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こんなにも
ひろびろと
あおいかぜのなかで
ぼくらは
とりになれない

だから
くもよ
ぼくらは
こうしてねころんで
かぜをつるのだ

そらのしずくが
ふたつ
いただきにさ ....
はる風がふくと
ぼくらは旅に出る

あき風がふくと
ぼくらは旅に出る

風がふくたびに
ぼくらは彷徨い
風がふくたびに
ぼくらは傷つき
その代償のような
中途半端な安息を得てきた ....
とびっきりの良い天気に浮かれた医者が

いっちょやりますか、天日干し

頭をカパパッと開いて
脳味噌の天日干し

カパパッと開いた頭の中の
脳味噌の襞には
初めて外気に触れて
すっ ....
きょうはぽかぽか
おひさまのきげんもよく
きょうはぽかぽか
そらのきげんもよい。

こんなひはおもいきって
あたまのふたをぽっかりあけて
ちいさなこぶのひとつふたつ
とりだしてみたくな ....
帰宅途中、車の中から
ぷよぷよ太った老犬が
ぶくぶく太った青年を
散歩させているのを見た。

老犬は青年を気遣うように
時々立ち止まり
引くひもをゆるめ
よたよたと歩く青年を
振り返 ....
区別する
やつらを
心底
差別する。

青炎を秘めた
冬の向日葵が
太陽を見据え
{ルビ白骨=ほね}のように
カタカタと
笑う。

街灯のなかに
きょうも
娼婦は
立ち尽 ....
これまで
何百人の壊れた瞳と
話してきたのだろう

何千人の傷を覗き
何万人の嘘を写してきたのだろう

そして
その中の
何人のひとの血となり得たのだろう
おれは
昭和元年が
自宅の階段から
滑り落ちて
踊り場の手すりに激突
品よくあつらえられた手すりを粉砕した。

七人兄妹の末っ子である昭和元年は
戦時中もすくすくと
ちりめんじゃこを食べ続けて ....
みぎにねがえりをうったら
ゆめが
ころがってきた

ひだりにねがえりをうったら
ゆめがまた
ころがってきた

ころがりでたゆめは
うずをまき
すぱいらるの
かなしみに
なみだし ....
とびっきりのえがおが
かけてくる
じかんのながれをぬけて
まほうのように

こがらしのふくみちに
ひかりがあふれ
かれはたちも
かけてくる

かくれていた
あのころや
たちすく ....
午前一時
俺のあのころが
反転する

ベレー帽かぶった美知子が
学生集会からとび出し
目の前に現れる

上気した頬に そばかすをちらし
瞳をキラキラ輝かせて
俺にささやきかける
 ....
温泉もどきで
つんつるてんにされて
ぽっかり浮かんでいるうちに
ほら、奴らの手の内に落ちてしまうぞ
思う壺にはまってしまうぞ

ほら
ほら
ざっtざっtざっtざっt
ざっtざっtざっ ....
でっぷりと
脂の巻いた腹を
波打たせて
浮かんでいる

隣では
これまた太鼓腹が
頭にタオルを被せ
キリストよろしく
両手を手すりに預け
うたせ湯している


あちらの薬草風 ....
バス停のベンチに
毎日のように
座り続ける男がいるんだ

超然と背筋を伸ばし
ただ一点だけを見つめ
来るはずのないバスを
ひたすら待っている

廃線になった
路線バスのベンチで
 ....
明るい娘たちだ

美知子が寝込んだ今日も
夕食を作り、洗濯をし
ピアノに行って
キャッキャと笑って
ぐっすり眠っている

小学六年の薫は
ふくらみはじめた胸を
ホイホイとかかえて笑 ....
おいらの心には爆弾
おいらの頭にも爆弾
心爆弾はいちど爆発し
おいらいわゆる臨死体験したけど
頭爆弾はどうやら
いまのとこ静かにしている

心爆弾も頭爆弾も
とてもスリリングな付き合い ....
あるいている
みどりのなかを
あるいている

あるいている
かぜをおって
あるいている

あるいている
ひかりのなかを
あるいている

あるいている
あめにうたれて
あるい ....
さよならは
出会い

夕陽の中だ。

勝ち気な瞳
ショートカット
華奢な体

風のように
光のように
純粋が
体操する。
明日人間ドックに行こうとしているのは
まぎれもなくあの時列車に飛び込んだあの人だ。

鏡を眺めながらしんみりと
最近、なんか顔色悪くてねえ
などと話しかけてくる。

そう言われても
な ....
うしは?

ん〜

うしわあ〜モう・・・
ニコニコ
ニコニコ

じゃ、うまは?

うまわあ〜・・

うまわあ〜・・・・・
エヘ、エヘ、
エへヘ

眸が
モうと鳴いてい ....
大粒の涙が
ちんまりと正座して
嗚咽をこらえ
ぽろぽろぽろぽろ
反省している

それを見ていると
ついつい
ついつい
よかよ
もう、よかよ と
ぼろぼろになって
頭をなででしま ....
大潮の日に
満月に向かって
車を走らせ
家路を急いでいると
どこからか
海の匂いがして
どこからか
いるかの笑い声が聞こえ
ぼくはなんだか
きみといるときみたいに
あたたかく
お ....
しかけをはなれて
ゆらゆらと
どこまでゆくのか
おれのウキよ

みなもにうかぶ
あのつきの
ゆらゆらゆれる
ひかりのなかへ

しかけをはなれて
ふわふわと
どこまでゆくのか
 ....
区別されてあれ
紺色の犬よ
十センチ歩幅の
ローカルな犬よ
この職で食うからには
一生、区別されてあれ

扱う品は
人の生命、身体、財産

消えゆくものは
自らの影


区 ....
火の国の水は
枯れ果て、
哀しいほどに
湖底をさらし
汚泥にまみれ。


では
何をしてきたか
言ってみたまえ
無粋の君らよ。

やたら議論を重ね
多くの人の汗を浪費し、
 ....
高層マンションの上に
ぽっかりと浮かぶ
まん丸な赤い月に乗った犬を飼うんだと
三歳の頃そのままに
涙まで流して
だだをこねてみせるから
「あの犬はね、ほんとはね・・・」
と・・・を飲み込 ....
湯気の立つ肉塊を
両手で拾い集めて
ふたりを収納しても
まだ
身元は割れない。

発車を急ぐ特急は
ふたりの命など
雪よりも軽いらしく
せかせかと汽笛を鳴らす。

母と息子を一瞬 ....
煙ばかりを相手に
暮らしてきた人生だったと
したたかに酔ったオヤジが
丸卓袱台のそばで
腕枕しながら
ゆらりゆらり
語っている

現職のころオヤジは
仕事から帰ると真っ先に
風呂場 ....
秋が
ふらりとやってきて
10万円を返しにきた
と言う

後の8万円は
出世払いね
などと
片目をつぶってみせる

秋がまだこの国で
秋という名前もなかったころ
お日様の姿が見 ....
ビールをコップ三分の一くらい飲んで
ほろ酔い加減になったきみが急に
散歩に行く
と宣言し
最近越してきたばかりの
夕暮れの町並みに
とことこ歩き出すから
ボデイガード替わりのおれは
オ ....
ひよりさんの草野大悟さんおすすめリスト(222)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そらのしずく- 草野大悟自由詩7*05-3-28
デラシネ- 草野大悟自由詩8*05-3-27
天日干し- 草野大悟自由詩2*05-3-23
はる- 草野大悟自由詩4*05-3-8
散歩- 草野大悟自由詩205-2-23
白骨- 草野大悟自由詩205-2-12
おれは- 草野大悟自由詩5*05-2-11
驚異の骨密度- 草野大悟自由詩4*05-2-6
ゆめ- 草野大悟自由詩605-1-22
えがお- 草野大悟自由詩105-1-19
あのころ- 草野大悟自由詩405-1-15
迫る音- 草野大悟自由詩105-1-11
トド未満- 草野大悟自由詩405-1-10
虹を掘る- 草野大悟自由詩405-1-10
太陽の有給休暇- 草野大悟自由詩6*05-1-2
爆弾- 草野大悟自由詩1*05-1-1
ふたりで- 草野大悟自由詩5*04-12-29
美知子- 草野大悟自由詩104-12-28
人間ドック- 草野大悟自由詩304-12-26
モうと鳴く眸- 草野大悟自由詩1*04-12-23
正座する涙に- 草野大悟自由詩7*04-12-1
大潮の日に- 草野大悟自由詩2*04-11-29
しおさい- 草野大悟自由詩3*04-11-12
風追う犬- 草野大悟自由詩2*04-11-10
江津湖に寄せて- 草野大悟自由詩2*04-11-6
赤い月に乗った犬- 草野大悟自由詩1*04-11-3
特急の鼻- 草野大悟自由詩4*04-10-15
丸卓袱台- 草野大悟自由詩6*04-10-2
返済する秋- 草野大悟自由詩1*04-9-25
オロオロなボデイガード- 草野大悟自由詩4*04-9-17

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