黄金の銀杏の下、落ち葉を掃くより落ちる方が早くって、
もうすぐ暗くなるよって、黄金の絨毯に夢中な少女、ご主人をうかがいつつ、ぴょんぴょん、散歩する嬉しそうな、子犬、恥ずかしそうに、立ち小便するオヤジ ....
その窓の向こうには
どんな景色が見えていますか
その窓の向こうでは
誰があなたを待っていますか
透明な意識の反対側で
あなたを白くくもらせる
一枚の窓に描かれた
空想のミルクを飲ん ....
真紅の薔薇が日々を分光する
赤/黄/緑/青
その赤だけを銀のスプーンで掬って
ボロネーゼソースに仕立てる
ヒヤシンス絆す忘国の姫君は
黒髪を手櫛で梳くように
カペリーニを茹で上 ....
道を歩く
たとえば都会の中の
南北に良く延びた
見通しの良い、ゆるい起伏のある道
道の両脇に少し、窪地のように
段差を持って民家の屋根が見え
ちょうど腰の辺りにゆれている鍵束の
しゃんし ....
このくらい→ ,
....
冬
青暗い空
白濁したむこうに
オリオン
座
あたりまえのような空白に
止まったり動いたりする記憶
五つの夜のうち
一つはあなたが入り交じる
あたりまえのような静寂に
現れたり消えたりする感覚
五つの夜のうち
一つはあな ....
何かを見ている
何かを聞いている
何かを感じている
そんなことを繰り返す
定規で区切った四角の中で
ひたすら歩いている
ひたすら喋っている
ひたすら寝ている ....
息が途絶える 闇の極北
袋小路 薄汚れた壁
暗黒の針 立つ 視界
視野はつづまる
うす暗闇の復員船
船倉の壁のシミを
いとおしさで見つめ続けた
どこへも行けない
終わりが ....
-Ein-
星の上では朝と夜が淀みと流れを繰り返すから、
歩む速度を誤るたびに大事なものを見失う。
太陽も月も同じ速度のフリをするから、
光の速度で世界は歪む。
いつもアインシュ ....
ガスコンロに炎は無く
終終とガス臭い 窓が全て閉じられた部屋 充満する
奇形人間の部品 宅配されてきた これから宅配する
ガムテープで切って貼って ダンボールに詰める 「切って!」の山 過去への ....
診断はうさぎ熱
それも重症
止まらない
君に
大切な友だちに
手をかけるやまい
君は目を閉じて
やり過ごそうとするけれど
ボクのやまいは
それを越える
君を食む
最初 ....
心を のべひらく
凪いだ 北の方へ
静まり返った部屋で
北向きのベッド
伏臥した 頭の上を
船が通り過ぎている
北極海航路が開かれる時
涙は溢れるのだろう
極海に船影が ....
爆発する
夕日
の上を
駆け抜けていく走者
の影を
追いかけて
いく轍
に足をとられて
転びそうになる走者
の右手に
握られている
バトン
は理由のように
あやふや
だから ....
造花が偽る6分の1の現は
破棄のせつなに予感した誕生か
底の空気が薄らいで狭い瓶の箱庭に
蜜入りの中心から濃く漂う夢に
首を落とすより
健全な侵略
標した反逆
其の旗の意はまるで
....
ストーブのぬくもりを
あなたのやさしさと勘違いして
思わず抱きしめた夜
あたしの胸は
焼けただれて溶けて
あなたの一部分になることを
喜びとした
時には灯油がきれた
冷た ....
水道から
気配が流れている
ドドドドド、
どどどどど、
ドノドノドノ、
どのふねの、
私は乗る
その笛に
湯舟、に注がれる
湯布院
ああ、何故
ユフイン、
ナノ ....
私は牛乳のそばで
doing nothing.
なんども あなたの口のなか
滑らかにうごく舌を目で追って
なんども あなたが左手で記していった
細い字を指でなぞったよ
だからこんなにも、目眩
....
遠くの空から音がする
かん、かん、かん、かん、
音がする
Hello? Hello?
Can you hear me?
かん、かん、かん、かん、
音がするんだ
届け、僕の声
....
ノイズを避けて通れない街で
君だけが星
君だけが太陽
今日も君の真中を目指して
起きあがる
忘れてきたものは多い
これから手にいれるから
知らぬ間に傷 ....
(たくさんのパルス、)
脈拍が歌う
それは波紋であり、
いのちだ
水溜まりと等しく
空を映した鏡と、同じ
青や赤をまとった
一筋の糸
(たくさんのパル ....
きみとぼくは いちども
会うことは ないけれど
異端の爪を みがいて
おなじ 事象の平面を
ひっかきつづける 仲間です
高速道路を二〇倍速でガン見する
引きずられた眼球の中でミトコンドリアが舞っている
土人たちを夢想して浮かぶ偵察衛星‐姉
荒ぶる箒を止められない苔の虚ろに耐えて詠む誰か坊主を燃やして。
カーテンの裾に星粒。
掌にのせると
溶けてしまいそうなので
そのままにして
靴下は
目に見えなくても
大丈夫
遠くで、
誰かが
静かに
幸せを見つけていますように。 ....
おやすみなさい、
やすらかに
すずのね、のびやかに
みんな、よるのなかに
シャーベットブルーのグッドモーニングサイクリング
期待混じりの小石飛ばして
12のままの感性隠して
潰れた空き缶わざと踏みつけ
抜けてく空気で甦らせた
なくしたノート
もらった消し ....
ライオンが
オーバーラップする朝
死の気配はまだない
歩いて行けば
夜にはサバンナで死ねる
それがいやなら海だ
海までなら
歩いて行けば
昨日の夜まで行ける
そこから沖 ....
乾ききった滴りの速さで
砂漠に打ち捨てられた
砂時計は時を刻み始めて
砂礫の大山に沈む
夜の生き物のように蠢動する
艶かしく くねくね
流砂は崩れ去り
乾いた海へ向かう
防波堤 ....
水たまりから削り出した初春に
溺れることなく
干からびることなく
倦怠感の体育座り
水底に届かない手
澱にすべる指
雨だれのみそぎ
わだちを掬おうとする手は
道を温めは ....
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