あれはひどく醜い
あれはなかなかに有名なようで
あれを有名にさせたあれ ....
ただ わたし
いるしかできなかった
ふもとで足が
すくんでたのかなあ
呼ぶこともできなかった
さけぶことも
云うことも
かみ殺すことも
ただ わたし
ここにいるしかできない
こ ....
使い古された感もある言葉だけれど
過去と他人は変えられない、未来とじぶんは変えられる、
でも僕ら大半の凡人は
後悔に酔いしれてみたり
まわりのせいにしてみたり
そんなことをして過去の延長線上 ....
ニゲナイ? と、問う
ダレ? と、問う
問うたびそれは
私のココロをうつすカガミのように
わずかずつ よじれ
いつのまにか 似ても似つかぬかたち に。
それでも よごと もぐる ....
姉さんは言う
「自由があったら私は飛んでるもの
自由があったら私はもっとかわいいもの」
兄さんは言う
「それじゃあ姉さん、足枷はどうなんだい
縄や枷は心に自由を与えてくれるよ ....
きっと しぬなら
ここが いいな
口許に両手で
まっすぐに支え持つ
大切なものが
ひとつも目に入らないようなのがよい
最初からいままで何も知らず
何も持たなかったかのように
最 ....
駅東端の改札を抜け昔ながらの踏切を渡ると
南口商店街の低い軒先を飛び交うツバメ達に出逢った
桜は散ったばかりだと思ってたのに
あっという間に日傘手放せない季節となってしまったんだよね
....
わたしをつれていってくれるの
衝動的にマンホール
わたしの時間軸
ぶれまくればいい
どーんといってダイブ
そらからふってきて
空に召されたい
あなたのいない地球なんて
彼女 ....
きりあちゃんは変な子です
三年も前から夜眠れないんだそうです
ヒマなので、小説を書いているそうです
わたしならマンガ読むと思う
きりあちゃんの小説は変です
きりあちゃんが生まれてから、あ ....
にゅうどう雲で 溺れたい
さんだんジャンプで 空の上
やあ ここは夏のど真ん中
夕方にはならない 夕方はやってこない
きゅうりをかじって 川すべり
ふきだす汗は 海 ....
生産性をアップさせるために
無駄をとれとかいうけれど
それはたぶん素晴らしいことだと思うけれど
承服しかねるじぶんもいたんだ
無駄なんてない、って
月あかりが万物にしみていました
....
近すぎるよ
近すぎて、
世界ときみとの境界が曖昧だよ
私たちが細胞でできているように、
世界が私たちでできているのならば、
私たちはさっさと境界を捨ててしまおう
間違うなよ、
縁取ってい ....
ぱしゃり、と水音をたてて
あなたは私を抱きしめる
二人きりのぬるま湯に浸っていると
まるで双子のようだと思った
「交わることのなかった二人が
一瞬だけ出会 ....
ガ行をかっこよく響かせて
古い電車は止まった
あたしは
何もかも捨てる気持ちで乗り込んだ
発車のベル鳴り響き
電車はゆっくりと出発
と思うやいなや
駅や人や風景が
あたしと電車 ....
れんあいが
そねえに大切なものでありますか
れんあい、恋をしてないのは
ひにんげん的といいたいのでありますか
おれはきみとマウントスラントしてみたい ....
筆先に
少しついた水を
ふりはらえば
雨もあがった
かならずそこに
たどりつける
ゆびがいたくても
ほほがしくしくしても
なんて濁った川
を体は流れている
発信しつづけ ....
声が聞きたい 寂しい夜
優しい言葉がほしい訳じゃない
何でもない会話に 君の笑い声で 安心できるの
今、電話しても良いかな
昨日話したから今日は我慢
どうでも良い間隔に気を遣う
....
六月の招待状にマルをつけ刈られて強く匂いたつ緑
噛みついた腕から甘い草いきれ雨も恵みにちがいなかった
二人だけの秘密だよってからまった翌朝 夏草ぐんぐん伸びる
....
「 せんせい へ 」 作 消しゴムさん
アタシの隣の席のえんぴつくんは
テストの時、裏にキン肉マンの絵ばっかり書いてます
ウチ ....
{引用=空を描いてクイックターン、
ビルとビルの狭間で
きみはとてもしなやかに
うつくしく、
透明だけど色がある
ゴーグルはすきじゃない、
ただよっているさかなは
酸素がなく ....
驟雨は
色々なものを流し去る
遠い月を見ていると
いつの間にか
僕の中に
月が
照っている
月の光は
ひとの視線に似ている
美しいと思ったもの
かわいいもの
哀しいこと
通 ....
独りは寂しいからね
誰かに頼まれた訳じゃないけど
何となく何となくね
傍に居たくなったの
言葉は野暮だし必要ないね
独りの冷たさ二人の温かさ
これだけで満たされるよ
右から左から ....
誰とも話さず曇りになって
ざんざんと夕暮れが過ぎる日は
きまってしじまがおとずれて
そういう日に
ステレオは死ぬんだ
くちのわるいひとが 正しいこといってる
やさしいひ ....
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