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灰青色のかなしみが
時計の針にまつわるので
空気が気怠さを増してゆく部屋で

六月の似合うそのひとを
あなた という二人称に委ねないために
窓外に滲むあじさいを
しずかにただ眺めていた
 ....
もうどこへも逃げてゆけない言葉たちが
{ルビ凝=こご}る五月闇
夏の色が濃くなるごとに重くなってゆく空

その空の重みに耐えかねて
虚ろになる意識
否 虚ろを装う意識

綴るご ....
暗示は歩いてゆく
眠りをめぐる回廊を
重ねられた便箋のあいだを
どこかためらいがちな
静かな足どりで

誰ひとり知り合いのないような
それでいて誰もに挨拶をしているような身ぶりで
暗示 ....
短角牛さんの塔野夏子さんおすすめリスト(3)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あじさい- 塔野夏子自由詩12*23-7-5
五月闇- 塔野夏子自由詩7*23-6-1
暗示は歩いてゆく- 塔野夏子自由詩11*07-12-11

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