海に刺されたその日
雲は裏切り
風は行き過ぎた
生意気な
月が笑うた次の日
一緒になって笑う
星達が
いい加減
頭にきたので
砂を
生贄とした
....
投げかけてしまうのは
簡単なことだけど
それでおしまいじゃないって
みんな、知っている
自分の足で立つことが
どれだけ大切かなんて
色んな人が色んな言葉で
語ってきたこと
それ ....
ユニゾン、鳴弦
オベリスクに
隠された真実は
薔薇に片足を
捕らわれたオペレッタ
稀にみる
日常言語学派の横顔に
切なさを
放り ....
夕暮れ時 彼岸花を片手に
黒髪が風になびいて
目を見据え
「何処にも行かないで下さい」
と鳴いた。。。。 。
ちょっとだけ、わかったかもしれない。
「頑張れ」「頑張ってね」と言われると苦しい。
認めてもらえてない気がして。エゴだよなあって思うけど。
「一緒にがんばろう」
言われて軽くなった ....
誰か私に呼びかけてください
はりぼての海から
髪ふり乱し人魚が突き破って
来るように突然
きれいなレモンが何万個も
緑の丘を転がってゆくので
丘が動いているように見える
そんなふ ....
気がつけば明日で終わりの夏休み。宿題なんて知ったことか♪
謹慎中。この宿題をほりなげて学校行きたい君がいるから。
宿題をしてくるからと図書館へ行くのはあの子がいるからな ....
上がる気温
冷たい飲み物
紫外線
日焼け止め
イタチゴッコの
夏近し
さざなみを抜けたところに
その発現は在った
羅針盤に映るものは
葉脈のかたちをした
画一的な思考かも知れず
飽和した感性かも知れなかった
美しき花の影よ
僕はそこに
都 ....
お昼休みにメールをチェック
件名:「虹が出てるよ!」
本文は、ない
数時間前のメールだから
虹はとっくに消えている
でもね
見えた
見えた気がしたよ
夜、帰りの電車でメールをチ ....
駅東端の改札を抜け昔ながらの踏切を渡ると
南口商店街の低い軒先を飛び交うツバメ達に出逢った
桜は散ったばかりだと思ってたのに
あっという間に日傘手放せない季節となってしまったんだよね
....
著者は第16回詩と思想新人賞を受賞した橋爪さち子氏である。
すでに二冊の詩集を出されていて、もうベテランの域に入っていると言ってもいい詩人が新人賞を受賞したのは、
そこに新鮮な感動と発見があるか ....
寄せる波に向かって
心の潮「A/アー/(ラ)」の音を放つ
わたしと海はパラレル
返す波からは原始の抑揚
「G/ゲ-/(ソ)」の音がかえってくる
海は ....
「明日の予定は?」
という
金曜日の夜の口癖は
もしかしたら
生涯無くならないかもしれない
あなたがわたしより
先に死なないかぎり
専業主婦だって
毎日遊んでいるように見えて
....
連休後の朝、
ちょっとお疲れ気味。
そんな時に限ってゴミの日で、
分別作業に気が遠くなった。
目玉焼きが半熟にならなかった時は、
朝食作りを放棄したくなった。
いつもできていた ....
イトしくて
カナしくて
仕方ないから
わたしは「夢」を視る
捉えどころのない
その想いを
苦い香の紅茶で飲み干して
白と黒の兎を
透明な「夢」
染まらない世界で追う
....
軽い足取り
幼い照り返し
蹴飛ばしながら
進む
シャツの袖まくり
緑のさざなみ
産毛を立てながら
泳ぐ
弾む呼吸
迷走神経の舗道
気取りながら
急ぐ
....
青空にレリーフ
少女は命を受け継ぎ
誰かをしあわせにする
風はつばさを授け
太陽は希望を授け
僕は王冠を授けよう
昼と夜とが
逆転する頃には
自ずから輝けますように
....
朝、目が覚めたら
右の手のひらがチクンとした
キップだった
日付はちょうど1年前の今日
行き先は書いていなかった
チクン
今度は胸が痛かった
その日付を忘れるはずがない
忘れら ....
前は、会う時は少しでもかわいく見られたかった。その日の一番ベストな状態であなたに会いたかった。
あなたの気持ちが手に取るようにわかったから。今日もいいなと思われて私も嬉しかったよ。
だけど ....
ガ行をかっこよく響かせて
古い電車は止まった
あたしは
何もかも捨てる気持ちで乗り込んだ
発車のベル鳴り響き
電車はゆっくりと出発
と思うやいなや
駅や人や風景が
あたしと電車 ....
そんなこといまさら言うの?どうしろと言うの?
一緒に居られないのに…。
いまさらと思うのだけど今だからキミに手紙が書けると思う
いまさらと笑わないでね1回は諦めた夢「花 ....
「寒いと涙が出るのよ」
視界はこんなにもやわらかいのに
肌を突き刺すような気温、風
散歩に出かけても
猫に出会えなかった
濃い珈琲を舌にしながら
見 ....
太陽という名を持つその花は
光の輪郭を持っていて
「笑って」
と、ほほえみかけてくるのです
大切なものを失って
すべてを噛み殺して
悲しみよりも深くたたずむその人の
かすかな ....
見分けのつかない昨日と今日の間に
安物の叫びをはさんで
思いっきり口に押し込むのが
朝の儀式
律義なレタスと陽気なマスタードの間に
上品に叫びをはさんで
耳まで残さずに食べるのが
....
上澄みをそっとすくう
余分なものはなく
柔らかくしなやかで
手のひらからさらさらとこぼれる
太陽の光で酸素を作り
葉は濃緑を強める
表面の細い産毛には
小さな雫が張り付いている
....
小さな巻貝の奥に
灯りがともる
小さな海の人が
書き物をしている
波から聞いた話を
青いインクでしたためる
書き終えると
小さくてごく薄い紙片を
丁寧にたたみ
小さな封筒に入れて
....
私の小鳥が死んだ
何度か獣医さんに診てもらったりしたけど
これが胸騒ぎなのだろうか
部屋の錠を開けるのももどかしく逆光に沈む鳥かごへ駆け寄れば
初夏の陽射しのなかで彼は小さな亡骸と化していた
....
シャボン玉
悲しい歌とお母さんが教えてくれた
風々吹くな壊れるな
虹色に揺れながら
くるりと回って
弾けて消えた
洗濯のりを入れると壊れないよと
お父さんが教えてくれた
だからね
....
湖面にさざ波が立って
透明な魚がうまれた
それは夏の風
開け放した窓に
大群となって飛び込んでくる
君は薄い身体を持つ
果物をひときれ口に入れる
今朝もあまり食べないんだね
病んで ....
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