稲妻
小川麻由美

ポストから落ちる紙
君からの手紙もあった気がする
お構いなしに紙を踏み付け
ベッドで思いを走らせる

君と過ごした時間は最高だった
嘘じゃない 本当に思う
今となっては手紙も読めない
そんな愚かな俺なんだ

哀れみの目なんかで見ないでくれ
俺が決めたことなんだ
あなたの考えは押し付け
せめて おもんぱかってくれ

放蕩息子の俺
今に始まった事じゃない
ずっと俺は俺を信じた
自分を信じるしかない

遠く聞こえる稲妻の誘惑
俺の手となり脚となり
この世のうんざりすることを
拭い去ってくれ

残された時間は長くはない
俺の血肉が存在した証として
お前のその怒りに満ちた形相で
俺の手脚になってくれ

俺の願望が叶ったら
稲妻の矛先は俺に向けられる
稲妻の矛先は俺に向けられる
稲妻の矛先は俺に向けられる


自由詩 稲妻 Copyright 小川麻由美 2016-02-25 21:25:35
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