最後に会った友人がマンゴーを置いていった
初めて口にしたマンゴーに君は感動していた
もっと色々な物を食べさせてあげたかった 僕は後悔した
どうかしていたんだ
弱っていく君を見ていられなかっ ....
華麗だとは言いがたいが、
聡明で冷静
美人だとは言いがたいが、
綺麗
妖艶だとは言いがたいが、
酷く艶やか
それが 彼女―
我にとっての「神像」
ガ ....
5時間目、書道
君の隣で「愛」を書く
君も隣で「愛」を書く
愛を込めて書きなさい、と先生
ハネ、トメ、ハライ
ハネ、トメ、ハライ
君が愛を込めた、右手の筆先
その ....
幸せの絶対量は変わらない
苦労してきた人なら、それだけの経験が身につき
苦労しなかった人なら、それだけの運が証明され
財力が乏しい人なら、今在る物の工夫を楽しめるし
財力に満ちた人なら ....
まんまるな月が
笑い泣き顔して
永遠を探しているよる
太陽は
そらのベッドで
くうくう
あしたの光をはぐくんでいる。
探せば必ず
共通点は見つかるの
小さくても
誰との間にもある
合わない点の方が
遥かに多かったとしても
1つの共通点が有るなら
そこ で僕は
あなた と
....
誰もがきっと探してる
心の穴を埋める
たった一粒の薬を
誰もがきっと求めてる
この世の果ての薬局にいる
あの不思議な薬剤師を
群衆に紛れた君が
ビル風に飛ばされそう ....
生産性をアップさせるために
無駄をとれとかいうけれど
それはたぶん素晴らしいことだと思うけれど
承服しかねるじぶんもいたんだ
無駄なんてない、って
月あかりが万物にしみていました
....
青空
もういいかい
まあだだよ
雲さん かくれんぼ
鬼さん こちら
とう かぞえるよ
お日さま ひとりぼっち
あか鬼さん
夕がた 来たら
たき火もするよ
....
朝、目が覚めたら
右の手のひらがチクンとした
キップだった
日付はちょうど1年前の今日
行き先は書いていなかった
チクン
今度は胸が痛かった
その日付を忘れるはずがない
忘れら ....
私を染める桜ひとひら
瞳を閉じた奥に在る
確かに抱く淡い想い
手をすり抜ける夢がひとひら
素直に語れないのは何故
確かに在ったはず…消えゆく未来
移り変わる季節に乗って
私はどこ ....
ひかりたからか
からか からか
穂の息ひそめ
言の火ふらす
窓のふくらみ
煉瓦の道
こだまする影
屋根に立つ影
風のなか揺るがぬ星や星
足の指がつ ....
わたしの家にある
不思議な窓が
開閉を繰り返すと
屋根の背中を
見覚えのある川が
流れている
見分けのつかない一日の
傍にある一筋に
長い影を落とし
少年は一つしかな ....
皐月の緑は
翡翠のパレット
雨のひと粒ひと粒が
瞬間の王冠を
レインクラウンを飾ります
まだ淡い若葉は
ペリドットのピリオド
春はもう終わりです
ものみな落ち着きを取り戻しなさい
....
川面に漂う
名残の桜の
花びらめがけて
一粒の雨の旅は
小さな
波紋を残して
終わる
旅が終わるとき
一粒の雨は
何を見たのか
何も言わなかった
ただ 最後の光景は
波紋の ....
すべてはこのバスの中で完結している
ふとそんな言葉が頭を横切る
雨はもうじきあがるだろう
そうして所在無さげに
手すりの傘だけが残るのだろう
老人は窓と小説を交互に眺める
後ろのどこか ....
今日はどんな一日ですか
晴れていますか
雨が降っていますか
お仕事ですか
学校ですか
お休みですか
どこかでデートですか
....
ゆびさきで
おそるおそるふれた
ぎんいろのフルートにうつる
じぶんがはずかしくて
おと
おとをかなでるなんて
ぼくにはできないだろうとおもった
くちびるをあてても
....
九官鳥になりたい
そうしたら、言葉を言えたら
ご主人様に褒められる
喋りすぎて「うるさい」と言われるかもしれないけれど
それでも褒めてくれるんだろう
何度も 何度も
ご主人様たちの ....
とても広かった
世界がこんなにも
小さくなって
わたしは人の形をしている
魚になることも
鳥になることもできた
自由なこの世界で
いくつかのわたしが
はみ出してしま ....
筆先に
少しついた水を
ふりはらえば
雨もあがった
かならずそこに
たどりつける
ゆびがいたくても
ほほがしくしくしても
なんて濁った川
を体は流れている
発信しつづけ ....
緑色の風が薫る農道から
また少し小さくなった背中に
懐かしさと見馴れなさがやって来て
目頭を抑えることも忘れ
あてがわれた離れ屋に駆け込んだ
何で報いる事ができるのか
口に出そうとする ....
雛が巣から落ちた。
高い軒から、コンクリートに叩きつけられた一羽は
ぴくぴくと口を開き、その奥の赤さを私に見せ付けてから
そのまま動かなくなる。
私がただ馬鹿のように立ち尽くしていると
巣か ....
芝生の布団に寝転がって
五月晴れの空を見上げていたら
公園一帯を包み込む大きな影
くじら雲が町を横切った
頬をくすぐる風が心地よくて
いつの間にかうとうとしてら
くじら雲が近付 ....
愛という字を
上手に書けないまま
この年齢になってしまった
心が大きくはみ出したり
小さく遠慮して
収まってしまったり
愛という字は難しい
昨日久しぶりに電話し ....
今年もまたさくらが咲く
涙を吸い上げて
また地におとす
季節はただ往くだけ
巡ると見せかけて
春は残酷なくらいやさしくて
このうえないしあわせを見せ付けながら
かなしみを呼び起こす
....
九十まで生きたいとか言っていた姉が
今は七十でいいみたいだ
介護を受けれるか受けれないか
ボーダーラインの老人たちの調査をするのが姉の仕事だ
老人は環境をかえるとすぐにボケてしまうらしい
だ ....
風のぬくもりが
わたしの瞼を閉ざす
風のぬくもりが
髪を掬う指先を早める
風のぬくもりが
昨日の足音 響かせる
風のぬくもりが
終わらぬ唄を 呼び覚ます
風のぬくもりが ....
ドンドンドドーン
ドドーンコッドン
ドンドンドドーン
ドドーンコッドン
ドンドンドンタカタッ
ドドンコドンタカッタタ
ドンドンドンタカタッ
ドドンコドンタカッタタ
ンタンタンタ ....
人生の軽さを言いながら人生の重みを感じさ
せる。
そんな境地に僕もいつか辿り着けるの
だろうか。
ノイズとスクラッチとギターとピ
アノと正弦波とドラムとベースとライムのよ
....
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