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かぜをたべて
いきているとりを
たべて
かぜは
なんだか
かなしいきもちになった
くだけちる
さくらのなかを
あるいていたよ
こごえた炎をかかえて いつも
ひらひらと 花びらは 風をまい
狂をひめ ふりつもり
さまようかれの影をそめて
そらをひろげ
へべれけ ....
青空の種を風切り羽根が運んでくる
食うまえに
ちょいと
遊んでやろう
ゆとり
みせて
足で押さえつけた
とたん
ハクセンシオマネキの
大きな右手に挟まれ
苦悶している
不覚!
宇宙のように ....
蒲焼きなんかにされてたまるか!
威嚇のために
鰭をいっぱいに広げて
跳び上がったのがいけなかった
まんまとハリにかかり
ひゅん と
潟スキーの人の手に
おちてしまった
ころん
ころん
ひっくり返って
泥を背鰭につけている
ころんと返って
ころんと起きる
ころん
ころん
ころん
ころん
あちこちで
こんもり盛り上がった干潟の上 ....
もう、かれこれ二時間ばかり
ゴカイの長い横っ腹に
食らいついてはいるが
どうしても
飲み込めないでいる
隣の奴は
ゴカイの頭の方に回り込み
うどんでも食うように
つるつると
器用 ....
ひょいひょいひょいひょい
ひょいひょいひょい
ひがないちにちおどってる
ひょいひょいひょいひょい
ひょいひょいひょい
おおきなみぎてでおどってる
自分律をおどってる
おれたちは
おれたちだけで
この海の流れをつくる。
呼吸だけで
すべてのデトライタスを
浄化し
この干潟に
硫化水素はつくらせない。
だれの世話にもならない。
華を咲かせた
スケレトネマが
珪素の骨を
みごとに咲かせた
突然
写メールを送りつけてきて
おれの誕生祝いに
夫婦ふたりで
温泉に行くのだという。
ちょっと待てよと
息子としては思う。
おれの祝いなのに
なんで
昭和元年と
大正十四 ....
交差点に立ちながら考えた
なぜ俺はここにいるのだろう
紺色の制服の中のそのまた中は
少しも変わっていないのに
化石となって考えた
風がひゅーひゅーなっていた
女子高生が華やかに通り ....
ひからびた夢が
ひんやりと
かもいのあたりで
くびを
つっている
これは、これで
けっこういいあじ
するんだよね
魚たちが
にぎやかに
しゃべりながら
....
高慢娘のおまえが
夏の光にパラソルさして
これはまたなんと恥ずかしそうな!
小指の先まで恥ずかしそうな!
卵からかえった雛が
はじめて太陽を見て
母親と思い込むように
おれはあなたを好きになった
風の岬にきてごらん
なにかがきみを待っているから。
風の岬にきてごらん
化石になれない詩が
進化しつづける言霊が
梢のさきで戯れてるから。
風の岬にきてごらん
夢はむ牛 に 泳が ....
こはるびよりのひだまりで
つりをしながらあくびをすると
ぽろっとくびがころげおち
ついでにうでもころげおち
なかよくはりぼてけりながら
うみのうえをかけていった。
いそにのこされた ....
あなたの
はじけるわらいごえは
ぼくの ひかりだ
じゅうさんさいで
はじめてあったときからずっと
あなたをまもれる
おとこになろうと
からだをきたえ
あたまをきたえ
こころを ....
アフリカでうまれたはずが
からつけたまま
シベリアにあるき
こおりをわたって
このしまにたどりついた。
にまんねん
おどろくほどみじかいあいだに
このしまのじゅうにんたちは
虚飾を ....
いちにちじゅう
いつもここにたっている
へんなやつがいるんだ。
なにをするでもなく
ただぽつねんと
くうきみたいに。
やつは
あのころの
おれかもしれない
これからの
きみ ....
ごらん
荊の冠をつけて
干潟を歩いてゆくのが
風だ
鋼板の前に
累々と乾涸びているのは
おれたちだ
ほら
海が苦笑している
権力の
縮図
おそらくは
永遠に分からないであろうヒトという類型を
きわめて短いスパンに押し込め
性急に、効率よく
育て上げようとしているものは
何だ。
ひとつひとつの殻の中に
ひとつひとつの無限 ....
空や海の碧に染まず
ただよう白鳥のように
かっこよくもなく
蝶々のように
ダッタン海峡もとべず
かといって
酔いどれ船に乗る勇気もなく
まして
悪魔の風船をとばしたり
大地の商人にな ....
これでも
巡査は、けっこう忙しいのだ。
<私の飼ってる夢が逃げました>
とか
<私の影を落としました>
とか
訳の分からない相談受けたり
<あのカタツムリは汚職をしてます>
と ....
海が
ちいさないびきをかきながら
かぜにふかれている
いるかが
とおいきおくを
うたっている
ゆったりと
こすもすがまわり
ぼくらはやがて
かぜになる
ひろい
のはらいちめんに
ふりつもった
ゆきが
キラキラキラキラ
すんだ
あかいひかりを
はなちだすと
うまれたばかりの
あのこが
ぽつんと
そこにたっていた
やさしく
すな ....
あなたは
とてもかなしく
笑う。
こすもすの
ひろがりのように
笑う。
いきものの
さがをいとおしむように
笑う。
かすかに
しおのにおいがする
ちりちりと
おもいでが
こげてゆく
ちょうをひきずったなまこが
ぶらっくほーるへとほふくし
いるかが
わらいながら
ただよっている
やがて ....
二足歩行を続けていると
いいことあるな
今日は
とびっきり かわいい
中学生に会ったし
青空に
薔薇は咲いてるし
ひりひりと
腸をさらし
夢を{ルビ喰=は}む
壊れかかった
メカニズムを
楽しむかのように
数ミリずつの
{ルビ匍匐=ほふく}を続ける
星の声は
聞こえない
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