夜はクジラのお腹の中だ。
静かな夜ほど、多分そうなのだ。
太陽の横顔
あんたがあんまり眩しいから
はらはら散りだす俺はまるで
サクラブラックホール
赤茶けた佇まい
白の爆発、生きものたちの銀河、
けばけばしい緑
....
もうすぐ死ぬから
ごちゃごちゃしたくない
ぐちゃぐちゃになりたい
夢なんて寝て見る
スーパースターの引退会見
翳りがそれでひかり出す
誰だって死んだすぐあとくらい
....
不幸とは一般的に
悪い意味でコントロールできない環境のこと
ならばコントロールしようと思わなければ
不幸とは言えないのではないか
否
それではやっぱり不幸なのだ
コ ....
西城秀樹がクレーンで登場
働き方改革なんてどこ吹く風
曇り空公害の町長髪とスカート
裏切りの屋上で
深夜4時
青が明けていく
西城秀樹がクレーンで登場
....
嫌なことがあった
再入院だ
土日くらいは帰りたい
嫌なことがあった
死ぬことと比べたら
いや、どうせ皆みんな死ぬんだし
比べるまえからつまらない
嫌なことなん ....
3時にめざめて
2時間、ドラマ
本部からのクレーム
どうしてこうも
世の中煩わしい
言いたいことを言って
ひとのプライド傷つけて
つまらない恨みをかって
....
咲くことばかり騒いでるけど
散り舞い落ちることで桜です
悪気はなくても気に食わない
そうですねとか
すみませんとか
聞きたいこととはほど遠すぎ
よく見りゃピ ....
安寧だとおもっていたら
令和だった
冷ややかな祭祀色のつよい名だ
平成が決まったころを思い出す
平成、なんだ
そんな感じだった
今回はなんだか
古代にタイムス ....
雨が降る
花粉が減る
加齢臭が消えなかった
国会議事堂はどれだけ臭いのだろう
政策判断に影響がなければよいが
春の白い花があざやかだ
もうすぐ死ぬから
ご ....
みんな死ぬのになぜ泣くの?
この大宇宙からみたら
うどんもスパゲッティも同じ
80歳も46歳も同じ
二択を迫りたいなら迫りなよ
意識混濁コンダクター
抗がん剤よりか ....
さあ悟れずに生きていく
線路に財布を落とすようなとき
駅員がひとりもいないようなとき
ホームから降りて財布をとるようなとき
だれかが非常停止ボタン押して大騒ぎ
平成は昭和 ....
気が狂っちまった
宮沢賢治はどんだけ正気?
中原中也はどんだけ正気?
誰もがせつなくて
俺の半分以上が俺のもんじゃねえ
狂うってこたあそういうこったあ
さらにさ ....
ガムをやめる
願掛けかも知れない
じぶんという磁場や意志や真摯さを
試しているだけかも知れない
だからどうだと言うのだ
おれはきみの災厄を吹き飛ばせるか
ガ ....
生老病死のなかで
いちばん
無自覚だったのは
こうなってみてはじめて
生だったのだと思う
扁桃腺の癌がリンパにとんでいた
ペット検査をしたのだが
それ以上いま ....
蛍光灯より白い月ですね
話すことなんて
吐き出したら終っちゃう
蒸した青い夜
初恋は夏至まえ
三人で自転車
満月のかえり道
蛍光灯より白い月ですね
....
違和感を爆破せよ
急げ
そのための根回しだ
急げ
違和感を爆破せよ
蒸し暑い雨の朝
勘と理屈と情などで
風を固めていた
違和感を爆破せよ
....
ふと、
暮れたはずの西の空を見ると
黒ずんだ灰色の
大きな柱があった
夜の柱だ。
柱の上にはだいだい色の帯がある
こうして徐々に、
夜におおわれてゆくのだ
通りには ....
火葬がいい
わたしを構成していた炭素原子はリサイクルされ
その二酸化炭素が空へ散布されるのだから
夏のばくだん
硝煙???
息がすくなくなる
かかとが上がらない
光と蒸気のなかをゆく
やがて
やがて秋のけむり
熱がほどける
うすら冷たい大気
拍 ....
この世のことなんて
分かってないことばかりだという
地平の月がおおきく見える理由とか
麻酔がなぜ効くのだとか
飛行機がなぜ飛ぶのだとか
俺たちがなぜ生きているのだとか
....
秋の妖精が街道をつつんでいる
9月の雷が遠くむこうにひかっている
ぬるい風に冷たいもんがまじっている
秋の妖精が街道をつつんでいる
地球はだれのもんでもない
だれとは ....
メガネをはずそう
まわりがかすむよう
少しは自分が見えるかもしれない
どこからか
たしかに
沈丁花の匂いがする
どこからか
たしかに
満月の夜のした
真昼の駐車場のむこう
失意にあらたな日常が
入り込んでくる
....
チミ!
今度の研究のテーマは
「道に迷った認知症の方が家に帰れる方法」にしよう
え〜 社長
それって うちの商品に関係ありますか?
そんなことをしたら
お金をドブに捨てるようなもの ....
自分にコントロールできないことは気にしない
死ぬために生まれてきたんじゃないことを忘れない
社会はひとでできている
生き死にするひとでできている
自分に合うひとや合わないひ ....
空をいくど見上げてきたことか
お天道さまが恋しくて
春まできっと見上げる、恋しくて
詩をつくるとき、「大きさ」を意識しているだろうか?
私の場合、心の大きさなどは考えることはあるけれど、
ことさら「大きさ」をテーマにしない限り
物の大きさを考えることはあまりない。
さて「 ....
悲しみは
だれにも知られず
降る小雪
夜にかくれて
降る小雪
悲しみは
ひとりピエロになれるまで
降れ小雪
夜にまぎれて
降れ小雪
....
αは叔父さんだった
叔母さんだった
ぼくは友達から聞いて知っていた
それはひどく納得できた
その日いつものように夕飯を食べながら
からだじゅうが痛かった
叔父さん叔 ....
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