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ひららが飛んでゐます。

蝶でも 恋文でも 紅葉でもない、
あれはひらら。
まろやかな曲線を描く翅をひらめかせ、
たおやかに灰色の空を飛んでゆく・・・
あれはひらら。
ひらら ....
1.

とても静かな村だった。今もきっと静かだと思う。
お祭りのときだってそんなに大騒ぎにはならなかったの。
屋台もちっぽけなのが五つくらい出ただけで。
綿菓子とお好み焼きと鯛焼きと。あとは ....
憧憬と書いて
どうけいと読むのだと思っていた
でも
しょうけいとも読むらしい
しょうけいのほうがかっこいい

とおもったのは
本多勝一の『憧憬のヒマラヤ』を読んだときで
ええと
わた ....
夏休みは毎年キャンプにでかける。たとえ休みが一日しかなくても無理矢理でかける。わざわざキャンプにでかけなくてもうちは田舎にあるから山のふもとに住んでいるようなものなのだけど、やはり山奥にまで入り込むと .... 使えないものがある
持っていないのではなくて
使えない
使い方を知らないのではなくて
使えない
使える状態に保存してあるけれど
使えない
使わないのではなくて
使えない

相当に苛 ....
最初にぼくたちは井戸を掘った
深く掘り進めば
清らかな水が湧き出すと信じた

けれど 掘っても掘っても水は出なかった
そこでぼくたちは業者を呼んで水道を引いた
それからぼくたちは ....
わたしたちは湖のほとりに住んだ、
白い壁の賑やかな寮に住んだ、
壁は雨が降るたびによごれたので、
日曜がくるとわたしたちは、
大騒ぎしてよごれを湖水で洗い流した。

湖のむこうには、
冠 ....
水色のものしか口にしては駄目よ と
お姉さまは仰有いました
緑ではいけませんの と訊ねますと
緑は駄目 薄紫なら構いません と
お姉さまはお笑いになりました

わたくしは紫色のキ ....
女王は生き血の風呂から手を伸ばし
君の頬をなでまわした
君は少しうろたえて後ずさり
そこここに跳ね散った血液の飛沫に
足を滑らせた

べっとりと頬を濡らす血を
拳で拭いながら
君は家出 ....
私の髪は
とかく荒っぽすぎる
寝癖を通り越してはねまわる
渦巻く
からまる
もつれる
おまけに白髪が混じる
二十歳前からそうだったが
問題なのはこの白髪で
黒髪よりも荒っぽくひねくれ ....
ほら今日もラインは元気に流れてくる
あなたよりあたしより元気に
たぶんこの工場の中でダントツ元気に

あたしは箱を広げる
あたしは箱に折り目をつける
あたしは箱を組み立てる
あたしは箱に ....
曇ったガラス窓のむこう
泳いでくるのが金魚なら

雨が降りそうで降らない
薄墨色の空が割れたなら

いつも言い損ねるさよなら
君にはすっと伝えておこう
(詩人ギルド・レビュウに投稿したものを、一部削除、若干訂正)

 私が、あるひとつの詩をとても好きになったとする。しかし私でないあるひとりの読者はその詩が好きでない。むしろ大嫌いだと言う。また、先 ....
私は大地だなんて今更そんなこと歌いながら歩いてゆく
まひるの高速道路さすがにちょっと危険
でも引率する彼女の後ろにはぞろぞろと娘たちがついてくる
娘たちは美しかったり美しくなかったり
あるいは ....
朝飯の味噌汁ぶっかけ飯(俗に「猫まんま」ともいうが、猫は味噌汁ぶっかけ飯なぞ喰わない。味噌汁ぶっかけ飯を喰うのは犬だ。故に我が家では、味噌汁ぶっかけ飯を「犬まんま」と呼ぶ。「猫まんま」は鰹節をかけた飯 .... まずはURL、
チアーヌさんの書いた詩「かわいい匂い」は下のリンクから読める。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=20788

 それからお断り、私の ....
私は素手で土を掘った
逆さ剥けから血がにじんだ
さらに掘り進むと爪が剥がれた
赤土は血を吸いながら悦んで湯気をあげた

肥ってはいるけれどゆがんだ芋虫が
私の掘った穴から這い出し ....
This is private

きみだけが判ってくれていた気がするけれど
それは錯覚だったかもしれない
きみはこんなところまで来なくていい
きみは温かい部屋で笑っているのが似合う  ....
口に含むたび
かみ切ってやろうと思うのに
かるく歯をたてることしかできない

こんな瞬間でさえも生殺与奪の権をにぎっているのは貴方なのだから

泣き出す寸前の子供みたいな顔で
貴方が嗚咽 ....
もう少ししたら
貴方はきっとねむってしまうから
ひとりで町に出ようと思う
あかるい黄色のみじかいワンピースを着て
下着はつけないで

雨の夜なら

私の足に
白い粘液が伝って落ちても ....
指にはさまれた紙片はガラスの破片のように鋭利に
あなたの皮膚を切っているらしかった
あなたの体液はきっとすこし酸っぱいのだろう
あなたの指を舐めている蛙は
横に広いはずの口を丸めている

 ....
そら、なのか
から、なのか
どっちでもいいけど
「宙」と書いて「そら」と読ませるよりも
「空」と書いてなんと読むのかわからない
そんな曖昧さがわたしはすき

そら、だったのか ....
雨は降りそそぐでしょう禁じられても
大地は受け止めるでしょう嘲られても

たとえ何億回囁かれたとて
愛は愛でございますとも
たとえ道端で売られていてさえ
人は人でございますとも

あた ....
うちの近所の橋の下に
ホームレスのおっちゃんが一人住んでいて
橋下さんと呼ばれている

橋下さんは五十代半ばくらいで
よく釣りをしている
釣れた魚は焼いて食うらしい
釣りをしていないとき ....
駅のホームに
オクラがひとつ
おはなしは
あなたが考えて

(夜勤前に愛野駅にて)
鉄の箱の天上に
はりつけられて
どこにも飛ばぬ
翼たち

(境港にて)
降りてくる。
それは不意に、
エスカレーターで、それともエレベーターで、
あるいは手すりのない広い階段を。
鏡に映るわたしの姿が歪む。
墜落する軽気球。

わたしは呼ばれてい ....
1 夜の庭で

白い米を
黒ずんだ木の升で三合量る

最初のとぎ水は
庭に撒く

立秋を過ぎたので
コオロギが鳴いていて
いるか座が光っていて

だから私はしばらく庭にいた
 ....
ふあんふあん。ふあん。
重力よりも
風力を強く感じていそうな。
ふあん。ふあんふあん。

糸みたいに細い八本の脚は
這っているのか飛んでいるのか。
脚のまんなか吊り下げた胴は
浮いてい ....
しんきらと冷えた冬空からこそ出発する
はずだった

真冬ならばきっと
乾燥した肌は粉を吹いて水を求めただろう
夜空の河の湿度はきわめて低い
のどが乾いたなら
お姉さんにあげるはずの牛乳を ....
あおばさんの佐々宝砂さんおすすめリスト(296)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひらら- 佐々宝砂自由詩304-12-19
彼等- 佐々宝砂自由詩4*04-12-18
しょうけいのひまらや- 佐々宝砂自由詩304-12-12
時代外れなエッセイ_虫- 佐々宝砂散文(批評 ...5*04-12-11
使えないもの- 佐々宝砂自由詩5*04-12-10
家庭の成立- 佐々宝砂自由詩4*04-12-7
湖畔- 佐々宝砂自由詩2*04-12-7
水色の贄- 佐々宝砂自由詩604-11-28
女王は生き血の風呂から手を伸ばし- 佐々宝砂自由詩404-11-24
私の髪は…- 佐々宝砂自由詩404-11-21
あなたは笑うか?- 佐々宝砂自由詩5*04-11-21
私は今日も機嫌が悪い- 佐々宝砂自由詩204-11-21
批評の宛先- 佐々宝砂散文(批評 ...3*04-11-17
娘たちのパン- 佐々宝砂自由詩504-11-12
どうでもいい話- 佐々宝砂散文(批評 ...904-11-5
チアーヌさん「かわいい匂い」に関する私見- 佐々宝砂散文(批評 ...31*04-10-27
赤土の唄- 佐々宝砂自由詩1104-10-26
プライヴェート・エンド- 佐々宝砂自由詩5*04-10-18
夜の笛- 佐々宝砂自由詩304-10-18
雨の夜なら- 佐々宝砂自由詩504-10-18
狐座リング状星雲のあなたへ- 佐々宝砂自由詩7*04-10-15
わたしがシャンブロウだったとき- 佐々宝砂自由詩1604-10-15
わかりやすい最古の商売- 佐々宝砂自由詩904-10-6
橋下さん- 佐々宝砂自由詩7*04-10-6
おはなし- 佐々宝砂携帯写真+ ...2104-9-30
妖怪電車- 佐々宝砂携帯写真+ ...204-9-18
シャマンの唄- 佐々宝砂自由詩5*04-9-1
単純な喜びについての単純な唄- 佐々宝砂自由詩904-8-14
ユウレイグモ(百蟲譜39)- 佐々宝砂自由詩304-8-7
スクリプターレス・スクウェア- 佐々宝砂自由詩104-8-7

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