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迷路をつたう
右手を失って
西とも東ともつかない大地に叫んでいた
{ルビ空=から}の籾殻のような稚拙を
拾いあげた掌がみえる
その指先は
十の母だ
やわらかいわたしをつついて
わたしは ....
今朝
息子を起こすと
たんぽぽの詩を書いている夢を見ていたのだと言う
息子はつめたい目をして宙をにらんでいる
どんな詩だったのかは思い出せないのか
それとも説明するのがめ ....
たどり着くわけでもなく
元通りになるわけでもなく
何かを羨むわけでも
悲しむわけでもなく
どこを探してみたところで
これ以上があるはずもない
....
笑顔で毎日を過ごせば
良い事がある。
それを信じて
努力する。
くじけたって
いいじゃないか
負けたって
いいじゃないか
生きていればいい
息をするだけでいい。
食べるだけ ....
今日2011年10月22日、
夕べ5時20分なのに暗い
冬至までふた月もあるのに
隣りの雨戸が静かに引かれた
5時過ぎれば明かりを点けて
籠って私的な時間となるのだろう
うちに何と ....
あなたが不幸になるのは絶対いやなのに
幸せになるのも絶対いやなのは
まだ好きなだけじゃないからなのだろう
幸せなあなたを見かけたら
飲めないお酒に酔ってしまったような
....
あなたは、それじゃ駄目
少しばかり良いことが起こっても
それを怖れる
また悪いことが起こるのではないかと
怖れて
良いことの芽を摘んで
しまおうとする
もう十分に
....
話しかけないでください
静かに
ハサミの音を聞いていたいのです
質問しないでください
今は
答えたくないのです
話しかけないでください
ただ
髪を切りに来ただけ ....
ただ 言葉がないだけで
心の中にはいくつもの思いを抱えながら
砂浜には行けないから
一人 街を歩く
人波の中で
見失ってしまいそうな
人の波の中で
いつか僕にも出会えるだろうか
....
花を愛で
動物を愛し
自然を愛す
悪巧みがない
皆精一杯生きている。
キャンドルライトに
一杯のコーンスープ
体が暖かくなる。
世の中は優しい。
勉強は苦しかった。
誰も助 ....
その日は突然やってきた
いつまでも続くのかと思っていた
君はいつも笑わないけれど
はじめて手をつないだ
僕は泣いたけれど
君はじっと僕を見ていた
いつか必ず別れはくる
二人が出会 ....
星が鳴いている
ちいさないのちが鳴いている
何億光年かけて
星は
秋の虫になるの
ちいさないのちが鳴いている
星が鳴いている
そうやって大切な「もの」を失ってゆく
失ってゆくのはいつも「もの」だ
ぼくが「もの」にしてしまった「もの」なのだ
年甲斐もなくSMに溺れたのは
二十も離れた女と
ふた ....
ボックス席のような芝生に
投げ出された四本の裸足
滑って行く
青い単線
わたしたちを吸い込む
白い山々
爆破寸前の
たっぷりとした夏
見上げた
網棚の
麦わら帽子のなかは宇 ....
子供が鈴なら 親の愛は それを揺らす風
世界が鈴の音で いっぱいになれば いいのに
口がムズムズする
黙っていられない
うるさく思うかもしれないけれど
これが僕の性分なんだ
君にも責任はある
だって そんな素敵な言葉を 紡いでおいて
黙っていろという 法はないだろう
愛 ....
二十もしたの女にあらゆる猥褻を注いでいる
女に命令をする
女に触れずに女をいじめる
人工衛星から夜の日本を見つめている
青いバイブがふたつの穴をほじる
日本がライトアップ ....
絶望があるのと同じように
希望も存在する
楽しみが永遠に続かないように
苦しみも永遠に続かない
人生を希望の方向へ
希望の方向へと
向けていきたい
太陽に向かうひまわりのように
....
まどろみの中で
あなたの体温を感じる
猫みたいに
ちょっと足先を
太ももの間に触れる
気がつくと
あなたの脚に足先は絡んでいた
胸に置かれた
右手には
あなたの左手が ....
ロケットが突き刺さったあの丘は
今日も明日も照らされたまま
火星人の去った夜に
一人泣いているモニタの少女
差し伸べられた手は
もう何万年も前のこと
そんな時からディスプレイで一人
ロケ ....
可能性は宇宙よりも無限
膨張していく宇宙よりも遙か
遙か背中を追って
{ルビ僕等=ぼくら}は{ルビ久遠=くおん}と疾走していく
広大な海原に踊る大星雲
幻でもない想い人たちが
明星より ....
人の会話がクルクルと
風に混ざって私を取り巻く
見えない心は
見せない心は
どこに舞っている
忙しく通り過ぎる感情の歯車に
私の心は振り回され
疎外感だけが
心を支 ....
新しいひと
きれいな声
その顔だけ
忘れないで
なみだの鎖
治療、放棄
手にしたい
まぼろし、
闇を着せる
どうして、
わたし
おわらない
それでも貫いてゆく
つぎはぎだらけの不動心
それでも貫いてゆく
うしろには沢山のひとがいる
このままで認められたいひと
このままで幸せになりたいひと
それじゃあ ....
広い道のうえには
太い夜空が延びていた
商店街を脇にそれて
焼き鳥屋で腹をみたして
通りにでると風
風が吹いていた
外灯がまだ優しくなかった
宇宙基地に取り残 ....
昼下がりの人気の少ない公園のテーブルで
ノートを広げ
考え込んでいる様子
まさか遺書でないでしょうね
まだまだ若そうな女性の人差し指が
あごを支えて止まっている
見知らぬ人だか ....
現住所に越して早4年
アシナガバチと共存して早4年
越して一ヶ月目に
換気扇から進入してきた時には
家中大騒ぎだったけど
今では お互いに干渉しない!ってことで
良い距離 ....
虫が一生懸命鳴いている
それが息切れしたのか止む
ちがう虫がたどたどしく鳴き始める
少し静かになっている
虫たちの声が星のようだ
あなたのことを考えながら
そん ....
空にサカナ
真夜中の太陽
緑色のオレンジジュース
永遠の幼児
逆向きの時間
現代の恐竜時代
金持ちだけの社会
命の定義
音楽のない世界
大空にはばたこう
全てを忘れて
ホップ、ステップ、ジャンプ
レコードのように
回転数を変えて
時には早く
時には遅く
ダンスを踊ろう
全てを忘れて
窓からはばたいてみよう
....
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