うつし世は春雨なりき芝居果つ

渡り廊下の左右より春の闇

洗ひ髪夜しか逢へぬ人と逢ふ

揚花火仰ぐ横顔盗み見る

首筋に跡を残せし残んの蚊

衣かつぎ妻は家では酔へぬも ....
雪の平原は降りやまない
白い世界が{ルビ目先=まなさき}に広がりゆく
ほっぺはりんご
白い息
たったか たったか
かけだしていく
わたしは気軽にエルトンなんて呼んじゃいけないのかもしれませんが
でも、あなたの歌はわたしの奥深くで流れているから


「エルトン・ジョン」
あなたの歌を聞いたのはドラマの主題歌だった
確か ....
この空は瑠璃色の夢
あの森は翡翠の希望
ここに私の命はある
太陽にてをかざせば
ほら燃えている生きてる証
螺旋階段を駆け上り
小さな窓から中をのぞいてみては
また帰ってゆく 傘の中へと
 ....
澄みきった青空に
白い帽子が
よく似合う
まぶかにかぶった
はずかしがりや
冬の朝にそびえる
富士山 どでーん
骨壷をもうひとつと
父親は頼みました

寒い寒い一月の斎場で
白い骨になってしまった
母親を乗せた
鉄板をみんなで囲みながら

葬儀屋が用意してくれたのは
大きな骨壷がひとつと
 ....
暑中お見舞い申し上げます
 今年は母さんの新盆だから
 せめて墓参りにくらいは帰ってきなさい
                  父より

   追伸
   そういえばクロがおとと ....
大根の葉の傷
葉と葉の下で 濃い緑色になっている葉

信号待ちで
隣の男性は
白髪と そうでないところ

あなたはもう白髪の生える頃だ

葉は 思ったよりやわらかくざらざらで
あな ....
ししゃもはいいねぇ
そういって親方は
お弁当を頬張り
しわくちゃの目尻が
太陽でいっぱいになる
それでは納得いかないわ。
布団をパンパンたたきます。

恐怖の大王が降りてくる前に、
お日様のひかりをね。

まだまだ、パワーが足りないわ。
「カレンダーめくってやらないんだから」
と ....
まだ若かった三十年前、薄っぺらいクラシックラルースをテクストに辞書と首っぴきで
ランボーを読み、痴がましくもその全訳を夢見たものだったが、十歳の少年が「金利生活
者になりたい」などと書いているの ....
私の中で
溢れかえる
歌の波
止まらない
止まらない

この心が
つむいでゆく
言の葉たち
次々と
次々と

忘れられない思い出と
今も消えない傷跡

私はただ歌う
誰 ....
あなたに手紙をかいた
ながいながいマフラーに
愛情だの執念だの絶望だの
うらみごとを鈎針でえんえんと
かきつづけた

読み返そうと
手繰り寄せたマフラーの編み始めに
秋が見える

 ....
紺色のカーテンが空にかかる頃
私は一人 ぼんやりと
光る街を 歩いてた

空にはバナナのようなお月さま
あのお月さまを食べたら
どんな味がするんだろう

月は恋の果実
それはきっと恋 ....
涙ひとつぶん
あなたに
私の叫びは届かない

いつもの私でないと
気づいていながら
あなたは
何があったかさえ
涙ひとつぶん
わからない
震える指先が凍りついて
いつか口に含んでも動かなくなったとき
幾度も自分を納得させる言葉を吐いた

私は人より多少不自由なだけ
壊れた右耳は機械の力で補える
動かない指先は動く片手で補える ....
夕焼けの頃)

机の上、広口ビンの透明な壁面には
「真空」と書かれている

私はただ、じっとそのビンを見つめているだけだった
あなたはそんな私を若かったのだと笑うだろうか
あるいは、 ....
学級委員のももちゃんは、
いたずらっ子の男子をこらしめます。
今週は7人の男子が女子に謝罪をしました。

青島君はめげません。
ももちゃんのスカートをめくりました。
はじめて、めくってもら ....
涙がね赤い光を受け止めて私の頬に残るんだ その子はとても純情。
世間の穢れを知らずに今まで17年間生きてきたの。
とても皆に大事にされていたの。
その子がとても輝いて見えたのはきっとあたしがだめなやつだったからだろうね。
今でも彼女は ....
布団を干したかったの。
どうしても、今日干したかったの。
お母さんは言いました。
「濡れてもいいなら干せば〜」

一気に気持ちは萎えました。

ブーツを履くのもやめとこ。
 感情の吐露です
  それは美味いのですか
  脂がのってるのですか
  私は場違いではありませんか
  大将、
  はちまき ずれていますよ
  ずれているのは何だっけ
  そ ....
こたつの中でぼくは、猫を見つけました。
その猫はこたつの中であっちへ行ったりこっちへ行ったりしていました。
ぼくは、こたつの布団をめくりつつ、尋ねました。
「何してるの?」
「今日と明日の境目 ....
あきれたことに
男の料理のうるさいこだわり
重症であるとみた
牛の脛肉やすじ肉を
すりおろした梨で煮込むビーフシチュウ
たった2時間で出来るのだと
得意げな彼

不吉なオレンジ色の月が ....
 
わたしのせなかというものを
つくっていただけるのであれば

どうか車輪の跡を忘れずに

しあがりのまえに
たっぷりと日干ししたものに
あなたというものを
ペダルにのせて
し ....
君と水族館

巡る巡るマグロたち


とまらない

もう とまらない
今更 こんなこと言えない
あなたのその優しさが
あなたのその笑顔が
ひとつ ひとつ
私の心に降り積もって
あの時も あの時も
泣きたい心 泣けない気持ち
からまわりする言葉と
壊れたヴィオラ
すりきれた指に
伝う涙
みんな みんな
淋しさに傷つく
憧れは
いつまでも
追い続けていたいから
完全な憧れなど
持たないんだ
金色の雪のように
散ってゆくのは想いの絵葉書
とんでけ
とんでけ
雲の上まで
空の果てまで
あの人のもとへ届くように
折釘さんのおすすめリスト(174)
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巡回水槽- Monk自由詩303-11-12
泣きたい心_泣けない気持ち- 春日野佐 ...自由詩203-11-10
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