すべてのおすすめ
カミナリが鳴ると
暗いお外は夕立のおと
リビングのテレビは
昭和四十年代の時代劇
はんぶんに切ったメロンを薄い皮にして
セブンスターの吸い殻をそのなかに捨てた
暗い ....
脳がとろけてる
この前の暑さと汗で
あたしのなかの全部が
流れ出していった
かろうじて残った感覚で
指令が下る
眠い、眠い、眠い・・・
弱い弱い感覚は
義務感でカラダを ....
ガストで
ましろいA3のコピー用紙に
ボールペンで
いままで実行してきた戦略を書き連ねていた
そうやって戦略を練り直していた
斜めまえのテーブルで
四人の若者たちがくだらなかった
三 ....
ねばい黄色い熱が
女たちの声に裂かれている
それはずいぶん
長いあいだ裂かれていた
腐りはじめた原色
そのひかりが黒に吸われている
まばゆい闇の中で
彼女のこ ....
僕の住む街に国内二次感染が確認された
なんで神戸なんだろう
僕は悲しみに襲われている
地震や感染症がこの街で起こったことに
僕らはどういう意味を見出だしたらよいのだろう
雨が降っている
ニ ....
九十まで生きたいとか言っていた姉が
今は七十でいいみたいだ
介護を受けれるか受けれないか
ボーダーラインの老人たちの調査をするのが姉の仕事だ
老人は環境をかえるとすぐにボケてしまうらしい
だ ....
人生は旅だ
旅のようなもの、ではない
人生は、間違いなく、旅だ
私たちが生まれるまえ、じぶんで買った旅なのだ
そのイメージはこうだ
私たちは生まれるまえ、お金を貯めに貯めた
そのお ....
ふきっさらしのこころ
きみのしろいからだ
ぼくをとおせんぼする
珈琲にさそってみる
いたいけなオスになる
みんなのしあわせを
かんがえる立場なのに
新緑は幽霊 ....
深い河ほど静かに流れる
誰かこのざわめき消してくれないか
神さましか知らない孤独
そんなもの誰の支えになるというの
オレはろくでなしだから
大義名分もなくじぶん殺している ....
旅の途中 急に左足の付け根が痛んだ
引きずるように
そおっとしか歩けない
母のことを想った
74の母は 50代から
股関節痛に耐えている
こんなひどい痛みだった ....
こじつけて
逃亡します、今夜
明かす寝台列車
明けるわたし
行き先は戦地ではないから
安心して送り出して
きみの脳内の
道徳をくすぐった名作を携えて
逃亡します、今夜
逃げ出 ....
ダッシュコマンドを使うと
壁にぶつかるまで止まれないから
砂漠のようなフィールドで敵に遭遇した
相手は炎系の魔法を使うモンスターで
僕は逃げるコマンド何回も失敗して
全滅しそうになってし ....
カッ、カッ、カッ、カッ
無心に響く物書きの音
カッ、カッ、カッ、パラッ
あっ、もう誰かが裏をめくった
カッ、カッ、カッ、カッ
――――ハクション!
一斉に持 ....
もうだいぶ短くなった青鉛筆を
今日も必死に削っている
先を細く細く尖らせなければ
気がすまないんだ
そのくせ
極度の尖端恐怖症なものだから
どれほど尖っているのか
目で見て確かめることも ....
確かなものが欲しい、と泣いた
そんな日々には
野良犬たちも
たんぽぽも
いつもの帰り道さえ
他人だった
君の小指と僕の小指を何度絡ませて
....
シャーベットブルーのグッドモーニングサイクリング
期待混じりの小石飛ばして
12のままの感性隠して
潰れた空き缶わざと踏みつけ
抜けてく空気で甦らせた
なくしたノート
もらった消し ....
フィチカ、雨の国。
春には雨の花が咲き
夏にはきらめく雨がふる
秋には雨も紅葉し
冬には白い雨がふる
(誰か)が「冷たかろう」と言い
(誰か)が「寂しかろう」と言う
....
なくし物を忘れることと
さがし物を思い出すのは
どこか似ている
{引用=これでおわりかもしれないことが
毎日たくさん響きあっていると知って
目の中だけにある見えない雪に溺れた、溺れそ ....
人ごみの平日はどこにも排気口がなくて
呼び捨ての間柄がどれくらい大切なことかを知った
ひとりで歩く 眩しさが送っている
啓蒙とかスピリチュアルとか癒しとか
生き方の模索
悲しみの何割かは ....
絶滅にひんする
動物として生まれてくるとは
いったいどういう因果なのだろう
またそれを
思考する資格が僕にあるのか
深夜、酒場で
ナイトサファリ
湿気と音 ....
雨の日が
咲いている
新緑に
咲いている
ワイパーが
音たてて
曇天をめくる
青い血の空の
矢印は白く
悲しみは白く
雨の日が
....
既視感とは記憶の再現のことだ
ぼくらは記憶の再現に癒されるのだ
自分以外のなにものかに癒されるより
ばくらは自分じしんに癒されるべきだ
あの頃を承認するのはぼくらの行為だ
....
新緑がつくる
外灯の影
五月のファド
セルロイドのひかり
大人しく、白く
ハナミズキ、まわる
新緑がつくる
外灯の影
五月のファド
横断歩道を
母に押されて
赤ちゃんがゆく
彼、彼女は
やわらかい指を宙にさす
世界は、波紋する、
ひかりに、注されて、
水いろの、みらい、
横断 ....
おんなじ町に
子供のころから住んでいると
きょうのように
車じゃなくて電車で帰るとき
各駅停車で帰るとき
ひとつまたひとつ
思い出に停車している
駅は姿をかえ ....
風のいたみを忘れてた
空はかおを変えている
ぼくは気持ちをなくしてた
空はついでをなくしている
ねむたくなるだけ
みやこ落ち
やさしいひとよ
空はあたらし ....
春の湿り
香がする
青が焦げつき
祈りを試す
やり過ごして
生きてゆこうか
迷惑かけない
程度でいいから
春の湿り
香がする
青が焦 ....
うまくいかないのは
ぼくが
うまくいかないことに
支配されているから
そこから抜けだすのが
とてもみじめに思えるから
感情は
移りゆくものに
いつも ....
イクと人間関係の
残骸だけが
骨組みだけが
重たい
動機づけのない
俺は立ち去りたくなっている
愛していたのはなに?
愛を消費して
また充電して
....
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