ちょっとだけ、時間に余裕が出来て。
散歩に出た。
行くあてもなくて、歩いてたら。
懐かしい通学路。歩いてみた。
どこを通ったかも定かじゃなくて。
何となく向かった中学校。 ....
熱のいちにち。
いっこうにさがらぬ苛立ちから
どうでもいい
と、なげやりな僕。
窓をあけたら
プラスチックのような空が
雨を待ってた。
....
僕はどうして生まれたのでしょうか
どうして 生きているのでしょうか
僕がいることで
一体誰が喜んでいるのでしょうか
僕が生きて ....
不思議な夢のなかを
幾つも走り抜けると
夜が明けていた
あのひとの笑顔が
眼裏に追いかけてくる
卒業式の気分で
この朝を見ている
雲は白く輝き
空気は青く澄んで
どこまでも続いて ....
もう、キミの色は
忘れてしまったよ、
上から上から
何度も塗り潰したからね。
痛みだけがココにある
青い空
黒い海
黄色い車
赤いギター ....
おーい。
鏡に映る私に問う。
あの時の私はいますか?
ある香りに卒倒しそうな私があった
ある曲に涙ぐんでしまう私があった
けれども、もうそのどれによっても動かされない
鏡に ....
散りじりに
なった 落ち葉を
繋がりに
たとえるなんて
とても 陳腐で
だけど
昨日のゴミ置き場で
幸せそうに日向ぼっこしていた
白い便器の蓋が
今日は無い
腰を痛めて十日間
介護の仕事を休んでいたら
先月の誕生会で
目尻の皺を下げていた
....
爪痕がなんだというのだ 紅い染みがなんだというのだ 滅びゆく我
我を手厚く葬られたし 国道に擦りつけらるる畜生なれど
愛されたし 海の寝床をうしなって引き離さるる二日目の親子
....
先生?
ちゃんと見てよ
小さなSOS
見て見ないフリしないで。
先生?
『イジメられる方も悪い』
って?
あぁ、そうだね。
私にも原因が ....
彼女があらわれた
可愛い
彼女は身構えるよりも早く 別れの呪文を唱えた
彼女の口撃
あたし ほかに 好きな人ができたの
、
、
、
コマンド>?
....
君が もうチョットだけ 大きくなった頃には
ハロウィンのイベントも今よりもっと一般的になっているだろう
ハロウィンの日には うちに来るといい
魔法使いだかゾンビだかなんだかの仮装をして訪 ....
昨日
柿を取ろうと
腕を伸ばした塀の上から
落っこちた親父が
とっさに捕まった物干し竿が
身代わりのように
ぐにゃりと折れた
午後
急に画面が消えたパソコンを
電気技 ....
真っ直ぐな迷路を歩いている
ゴールなど見えないふりをして歩いている
真っ直ぐな迷路を歩いている
スタート地点はもう見えない
真っ直ぐ ....
のびきったラーメンなんて
食べたくないし
食べてほしくもないから
そう遠くない将来
広いキッチンの
我が家に
注がれた牛乳や
たたまれた洗濯物
そういうものから読み取るのは
難しすぎて
未熟な手のひらをみつめ
星座のないことを悲しんでいた
こぐま座なんて
一度も探したことはなかった
い ....
ヒトを抱きしめた、
抱きしめられた。
あの感触が。
まだ微かに残ってる。
寂しくて、
少し強く感じたら、
そこには何にもなくて。
抱きしめられなくて。
....
パイ皮につつまれた子羊の肉がある。
ぱりぱりとしたその外皮と一緒に切り崩され、
皿に敷かれた甘く濃いピノノワールのソースへこてんぱんに塗り付けられ、
ゆっくりと口に運ばれることを運命付け ....
何気無く無為な日々を
風のように過ごしては
喧嘩した日もあったね
(マックでの会話。)
「何食べてんのさ。」
「ポテトは鼻 ....
本屋の漫画を読んでいく。
いろいろな漫画の映画を作る。
何かの本を読む。
いろいろな映画の歌が作られる。
本屋の漫画を書いていく。
本を書いていく。
何かの歌が書かれていく。
いろいろな ....
食ショック
飯をくえくえ もっとくえ
安いごはんを 美味しくちょうだい
お肉は
二の次三の次
沢山つくって ベンを出す
モリモリ出たら
皆ハッピー
悲し ....
その男は
音もなく戸口に立っていた。
帽子を深く被って
顔はよく見えない。
ーあんたの夢を買うよ。
ー・・・
ーあんたの夢を買うよ。
やっと答えた。
ーどんな夢 ....
働くってことは
否応無く押し付けられた役柄を演じること
食品会社に勤めれば
賞味期限の記されたシールを貼りかえる日々
罪の意識など三日で消えてしまう
コールセンターに勤めれば
クレ ....
どこまで私は落ちていくの?
この植物に食べられちゃうの?
どうして私食べられちゃうの?
人間がたくさん木を切ったから?
地球を汚してしまったから?
好きではない
むしろ嫌いかもしれない
それでも、
作られたものまでをも
嫌いにはなれない
ひとりで
回転寿司に行きますと
何周もしている
モンゴイカにふと
周回遅れのじぶんじしんを重ねて
真向かいの
ホスト風の男が
うにいくらと注文しているのを
同じ色の皿ばかり積む私は
....
夜更け
車窓に映るわたしの影
扉にもたれて
窓外を見ても
映っているのは
疲れた車内
電車を降りれば
きっと夜風が吹いていて
わたしをやさしく家まで連れ帰ってくれるだろう
け ....
あまりに静かなので
どうしたものか
耳を澄ますと自分が
階段になっていることがわかる
踊り場には
温かい春の光が落ちて
多分そのあたりに
思い出はあるのかもしれない
遠くで ....
さよならを
告げられずとも
久々に
夢で逢えたら
気が済むつもり
北風が公園の遊具を
カラカラと転経するかのようで
あわてて耳をふさぐと
もう名前も忘れたあのひとが
私を呼んでいるのに
声は私を忘れて
名前はだれにも届かない
やっとちぎり取った ....
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