茜の空と群青の海
私は その{ルビ間=はざま}に行きたくなりました
赤紫の{ルビ間=はざま}は 空でも海でも陸でもなく
名の無い存在で
寂しげのような 楽しげのような
{ ....
武器の形をした島
地球上で最も凶暴な住民、ただしあくまで、潜在的に
ありふれてはいるが、空から見下ろせばその島は太平洋に浮かぶ拳銃にみえる、シリンダーのあたりから山となって人工の針葉樹林が ....
液体で生まれる
混ざりながら/ゆっくりと凝固する
凝固したら溶ける
液体になる
蒸発する
液体で生まれる
あいということ
いきること/しぬこと
シーラカンス
何処にも居場所が 無いっていうことは
何処へだって 行ってしまえるってことなんだ
どんな風になりたいか 望んでないってことは
どんな風にだって なれてしまうってことなんだ
....
月夜に
クロール
前進は
藍を割って
どこにも
届かない
それでいて
暖かい
指先は
ゆっくり
夜に染まる
あの日以来
ぼくらは国家的大義を伴った目標というものを
久しぶりに取り戻せたのではないか
傍観者ではいられない
そのことに感謝していた
夏のあいだずっと
ぼくは ....
画廊でブラマンクやユトリロやルオーを眺めた
地下鉄と環状線を乗り継いでやってくる女を待っていた
待ち合わせ時間が迫っていた
しかし慌てて地下駐車場に向かった
ダッシュボードからコンドームを四つ ....
ちりちり、ちりん
しゃりしゃらん
秋のはじまりの夜は澄んで
いくつもの水面に映し出される
まるい光を数えて歩きます
ふくらんでいく気持ちが
ぼくの肋骨を、内側から
甘く、うずかせ ....
雨の中
一人で傘を差し
涙の声
初めてじゃない
温もりを求めて
彷徨う眼
移ろう視線
優しい声の
方を向く
振られた明日を
振り向き
えられた昨日を
抱締める
一人でトボトボ
道を歩いている
焦点が合わない
ふらふら千鳥足
誰も振り向かない
孤独な一人旅
地球が回る
時間が回る
コバルトブルーの空の下
虚無を感じる
砂粒のように
....
人一倍寂しがり屋なはずなのに
気がつくと、いつもひとりぼっちになってしまう
これも運命ってやつなのかな
※
みんなはひとつの輪になっている
それなのにわたしだけ一歩後ろに下が ....
言葉でなく物でなく
金の有無に関わらず
愛撫でなく交わりでもない
絶えてしまう前提を排し受け伝える試みか?
可視化された愛に
気付けたらの話し
可視化された愛が
存在るならの ....
いらない人など
どこにもいないと云うのなら
いらない悲しみもきっと
どこにもない
いらない人というものが
もしもどこかに在るならば
目の前の喜びに怯える日々は
ずっと積もってしま ....
素直によが明けて 本当の朝を新しい風が連れてくる
外へ出て 足下には影がうしろへと伸びる
いつも旨いことしてこようとしてきたと思う
ふとした時々に 忘れものが ある
それが思い出せないこと ....
それはいつもとおなじ散歩道
いつもとおなじ日曜日の
気だるい午後に
わたしは、
歩いているわたしの背中を
見つけてしまった
(あれはもうひとりのわたし?
それともいつもの白昼夢?
....
傷つくのなんか
こわくなかった
でもあなたにさわれば
あなたが損なわれそうで
傷つくのなんて
こわくなかった
でもきみにさわれば
きみが損なわれそうで
うそをつ ....
ぼくの精神は
いまも中二の秋でとまったままだ
実力テストが終わって
文化祭の準備で部活もなくて
高校生が制作するモザイクを手伝っていた
肌色のところたくさんちぎっとい ....
同じ海 同じ空
同じ愛 違う人
流れに逆らう様には待てはしない
完璧な空間 完璧な時間
流れに逆らう様には待てはしない
同じ距離 同じ質量
同じ愛 違う人
....
{画像=110911183602.jpg}
心を写す鏡のようだ
朝のsoraを見てそう思った
自分の心持ちが分かるような気した
元気がある時
後ろ向きな時
強い時
弱い時
so ....
空港のインフォメーションを知らせる音がする
人生はひとつの感傷旅行のようなものだ
ぼくは何処へも行きたくなかった
みんな普通に歩いている
それが羨ましくて淋しかった
ぼく ....
夏が去ったあとのがらんどうに
いつしか白く大きな九月階段が出現していて
そして僕らはその段々の上に
蒔かれたように腰かけていた
ただそこで空を見あげていたり
何かを読んでいたり
歌をうたっ ....
秋になったのに
秋を受け入れられなくて
半袖の腕を
抱きしめて立っている
もうそこに
真っ白な季節をみてしまい
ゆれる木々の
変化すらみていない
まだこない季節でばかり
過ご ....
暗くなる前から隠れる所を捜した
冷たい風を避けて 二人は草の茂みに潜んだ
ざああ ざああ 荒れ気味の風が林檎畑を走る
強い風に羽があおられて もっと草の奥へと
二人は入り込んだ
夜空 ....
鳥が啼いている
黄金色の影が
そこかしこに
あした晴れるかなって
胸の痛みが汚れている
鳥が幻のふりをして
地球の影絵に落書きする
鳥が啼いている
黄金色の影が
そこかしこに
....
忘れないで
と言うには
遠すぎるし
忘れて
と言うには
近すぎる
出会わなければ
と思うには
おだやかすぎたし
会いたい
と口に出すほど
捨て身にも
なれなかっ ....
井戸の底が
ぼくには
霊的な汚濁にしか見えなかった
上から降りそそぐ光や雨
ぼくには
汚濁が降るようにしか見えなかった
ひろがる闇を測るにも
永遠なんて長 ....
よくみられたい
よくおもわれたい
少なくとも嫌われたくない
そんな鎧は
いったん着てしまったら
脱げないよ
いらなかったのに
そんな鎧をいつから
着てたんだろう
重いのに
脱げ ....
熱がある時に観る
テレビのような現実が
頭の端っこで丸くなって
きれいに瘡蓋になる前に
剥がして/痛がって/泣いている
ぼく、
透明な夜をみあげます
半透明のたましいを宿して
伸びていく木になります
ほしかったものが、なかなか
みたされないから
ほしくないって嘘をつく
あんなもの、いらない ....
ぽとり
と
つぶやきをひとつ
落としてきた
苔の生えた出会いのテクニックのように
ぽとり
と
つぶやきをひとつ
落としてきた
迷子猫のような写真まで貼りつ ....
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