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寂しい夜
一人ぼっちの夜
そんな時詩は生まれる。
忙しい時にはできない。
発想が豊かで
冷静な時詩は生まれる。
自分に向き合い
妄想を抱き
誰も傷つけない時
詩は生まれる。
....
朝蜘蛛を野放しにして数日
白い壁に
夜を引きずり出そうと
穴は這う
エアコンの吹き出し口を好む
わたしの目がかわく
土壁に
みつけた、と呟いた午後には
あなた つぶされてしまった
....
さいごの蝉が
真夏のふりをして鳴いていた
この坂は高校のときあがっていた
風が吹いていて
UFOみたいな雲がどきどきした
ぜんぶはぐれ雲だ
ぜんぶひとつの空だ
....
今年さいごの蝉が叫んでいた
地球さいごの涙が溢れていた
時計はもう戻ることはないのだ
だから哀しみ導いてゆこうか
せせらぎに小石の色
真っ白い月に青い影
海にささや ....
向こうから
すいかの香りがやってきて
私の横をかすめていった
甘やかな夏
やたら光らかす蒼天
に
降参する
陽炎
まとわりつく
それにも
気持ちの不愉快さにも
負ける
だだ吸っ ....
友へ
こころを寄せて
手紙をしたためています
わたしのうしろで書かれないものたちが
茶化して耳をくすぐります
フェルメールの筆は光の代用
ずっと見ていたかったのに
わたしは弁明しなけ ....
素直になろう
ココロの底の
声をきいて
素直になろう
諦めきれないのなら
そのままでいい
自分にウソをつくのはやめよう
これだけ焦がれる気持ちには
逆らえない
....
今日もいつも通り
という自覚もなく
今日もいつも通り
という毎日が過ぎ
今日もいつも通り
私の隣には君がいる
だけど突然
底なし沼にハマるように
記憶に足を ....
茜の空と群青の海
私は その{ルビ間=はざま}に行きたくなりました
赤紫の{ルビ間=はざま}は 空でも海でも陸でもなく
名の無い存在で
寂しげのような 楽しげのような
{ ....
動物を視観察する
花粉を視観察する
放射性物質を視観察する
自分を視観察する
なぜこんなことになったのか
なぜこんなことをしてしまったのか
動物や花粉や放射性物質や ....
○
△
□
○と□は似ているようで
□と○は同じでない
□と△は似ているようで
△と□は同じでない
共に感じるということと
分かったような気がすることも
似ているよう ....
ぼくには反抗期がなかった
反抗する対象がいなかっただけかも知れない
童貞で女の子にも興味がなかった
ビートルズやオフコース
中島みゆきやYMO
それと流行っている洋楽をひ ....
姿だけじゃ
見えない
顔だけじゃ
わからない
内在する魂
スーツをパリッと
着こなしている男は
堂々としていて
怖いものなど
ないかに見えるのに
内には淋しさの
....
哀しかった夏
八月もさいごの日
ぼくのこれからを示すように
ひとりぼっちだ
車のなかで夜
なん時間も過ごすようになって
もうどのくらいたつだろう
....
もうずっと充たされないだろう
ひとのしあわせは願えても
ひとのしあわせは喜べないだろう
もうずっと
充たされることはないのだから
こころから
愛しあっていた
....
そこに何があるのか
もう分かっています
見ないほうが幸せだってことも
それでも蓋を開けてしまうのは
貴方のどんな醜い姿も
この目に焼き付けておきたいからで
やはり 恋でしょうか
それ ....
ごめんね
やさしい ひと
軽いキモチで
送った言葉が
キミを
惑わせてると
思うと
罪人みたいな
気分になるよ
騙されてるのか
騙しているのか
言葉遊びじ ....
証拠を残したくなくて
歩いていた足跡を消していく
物語のように生きれたら素敵だよね
あの哀しいストーリーのように
残響だけがひびきわたる
詩人の内面で
何が起こっているか
誰か知らないのか
蒼き草原を
ただ疾駆する獣となって
君は走れるか
骨まで砕こうとする敵に
ただ反撃できるか
....
もう一度飢狼のように血に飢えて
青春という広野を疾駆したい
しかし私は一匹の弱い羊
牙もなければ爪もない
泣きながら帰る夕焼け
一人ぼっちの夜
もう戻れないあの日
抱いて
あなたが
海を渡ってしまう前に
強く
優しく
あなたの印を
いっぱいつけて
あたしを
ふるわせて
ねぇ
抱いて
身支度をする前に
とろける ....
友人は被災地にボランティアにゆき5キロ太って帰って来た
俺は札束だけを持って被災地から離れた地方都市にゆき1キロ痩せて帰って来た
夏枯れの向日葵が
こころに咲いている
あな ....
{ルビ涯=はて}を{ルビ悟=し}っている靴はさいわいである
一枚の布きれのような宇宙をイメージした
そこに出来た濃淡は
百億年単位では無常だった
でもその濃淡に
悲しんだり喜んだり嫉妬したりするのだった
でもその濃淡は
怒り ....
しょせん世界は
しょせん宇宙は
粒子のあつまり
存在しているように見えるだけで
百億年単位で考えたら
存在しつづけているものなんてないんだから
無理をしないこと ....
目に見える世界で生きているなら
おまえの選択は正しいんだよ
煩わしいことは切り捨てて構わないんだ
それはわがままではないんだよ
宇宙ってやつは極端な濃淡でできているんだ
....
叩きつけるような
全てを絞り出しているかの
言葉、
言葉、
言葉、
言葉に魅入られた者は
言葉で自身を
癒やすのか…
痛い
痛すぎるよ
名前も
顔も知 ....
鯨は賢いから
殺してはいけないのだと
海の向こうでは騒ぎが続いている
賢くないわたしは
きっと殺されてしまうから
その前に沈んでしまおう
深く、深く
肺が潰れてしまうところまで
....
凸凹のこころは
少しずれた
凸凹を探し
おたがいの
凸凹を埋めたいの
かもしれない
そうじゃなければ
この胸の
ざわざわは
何?
恋でもない
愛しさでもない
同情で ....
○電車――走る匣体。棺。中には死人が詰まっていてぼくたちはホームと電車の隙間の21mmを各々の足で越えることで死と生を繰り返す。
○ポニーテールの幼女――黒のギンガムチェックのワンピースに黒 ....
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