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降り積もる季節になりました
おもいが
私は忘れていた何かを思い出し
振り向いたり振り向かなかったりします
移ろう
というのは少し悲しいことかもしれません
それとも私は悲しいということば ....
雷雲の底
海に接する光
雷鳴 水紋
耳の底の湖
階段で
手のひらをあわせ
窓の外の音を見る
青を描く金を見る
水のなかの糸
ふかみどりに混じり
たぐ ....
支払う時は傲慢になり
うわっつらすくえば
まだ濁りきってない
醜いねなんて
よういうわ
さめた目で見つめてた
大人になった自分を
さめた目で見つめてる
憧れは
いつから過去になったん ....
誰かが私に指さして
「実はお前死んでるんだよ」
なんて言ってくれたらどれだけ楽だろうか
ねじ巻きおもちゃは
関節を鳴らしながらやって来る。
遠い日の音の記憶は今も耳の残っているか?
子どもたちと笑い声は連鎖して
隣の君の声も聴けない
優しい人達の笑顔は今も変わらない ....
ガムをかみ
かなしい時間をつかまえた
大人っていっつも
こんな気持ちなんだろうか
いっそこのまま
九九でも唄って
神隠しに遭いたい
半ズボンに
両手を突っ込んで
味のしないガムを
....
小皿に食べかすの
干からびた梅干しがのっていた
なぜか醤油の渇いたぶつぶつのシミもあった
これ、おまえの食べかすやろ、
ぼくがそう言ったらきみは笑った
俺、梅干しデカ ....
ただいま
大きい声で叫んでみた
あなたにも
あなたにも
あなたにも
会いたかったんです
ずっと
でもね
詩の神様が留守だったから
ただいまが言えなかったんです
....
わたしは、また、根をおろそうとしている。
移ろわないことに、安定と安心を見出だしつつ、反面、息苦しさも感じている。何をどうしなければならないか、決まっているところがある。それ以外に、わた ....
コンビニとよぶには
なにもない
そんなところで
きみはうまれた
レジのおんな
たちよみしてるおとこ
ほかにはだれも
いなかった
少し前から
光合成をしなくなった
薄らいでいく光を
見過ごして
遠ざかっていく水を
遣り過ごして
余った二酸化炭素を
夢にすり替えることもできずに
ただ乾いていく
カサコ ....
三つの影の
ひとつには羽
見えぬものの傍ら
口笛を吹く
道は森となり
曇の花 泡の花
原めぐる川
降りつづく雨
はじまりの雨
風をくぐり
風をくぐり ....
そこに淀みがあった
みづはやはらかくしづみ
つかるゆびを光りにくるめてゐた
果実をやはらかに剥くやうに
わたしのゆびは深みをさぐる
月ははじまりから明るく
ひとの輪郭をもちあぐる
また手 ....
制限された区域の上を
光と闇が交互に通る
言霊は幽体の如く壁を通過し
僕は幽霊の如く人を通過する
世界は満面の笑みを湛え
物音はそここで鳴っている
子どものころに左手を切った
人差し指と親指の間から掌の中央にむけて
傷口から桃色の肉が見える
手を動かすと痛い
消毒するために
ヨードチンキを垂らす
滲みて痛くて
畳の上を海苔巻きに ....
今宵、狂気はにべもなく
ひどく静かにやってきて
藍の窓辺に、頬杖をつき
淡く虚ろに、佇むばかり
声を荒げることもなく
涙を湛えることもなく
笑み拵えることもなく
白い孤影をひたすらに ....
きみが覆いつくした 世紀は輝く
きみは高らかに筆を降ろし 画布から水面につたう
きみは光と水を 調合する
きみは招待で
振向くきみは侵食のようだ
きみは廃棄物マニフェスト ....
月夜の晩
森の駄菓子屋で
自由を買ったら
孤独がおまけでついてきた
晴れた朝
海の駄菓子屋で
自由を買ったら
涙がおまけでついてきた
月夜の晩
森の駄菓子屋で
束縛を買 ....
色んな事で
頭が胸がいっぱい
誰かに聞いてほしいけど
誰かに聞いてほしいのに
誰にも言えなくて
まるで湖の底で
蝶を探しているような
ビルの屋上から
釣り糸をたらして ....
君は銀の鳥籠に
薄紫の星雲を飼っていた
窓の遠くに見える森の上の空に
時々神様の背中が見えると云った
僕は君にしずかな憧れをおぼえながら
でもただ淡々とあいづちをうったりしていた ....
{引用=
わたしらは雨の日には傘をさせばよかったんやと思う
のらりくらり運ばれよるうちに
ぜんぶの角がとれた小石みたいに
下流で山積みになってしもうたね
流れ星が流れたあとで願いごとするよう ....
車椅子を押す老人
毛布に包まれ
それに乗る老婆
誰の目にもとまらず
過ぎて行く人 人 人
悪いのではない
ただ寂しさだけが駆け巡ったんだ
未来から目を背け
まだ先の話だと
....
腰を
ぐしゃぐしゃにして
生死を混ぜる
君
ぼくたちは
同じだ
待ってろ
いま
してやるから
ぼくたちは
同じだ
同じように
ろくでなしだ
待ってろ
いまし ....
眠気眼のサラリーマンは
今日も大きなあくびをする
長いコートに包まれた
少し猫背なその背中
「いってらっしゃい」と声をかけたら
「いってきます」と言って
背筋をピンとのばした
....
嫁入り道具に緑黄色野菜
箪笥の中に
新しい郁ができたから
外套を仕立てて
真冬の海を越えよう
汽船は
象の浅い眠りを北上する
腐葉土の寝台の上で
僕らは窓枠を外し
マッチで焼き殺 ....
手に手をとって
仲良く楽しく生きましょう
弱いもの同士、支え合って
共に生きましょう
人を喜ばせ
人を泣かせ
人を感謝し
人を尊重する
見返りを拒み
隣人愛
神が喜べば
....
鼓動は いつも我と共にあり
孤独や不安も 共に受け止めた
うごめく感情も すべて
そこにいたんだね
感情ってどこにあるんだろう?
見えやしない心の傷を
どう癒せばいいのだろ ....
書き溜めた理想が
燃やされて、
吹き飛んで、
わたしは扉も満足に閉められない
検体になる
眼球の
背びれ、胸びれ、尾ひれ、の連動がなす
鱗の反射にいち早く気づく若者よ
両肩が雪崩る ....
俺は間違っている
ちょっと外へ出れば
無名の住人
犯罪者ではないが
はたから見れば
不具者
誰とも話したくない
いや 相手にしてくれない
幸せな人や
幸せそうな人
不幸せそうな ....
吉野川から 鳴門海峡も側溝のように横たわり
淡路島で途切れる
地平線は揺れない
地平線をさがす
わたしを切り離しているのはどの海峡か
どの法則か
(浮いているという錯覚)
(あるがま ....
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