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カラヤンのレコード買いきて おもむろに
娘灯を消して聞くがよしと言う

萬緑を濡らして夕立過ぎゆくに
近江の里の深き静もり

緑濃き萩の道もいく曲りか
蓮の花咲く池に出にけり
     ....
加茂川に降る雨と共に昭和逝く
 何時もと変わらぬ景色まぶしく

編隊のかたちに鴉帰りゆく平成となる日の夕空を

永かりし昭和の御代も終焉となりて
小雨降る 夜となりけり

親しめぬ言 ....
  
   「いつか奇跡」

霧雨の向こうに遠い日の日記 差し出した手が迷い濡れてく

影送り透けて遠のく僕たちの眩ばゆいほどにピュアな夏の日

吹くはずのない甘い ....
君思ふわが名流るる滝つ瀬の
   はやき心をたれか止むらむ

紅の色に夏の葉かくす{ルビ山躑躅=やまつつじ}
   いでやかなしき人をぞみゆる

こころありや宵待草にあさつゆを
   ....
今日はもう眠たいんだと思ってた耳をやさしく齧られている
 

灼熱のキスも荒地の抱き方もじゅっと言ったら終わりなんでしょ
 

喧嘩してキスして抱っこして仲直り小憎らしいとはお前のことか
 ....
 
あの頃の
二人に捧ぐ
カスミソウ
無邪気なままの
君は遠くて
 
 
歩き出す
二人の旅に
タンポポを
また逢える日を
祈りて贈る
 
春夏の夢にかけたる浮橋の
  途絶えに月をながめくらさる

五月雨にみかさ増したる川の瀬に
  月は流れでみづ音ぞ澄む

ひさかたの光をかへすはちす葉の
  浮けるみなもに波たつる風
 ....
朝焼けに 彩り添える 歌でさえ 笑顔の先に 思い出せると


翳した手 傷は癒えぬと 繰り返し 欠乏の果て 声は枯れゆく


さざ波の 白々しくも 酸い音を 瀬に背に受けて 空 ....
頰杖でまどろむ窓辺何もかも
    透き通ってゆく水晶夜にて


草のゆめ針の夢またむらさきの
    時のうつろい夜は傾き


果敢ないと花びら時に散るならば
    ....
吹雪舞ふ街並暗くなりゆきて
車の尾灯赤く際立つ


娘の買いしロシヤ民謡の低き声に
ほれぼれと聞く灯を消す部屋に


隣家に毎日来る左官屋の
両肩に今日 サロンパスあり


ま ....
吾が植えし稲は早や穂を出しにけり
そも刈らずして行く身はかなし


豊かなる無形の情は一層に
此の地離るるは苦しきものよ


娘のもらいし記念アルバム開きみれば
笑顔並びし子等達の顔 ....
なじみ深き土地を去る日の迫りきて
一日短く覚ゆ昨日今日


何事も知らぬ猫といて この土地を
離るる事を息子は言ふており


感傷にひたるひととき青梅が
音たてて落つ庭石の上

 ....
つまづきしことも幾度と田の畦に
憩いて友は遠き目をせり

来る年も々じ仕事の明け暮れに
疑問持ちつつ野面に立ちぬ

沈丁の香りあふるる庭に居て
訪ねし人の帰り待ち居る

その昔 吾が ....
畠に居る吾れに遠くより手を振りて
かたみに呼びて吾子等帰りくる
  (塩田のお宮さんあたりから)


稲木立ち視線さえぎられし彼方より
ハミングしつ吾娘帰りくる


幾年か経てば少女 ....
鍬を肩に明日の日和のたしかなるを
友と語りつ茜さす道


亡き兄が呉れし つつじの花濡れて
五月雨暗く今日も降りつぐ


寒の水 喉鳴らしつつ飲みほして
湯上りし吾子 大きく息す
 ....
夕寝から覚めて仰ぐや宵の月

兎と見ゆる愛でていとしき


君と居た夏のあの日や砂粒と

はらり揺らいで零れて落 ....
失いし友の最期を求めつつ 
        訪ねた遺族も また 被爆者なり



ヒロシマの八時十五分 {ルビ時間=とき}止まり {ルビ六十年=むとせ}分の祈り捧ぐ




小さき ....
ぼくたちの出会いを事故と名づければたちまちエアーバッグが邪魔で


消えかかる蛍光灯の真似をするきみの瞬きずっと見ていた


きみのその背中の刺青の蝶を捕らえるために彫りし蜘蛛の巣

 ....
降り立った夏の停車場せみたちの鳴き声拍手喝采のごと


実家へと歩く田園風景のさびしきひとりと描かれる夜


秘密基地としての廃屋いまはもう月光だけの棲み家となりて


失った記憶と ....
  暖かな雨に追われて迷い込み君と出会った六月の町


  徒に花びら数え占った恋の行方を君も知らない


  花は花やがて綻び散るものの定めの前に花鋏有り


  裏庭でか ....
気がつけば黄いろいスカーフ色あせて 汚れた畳ですましてる
み空からくだったものかと頷くも 何のコトだかすでに忘れぬ
教会の坂を覚ませる山の暮れ お菓子食べつつ耳を澄ましき
終わるとも知れぬ 電線 ....
この道は誰が奏でる笛なのかさみしいばかりかなしいばかり



雲のない空を見上げて歩きゆく光を知らぬ光の穂の道



はたはたと星をつかんだ曲がりかど野をわたる声ふりかえ ....
・保育器の硝子を叩き切れ長の瞳で世界に問いかけている

・足指のかげろふ色の肉の子よ赤き頬よせ目を閉じてみる

・あくがれて恋人のごと抱きよせむ赤子のキスに二の腕泡ぶく





 ....
藤丘 香子さんの短歌おすすめリスト(113)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
7P_「短歌2」より_〜_昭和四十年頃- むさこ短歌13*07-6-4
12,13P_「短歌2」より_平成元年- むさこ短歌11*07-6-3
■共同作品■_カゲロウと花- Rin K短歌26*07-6-3
恋夏草(れんげそう)_______■古語の宴参加作品■- Rin K短歌28*07-5-28
ながしそうめんリフレイン__(モアラヴ)- ふるる短歌11*07-5-17
花言葉- 秋桜短歌8*07-5-12
さつき待つ___________■古語の宴参加作品■- Rin K短歌20*07-5-2
あいうえお短歌- 山中 烏 ...短歌9*07-4-29
水晶夜- 石瀬琳々短歌21*07-4-17
6P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...- むさこ短歌16*07-4-4
5P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...- むさこ短歌4*07-4-1
4P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...- むさこ短歌11*07-3-28
3P_「短歌2」より- むさこ短歌607-3-27
2P_「短歌2」より_昭和三十三年- むさこ短歌6*07-3-23
1P_「短歌2」より_昭和三十六年- むさこ短歌10*07-3-16
夏残照- しらいし ...短歌13*05-8-18
八月六日、灯籠流し- 秋扇短歌9*05-8-5
六月は雨- 本木はじ ...短歌1705-6-9
雨色の断片- 本木はじ ...短歌19*05-5-18
紫陽花ヶ丘- 嘉野千尋短歌16*05-5-12
短歌そのた置き場- 朝倉キン ...短歌4*05-4-13
ノート(道)- 木立 悟短歌805-3-21
【短歌三首】Kanon、それから- 川村 透短歌3*04-2-7

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