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暗い窓枠の隅で
夏虫が遠慮がちに
ヂィリヂィリと鳴いていて

OA機器の明かりは
てんでばらばらに部屋へと落ちる

何故か
貴方を思い出したんだ

まだ髪は黒くて
桃色の膨らんだ ....
空気を吸い込むのでさえ
精一杯に力を込めなくては
ここでは何も掴めそうにない

五反田の駅を降り立って
いつも行くカレーのチェーン店を探すのは
どこに行っても変わらない味に
きっと安心を ....
今日は楽しかったね

そういって振り返ると

君は改札の外

静かに手をふって

さようなら
 『もういい』
  、で片付けられたらいいのに
赤と緑の絵の具は混ぜちゃいけないよ、汚い色になるからね

美術の先生が言っていた

混ぜてみたら

私の髪の色になった
卒業式に

思いを寄せる

あの人に

この思い

伝える

勇気など

この僕に存在無し

このもどかしさは

どうすればいいのだろう
悪い事をしようよ
もっと
いけない事をしようよ

飛び出しそうな
心臓の音を聞いて
愛したい人を愛して
それが
罪なら

悪い事をしようよ
もっと
いけない事をしようよ

 ....
Dear Fujiko

出がけに大雨だったので,
駅まで車で送れと女房に言ったら,
ブツブツいわれて,
キレタ


(オッ,なんだか詩みたいだなぁ)


タクシー拾おうとし ....
歩き出したかったんだ
確かな1歩を
ねえ
もう 飛び立ちたかったんだ
全ての
過去から


飛び出したいと
思ったんだ
逃げたいと
思ってしまいそうに
なるんだ

ca ....
記憶の片鱗にも残らないような僅かな思い出さえ
いつか、恋しいと
想う日がやってくるだろうか
傘を
返してほしい

名残りの雪は
綿のコートには冷たすぎて
ひとりで帰れる自信がないから

あの桜もようの紅い傘は
ほんとうはすこし空々しいから
好きではないのだけれど

 ....
ときどき無性に
死ぬほどあまいものを食べてみたくなる
コンビニじゅ買い占めるくらいの量
だけど結局帰るのは千円ぶんくらいで
食べられるのもそのくらいで
というかむしろそれすら途中で飽きる。
 ....
  昔、あなたに宛てて書いた手紙
  あなたが受け取らなかったので
  まだ手元に残っている


  手渡そうとすると
  あなたは決まって困った顔をしたから
  わたしは何故なのだろう ....
朝日が赤かった
周りは染まらず灰色で
ただその赤さだけが際立っていた
目も眩む原色に潰されたい。
柔らかな間色に包まれたい。

だけど私は真っ黒で、どんな色とも混じれない。
ねこのひげ
のびる
のびる
どんどんのびて
からだじゅう ぐるぐるまき
ぱっとみ
でかいけむし

ねこのひげ
のびなくてよかった
ほんとうによかった
 きらきら
 点滅する
 イルミネーション
 黒く浮かびあがる
 恋人たちの影

 街はクリスマス

 きらきら
 点滅する
 彼らの時間のなかで
 もう
 どのくらい
 経 ....
「一緒に飲みましょう」
シャンパンのボトルを片手にやってきた彼女
やさしいその微笑みに 僕の心は少しだけ揺れる

みんなの話そっちのけで僕らはお互いの事を語り合った
そして分かったのは 案外 ....
1ヶ月だけ、

彼と同じ年になる

その間は

甘えてもいいよね?

年上だからって

強くないんだ、私
思い通りに喋れない

言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている

戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める

繭になる

吐き出さ ....
子供じみた間違いで
ないてみた
うっかりだまされても
貴方なら許すわ


優しいふりなら
ずっとつらぬいてね
それ以外望まないから


その身が崩れる夜なら
いつまでだって祈る ....
昨夜の飲み会で終電を逃し
駅前のネットカフェに泊まり仮眠を取った

リクライニングの個室で夜明け前に目が覚めて
出勤時間よりも一時間早く職場に着いたので
シャワーを浴びた後
休憩室の畳の上 ....
あなたはいつも
わたしを傷だらけにした

気がつくと
傷だらけになっていた

痛いからやめてって言うのに
あまり気にしてくれなかった

お風呂に入るたび体中にお湯が沁みる

だか ....
ある歌をききながら考えます。
雲を想像します。なにかできるのでは。
洗面所へいき、顔を何度も洗います。変わらなければ
ある歌をききながら、小ささや、孤独、無力感さえ。
やわらかな陽射しに顔を照らされて
ふと立ちどまる

それはあの人の腕の中と同じ温もりで
ぽっかりと空いた胸の空洞に気づく


子供みたいに駄々をこねて
一夜だけでいいからと縋ったの ....
つまりおれはときおりアポーな仕草で演歌などを歌い
隣に座っている今年77のおじいと生産性のないお話をだらだらして
そのお歌へたくそーと野次を飛ばし飛ばされそれはいわゆるとても滑空的な、
その隣で ....
家に帰ると、人がいた
一人暮らしの僕の家に
彼は、僕だった
僕は彼だった

仕方がないので宅配ピザを取って
二人で食べた
僕の好きな音楽を聞きながら
僕の趣味の話をし
コメディ番組の ....
中学校を卒業してあなたは僕に勉強を教わりに来ている
そういった名目で僕のうちに毎日来ていた君
だから君の高校の英語の宿題の最後のドットを僕が打った日
僕らは会う理由をなくしました
君の英語の宿 ....
#61

 意味と無意味のあいだを
 猛スピードで往復する振り子
 チャンスは一回だけ
 目を閉じて一発で撃ち抜け
 真実はそこにある



#62

 あんた気に入らない
 ....
よる そうっと ぬけだした あの アオイ うみに いこう 。
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