このところちょっと体調悪くて
なんにしても
弱気がちな自分に気付いてみたりする
元気なときなら
生になんて執着しなくて
潔い
そんなことばの良く似合う心模様だったはずなのに
具合 ....
証明写真の私は
きれいに笑っています
歯を出してはいけません
目を大きく見開いてください
口角を上げて
もっと
もっと
もっと
しゃかいの中で生 ....
暑いでもなく 寒いでもなく
気温という言葉の存在すら忘れ 柔らかな光につつまれる春心地
昨日まで鈴なりに咲いていた桜花は 「全ては夢だ」といわんばかりに姿を消し
雀を思わせる褐色の枝々の ....
花びらひとつに夢ひとつ
風に吹かれて流されて
花びらひとつに愛ひとつ
あなたに届けと願います
すらりと伸びたスイセンの
葉っぱが風になびいてタクトを振れば
ラッパが奏でる愛の歌
....
自分のいちばん柔らかい一部を 握り締めたその手に預けたかのように
切切と思い
逸らした視線と隔壁とを以って 遥か遠くに突き放すように
対岸の火事と決め込む
ある時は文字通り「傍」に ....
人当たりの良い夜風に浮かれて
ゆうらり裏道をそぞろ歩く
コンクリートの余白から湧き上がる
若すぎる命のにおいに
甘い吐き気をもよおしながらも
どこにも辿り着けない足取りで
高層ビルを迂 ....
.
苦しいんだと思う
辛いんだと思う
悲しいんだと思う
それを本物と認識できないのは
わたしが足りていないから なのだろう
だって
確かに涙は出ているのだ
.
無理やりに引っ張り ....
あなたが残して行ったもの
俳句を連ねた小さなノート
表紙がぼろぼろになった聖書
漱石の「虞美人草」と
若山牧水の歌集
壇の上の 薄い写真の中の
やわらかな微笑み
かつてあなた ....
寂しいものです。
せっかく高知に帰ってきた一年目の春、結局花見に行くこともなく桜は散ってしまいました。まぁ、花見に行くのも多分、一人だったんだろうけれども。夜が仕事のボクは、どうしても周りの人た ....
「発注やる方へ この時期○○の○○の方がパッケージが変わるけどJANコードが同じ商品が出てくるそうなのですがパッケージが違うだけなのでやる時はJANコードを見てやるようにしてくださいとの事なのでお願 ....
しまわれている
音がする
きっとそこは
水が流れている
遠いところ
私たちの
さかなたちが
静かに息継ぎしてる
幅も奥行きも
高さも失ってしまったのに
それ以外 ....
かすんだ空よ
教えてください
僕の魂の片割れは
一体どこにあるのでしょう
始まりはネットの海の上だった
人恋しく漂流していた僕に
あなたはメッセージをくれたね
一回り以上年上なの ....
君の名を間違える人も居るのだと初めて知る月曜の朝
永遠は在るかもしれないと少しだけ信じそうな火曜日の昼
週末の約束さえも複雑な迷路に落とした水曜の夜
明日が来て世界は ....
その横顔は
花びらのようでした
春風が、ふわり
いちまい
また、いちまいと
面影を其処此処に
舞い散らせます
花吹雪が、ゆるり
上になり
下になりながら
音階を柔らかく
....
戦後、日本の詩人が言葉にささげた努力のほとんどを、私たちは読むことができません。
図書館に行ってもあの高い本棚にふるえてしまい読むことができません。
インターネットですら例外ではありません。
....
朽ちた木屑のかさなりを
踏みふみ
つづら登る春の里山
行く先々を導くように
萌える山吹
ふとした足元に
大人しくうつむく
鈴蘭の白、きみどり
ひとつひとつの
光りの具合を確かめる ....
幸せを求めている
それが何なのか
わからないままに
爪を立てないようお気に入りのレギンスを下ろしながら
一瞬の冷たさに身震いなんかして
いまどき珍しいよね
ウォシュレット付いていないなんてさ
ちろちろと可愛い音させるのも粋よねとは思いつ ....
毎日 ベタベタするのはニガテ
ランチ食べるのも 映画見るのも
買い物行くのも 小旅行だって
ひとりの方が気が楽だったりする
メールの返信だって 律儀な方じゃなくて
よく心配か ....
普段通る坂道の桜
満開で
凛として
立っていた
その
普段の桜を
愛でよう
名所の桜なんて
しらないひとの結婚式みたいで
身近かな
坂道の桜を見上げる
確かに
お日さまが
輝いている
唇は
春だった
柔らかくて
惨たらしかった
前髪は
夏だった
煩わしくて
あてどなかった
耳たぶは
秋だった
満ち足りて
素っ気なかった
鎖骨は
....
ついさっきまで
子供達に追っかけられながら
スポンジの棒でたたかれながら
やわらかく笑っていた
おっちゃんが
今
ぼくの前に対峙する
でっかい
でっかい
でっかすぎる
右に ....
冷んやりした部屋の
窓際に椅子を置いて座る
裸電球に照らされた
オレンジ色の壁に
魚の形の滲みが付いている
じっと見つめていると
風が梢を揺らす音に混じって
足音が聴こえてき ....
固い蕾が座っている
春の陽射しのなかで
凛として震えている
パッと咲けという人が
最近はとみに多くなったけれど
慌てなくてもいい
はずだ
じっくりと根を伸ばし
ゆっくりと綻んで ....
浅い眠りの飛び石づたいに
今日の岸辺にたどり着いた
非武装地帯の朝焼けは紫色
ただれた雲が東から順番に裏返る
もう少し痛みが和らいだら
着古した戦闘服を洗濯しよう
レンズ豆 ....
蒼天に浮かぶ美しき表現者
透き通る白
誰もが魅了され
とらえる者を許さない
その柔和な所作
それは不可解な感覚
その美しさは
比類無きもので無い
だが唯一つ
地上の人々を包む ....
1
水溶性の喧騒に混じり入る
マーブル状の
夜の鳴き声
脈が終わって、それでもなお
時は余る
2
疎林のまばらを
記憶で埋める
蔓はどこまでも
遠く伸び
驟雨 ....
春の宵紫煙くゆらせ月見酒
泣かないと
決めた
約束守り
桜を見上げて
意地を張る
目が閉じそうよ。
油断したら眠っちゃう。
お嬢さま、おねむですか?
ええ。
それでは寝室へいきましょう。
うん。
疲れが溜まったんでしょう。ゆっくりおやすみにな ....
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