四十をとうに過ぎてから
韓国語を習い始めた
昔
英語を学んでみても挫折した私が
日本語と少し似ているせいで
韓国語ならできそうな気がしたから
教えてくださる先生は
日本の男性と結 ....
なまぬるい風に乗って
運ばれて来た くちなし の香り
遠い昔の記憶も
最近のあの悲しい思い出も
呼び覚まされる
優しいのにあまったるい
どうしようもない嫌悪感
やりばのないこの ....
雨音に見張られて
夢に溶けることも
ままならなかった夜も
いつの間にか明けて
乳白色に霞んだ
意識の繋ぎ目に
濃い目のコーヒーを
注意深く注ぎ込んだ
雨の残り香のする
雨戸を ....
現実を避けているから私には恋の予感も感じ取れない
スコールの様に涙を降らせても割れた心は満たせないのに
夕立を導くような雷が胸に落ちれば愛に ....
世界には
寂しい男の数だけ
寂しい女がいて
哀しみを抱く人の数だけ
それを解する人がいる
誰も信じられぬ
人の数だけ
信ずるに値する人がいて
探している人の数だけ
幸福 ....
6月4日AM0時05分
玄関の鍵をあけ、
わたしを窮屈な女に閉じこめている
ストッキングを脱ぐときが楽園。
爪をひっかけて伝線、
1回500円の過ちにイライラする。
....
あんさん、覚えておきなはれ
京都のおんな、みんながみんな
はんなりしてるおもたらあきません
御着物似合うおもたらあきません
夜の先斗町はえらいにぎやか
酔っ払った兄さんたちがふらふらと
....
ずいぶん前から
四人に分け与えられていた
空間は
たった一人に占有されていた
十七年近く
四人で分担し合っていた
空間は
たった一人に委ねられるしかなかった
残された空間に
話し ....
セックスのあと遠い耳鳴り
あの日の鼓動を耳が覚えている
ふたりで生きてゆくんだと思った
だけどそうはならなかった
月が外灯よりも白かった
青灰いろの道を自転車で歩いた
....
私とはひとつ違いだった
先生の評判を聞きつけて遠方から通ってくる
いわばミーハーな生徒さん同士
どちらからともなく話しかけると
すぐに古くからの友だちみたいに親しくなって
いわゆる「気の ....
そこそこの底にはいつも君がいて
そこそこの底ではいつも雨
そこそこの底の君が濡れないように
そこそこの底までおおう傘をひろげる
闇にも鮮やかな黄色い傘に
金の糸で縫いつけた心星が
そこ ....
雨音の創意は多分、
創痍に似た額装
明日以前を水平移動する
僕の為に
背中から
刺してくれ
部屋に
飴色を敷きつめ
古いレコードに
針をおとして
僕らは約束をかわしていた
生まれてから今日まで一人で生きてきたつもりになって
世界なんてクソ喰らえって
地面に唾を吐いたりして
反抗心を燃やすことばかりに夢中になって
大切なも ....
砂埃をかぶって
眠っていたはずの感情
ピタリと閉めたはずの蓋
カタカタと震えだす
振動で落ちた
蓋の中身が
目覚める
置き去りにしたはずの
悲しみが
鮮明によみ ....
夜の通りにぼくを探して
通りにでたあなたを連れ去ろう
核ミサイルが発射されたとしても
ぼくらは大物で
こんなときさえ愛の言葉を交わし合っている
酔いどれの無気力が街にこだまする
そのど ....
たっぷりの熱湯の中に
捨て台詞を少々加えて
マカロニを入れる
いつまでも未練がましく
くっつかないように
十分注意しながら
再び立ち直れるまで
何回か掻き混ぜる
アルデンテ ....
まだやわらかに
すこし濡れた髪のうねりも
正確に笑えない口元も
プレミアムカルピスも
だいじにしてね
あなたをかたちづくるもの
やすらかさと
いっぱいの情熱でもって
あなたがすきだ ....
無印で働いてるような彼氏がほしい
英語がもっとしゃべれるようになりたい
体の仕組みを詳しく知りたい
もっとスラッとしてたらいいのに
全部全部ないものねだり。足りない ....
ひとりのおんなのこと
おたがいのからだやきもちを
さわりあってあそんでくらしていると
どこからともなくやってきて
おまえはなんだときいたら
わかりませんという
こいしさだなというと
そう ....
おろしたての石けん。
あわあわでいい匂い。
整体に行くたびに湿布をぺたんと貼ってもらうけど、これがなかなかにして強烈で。
はがした後も大分スースーする。
お湯をかけたらね、もっとス ....
良く晴れた多摩川沿いに走る二車線の都道
歩行者用信号機は青へ変わっているに右見て左見て
みーちゃんの手を引きながら急いで渡る
轢けるもんなら轢いてみなよ…いつもならそんな気概なんだけど
....
手を引かれ歩く。
懐かしい匂いのする君
その面影は記憶の水底
私が潜水夫になって強く握り返すと
つないだ手には水たまりができて
空の色を映す。
薄暗い緑の茂みの奥までくると
....
砂浜に続く小さな花に
潮風が囁けば
あの日の
僕らのはしゃぐ声が
遠く、
残響していて
ふいに、
よせる波が
すべてを打ち消した
....
はつかみる
ほころびさける
言の葉の
うらがれとはず
あをきをいのらむ
I could never be what you need
(譬え、始まりを告げたとしても)
たまゆらの ....
キミのあいさつは
風が頬をなでるみたいで
キミの哀しい歌は
心の奥で優しく響いて
キミの世界には
朝露のひとしずくにも光があふれてた
風がやんで
歌もやんで
静まり ....
紅い頬を削がれて
恥じらいもなく現れた
少女の実を
次々と切り分けて
皿に並べていく
自らの少女を
どこかに忘れてきた
ふりをしてる母の
秘められた欲望のように
家族 ....
言葉の羅列に侵されてく
そんな瞬間の私
怯えるように痛みの先を舐めて
舌の先に灯った芳香に焦がれた
貴方の瞳が夜明け色なら
私の瞳は最果てを映してた
言わないで口を紡いでて
綺麗 ....
知りたくないことだけ聞こえて来てる気がしていく大人になっていくから。。。
いつからか知らないふりを覚えてたそんな大人になりたくなかった。
こんなこと知らなければと思 ....
{引用=つかめない キミの正体 月と知り 浅い夢に まどろむ夕暮れ
....
治りかけの痔が
痒くて気持ちいいのだと
祖父は言った
痔は治りかけてるのに
とも
祖父は言った
私は誰もいない公園の
ブランコに乗り
治りかけの痔について
考えて ....
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