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あったかくて親密な壁との対話に
身体の内部が地震になるほど
たましいがふるえすぎて沈んでいたんだ
そろそろ何か、雌豹なムードを求めたくて
つっかけ履きで捨鉢気分で
買い出しっぽく突然外へ抜け ....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた
手術自体はあっと言う間ですから
こころにメスを入れる ....
追い風が吹いて
帰り道
ポケットに手を入れて
どこに帰ろうか
遠くで
口笛が聞こえる
部屋では
猫が待っている
たぶん
窓際に座って
通りを見下ろして
新緑が
....
線路にそって
坂道を歩いていると
葉のみどりに雨粒が
そしてどうしてってかんがえる
どうして
葉はみどりなの?
どうして
雨は水なの?
どうして
花はきれいなの?
どうして
....
小指をなくしてしまったのと
あなたは淋しそうに言う
けれどあなたの手には
たしかに五本の指が
すらりとあって
僕からみると
ほかの指より少し短いその指は
いちばん右といちばん ....
地球がもう少し傾いてたら
この斜め振りな雨に濡れることはなかったかもしれない。
寝ぐせとも天パとも云えぬような頭からは
まっすぐな言葉は生まれない、かもしれないから
今 ....
澄んだ湖に ぽいっ と
石が投げ入れられた
綺麗な水面が崩れるのを
少し切ない気持ちで
見ている
乱れた湖水をしずめるのに
この手のひらは
水になれぬ野蛮
かき回すことなら
....
あの日から遠いこころが始まった
そっちがいい
どっちがいい
気が向いたときだけ優しくできる
こらえきれず
きみを待ってる
ギター教室から
きこえる音楽
....
夜風が背中に
よわさを教えている
恋の予感なんて
つかめばそこに濡れている
パソコンの画面ふたりで
見つめて女の香りがして
夜風が背中に
よわさを教え ....
ランラ ランラ ラン
ランラ ラララ ラン
ランララン ランララン
ランラ ラララ ラン
手をつなごう キスをしよう
ランラ ランラ ランララン
ランラ ラララ ラン
....
恵みの雨
喜びの雨
家の中で
寛ぎの時
ゆっくりと寝て
テレビをかけて
バイオリンの音
胸に透きとおる
悲しみの涙
苦しみの涙
全ての物が
人徳となる
傷口をいじれば
いつまでたっても治らない
そう知りながら
この手は気づくと触れている
もう忘れていたあの日の傷跡を
いじり過ぎた浅黒い影が
遠い過去の空白に
うっすら ....
繋いでいたはずなのに
いつの間にか
いなくなっていた
誰かと影踏み遊び
また日が暮れて
皆はどこかへ帰ってゆくのに
僕だけ帰る場所がないよ
灯る家の明かりは
温かくて僕だけに冷 ....
街にほどかれて
悲しみがほころんで
ふらついていた
悲しまない
悲しむまい
どこかで僕らは
計られ
見守られ
さやかな風が運ぶ
なにを見た ....
とろけるように融けていく
心
「ありのままでいいんだよ」
君の言葉が
私の耳朶に響き
遠く五月の空まで
轟いていく
凍りつく寸前の
ずしり
それは
深い深いみずうみの
4℃
絶対温度で横たわる
好きです、って
告げたら最後
深みで眠れ
ことばよ
声よ
檻の中で過ごしていたようです
どうやら僕はあの頃のまま
で、居たかったのかも知れません
さようならが言えない僕が
鏡の中で嘲笑しても
あの頃の季節を覚えています
愛が憎しみに変わる前に ....
なにもきかない
なにもきかないで
ぼくの目だけ見て
・
遮断機がおりる
ぼくの前で
引き裂かれる
地図の裏側は
ただ白いだけじゃなかった
・
....
甘いうっとりする
メロディーを聞く
クーラーの下
ロイヤルミルクティー
宝石の輝き
しゃれた服
楽しい時間
優しい気持
風船プカリ
大笑いの声
花のお話し
葉の深呼吸
....
静かな部屋の中
マドラーでかき混ぜて
カラコロと氷の音
黒と白のモノトーンの部屋で
琥珀色だけが鮮やか
めずらしいじゃないか
あなたがウイスキーなんて
あまり飲まない ....
春のおとずれは
やわらかい
ことばの身軽さと
陽気がとても
近くなる
鳥たちの鳴く声と
色とりどりに
咲く花と
寒さをかき消してゆく
波のかさなり
しろい音 ....
満ちたりた日々は
僕を不安にさせる
永遠には続かないと
判っているから
大事にずっと抱えてきた器
今、そっと手を離すよ
落ちるまでの時間を距離を
心で計って深呼吸すれば
溢れてくる ....
いいですか
すべてのニワトリは
自分で殻を割って
生まれてきたんですよ
と叱られた思い出
いまなら言える
僕はニワトリじゃない
*
あまりの暇にたえかねて ....
蛙の/鳴き声は
星の/鳴き声だ
地上の/宇宙で
無機質な/命の
星/鳴いている
うららかな夕焼けが
つくりだす陰影
「せんせい かげふみしよう」
授業が終わった生徒が
煙草に火をつけようとする
僕の手をとめる
足元から伸びた大きな影と
向かい合う ....
きみがあること
そのものが
時間であるようにして、
呼んでいる、差し出されたきみの時刻に、彼女は
故郷にいて、
彼方が
電話をかけてくる、夜はかつて
退いていったようにして、受け ....
おまえのメルヘンは
オレが守ってやるさ
それにウソはないさ
夜明けのまえの
あかるいベッド
愛し合い倒れた
ふたりの獣たち
白い壁はしずか
優し ....
夏がそこまで来ている季節
山の木々の新緑が
やけに眩しくて
道端の花の咲き乱れる様子が眩しくて
息づくすべてのものたちの
生命の躍動が
私にも頑張れと
そう言って ....
全てが崩れ去ってゆく
全てが悪い方に進む
2回くしゃみをする
燃えて炎となり
消えてゆく
腰を低くしていると
皆が良くしてくれる
頭が低いと話しかけられ
皆が信用してくれる
....
感動のない
人生なんて
太陽のない
ソーラーカーの様だ
より多く、より深く
知る事だ
時々魔法をかける
おじさんがいる。
一生懸命
真面目に
平々凡々と
生きる楽しさ
....
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