飛沫
望月 ゆき
気がつくと きみは
魚になってしまっていたので
ずっと
きみを知っていたのに
はじめて見たような気さえした
望遠鏡をのぞくと いつも
波がよせては砕け
飛び散る
セロハン越しにそれは
琥珀となり
バラバラと、ふる
もう ぼくは
イソバナで
ほんのときどき
きみの胸びれが
かすめ、ゆく、ばか、り、
自由詩
飛沫
Copyright
望月 ゆき
2004-06-16 02:01:05
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