草野春心



  暗い夜には
  一羽の鳥がやってきて
  私の口に潜り込むと
  枝を使って舌根の辺りに巣を作り
  数個の卵を産みつけ飛び去ってゆく



  朝、私の舌で
  殻を破って雛たちが孵ると
  餌を求めてさえずり出すので
  私までもが小鳥になって
  親鳥の帰りを待っているような気がする





自由詩Copyright 草野春心 2012-01-21 00:45:28
notebook Home 戻る