プラットフォームのうえで
学生が夕焼けにさよならしてる
桜色の空の真ん中では
ぐるぐるトンビが廻ってる


ぼくは君がくれた
読みかけの詩集を閉じて
琵琶湖と比 ....
夜空に見える、という
星座ってやつが
点在する星をつないで
こころでみる絵画だった
とは、しらなかったころ
僕は君の名前を
まだしらなかった

君の名前を
まだしらなかったころ 僕は ....
彼の乗った船が エーゲ海で消えた

滅多にあることでも ない



彼の乗った船が エーゲ海で消えた






遠州浜の海岸線は 遠い砂浜
波に運ばれる 白い砂と 生き物 ....
「スカンジナビアってどこ?」 
と言いながら
あなたは新聞をめくる
外は 
風が吹いていて

きのうの雷はちりとなり
ふりそそいでいる


わたしは
「知らない」と
面倒そ ....
朝刊から目を離さずに
気の無い空返事
それは。あなたの得意技

わたしが何を考えていようとも
お構いなし

空気のような存在

親しすぎる関係の果てに待ち受けるのは
そんな空虚さだ ....
さよならというやまいを
君と生きよう
ふたりが
気付かない夕暮れを

公園の遊具は
動物の姿で
昨日もそこにあり
明日も

なんてゆるやかなさくらの空

さよならというやまいを ....
取引先と切れた
親友が転勤で遠くに行った
母が再入院した
そして今、
花見をした帰り

前を歩くわが妻
うまくいけば
子ができて
うまくいけば
その子は老いた妻を
今の私と母のよ ....
フ と目の前に綿毛が飛んでいたので

ク とつかまえて離して見ると

それはチカリと赤い血の玉で

もう一度握ってはなすと

{ルビ捩=よじ}れてつぶれて菱形のいのちに変わった ....
古いじてんしゃのように
朝が下ってゆく


風邪声の
のどに ちいさなにがみと
這いつくばるようにおとずれ
さらさらと消えゆくよるを
くちびるに
にじませ

朝が下ってゆくと ....
おんなのこは
とてもいじわるなので
けたけたとわらいます

たたみのうえ
すっぱだかで
けたけたとわらいます

でんきにぶつかるむしが
そんなにおもしろいのときくと
わたしはじ ....
耳をすますと
遠く潮騒が聞こえる
ドアを開けば幻の海
白い波頭が立って
空はおぼろに霞み
「春だね」とつぶやくと
「春ね」と君が応える


潮風が弧を描いてゆく
君の長い髪がゆらめ ....
おばあちゃんの火葬の日
おばあちゃんと全く関係ない自分の事で
火葬場のトイレで泣いた
お母さんと
妹は
途方に暮れていた
でも
おばあちゃんは
その夜
わたしの夢に出てくれた
そし ....
背後から抱きしめられる気配が
して
「だぁれだ?」
そんなのあなたに決まっているのに
他のだれかを想像してみる

雪の降らなかった今年の冬を
ひとりで歩いてみた
行き先なんか
決めた ....
午後五時ちょうど
わたしは両足をひらきます

まぶたの向こう側で
色落ちた石壁に描いたあの人の姿が
ため息に吹きさらされて
薄れてゆくのを眺めます

そのたびに
西の空から一斉に
 ....
カノジョは抱きしめると林檎の匂いがして
ニュートンの空を見つめている

ちきゅう

と、くちびるが動いて
俺は抱きしめて
「おまえさんを中心に地球は まわってるな」と言うと
 ....
午後の教室
一番後ろの席で
眠りとの間に揺れていると
ずっと遠くの方に喧騒が消えていく
穏やかに舞う埃が
知らない間に袖に張り付いて
一緒になって光合成していた
金曜の午後

ノート ....
ハルシオンと言う薬は
とてもきれいな青色をしている
昔絵本で読んだ
空色の種とは
ハルシオンのことだったのではないだろうか



埋めると家がたつ空色の種

どんどん
どんどん
 ....
漫画喫茶で生活している
あの子と僕は

まだ一度も口をきいたことがない

僕のタンスはコインロッカーだ
僕のバスルームは公園の水道だ
毎朝、派遣会社からの呼び出しを待って
暗いうちに出 ....
喫茶店の中は
小さなロッジを思わせた
ランプの橙色の明かりは
それでもやはり薄暗くて
カウンター席の後ろでは
まだしまわれていないストーブ
季節に似合わなくても
この店には似合ってい ....
えのぐのあじがする
と、遠ざけられた皿には
白いドレッシングのかかった
シーザーサラダが
盛られたかたちのままだ
野菜も食べないと大きくなれません
と云われて
娘はふくれている


 ....
コーヒーカップの横に、本がある。
『「待つ」ということ』 そう本がささやいている。
私の心に問われた。私は何を待っているのか?
コーヒーをかきまぜてみる。
耳が頭がカラダがざわざわしている。
 ....
上の子が『パパァ』と絡み付く。
遊んで欲しいのだ。
下の子が泣き出した。
おしめかもしれない。

それは、全く時を構わず、
親の都合を構わず、
甘え、頼り、私を求める。

解って ....
   私の中で歌っていた
   リズムはもう死んで
   あとには振子とぜんまいが
   解体工場の鉄くず同然に
   ゆっくりと瞬目しながら
   光の中に溶け出していくのだった


 ....
夕刻よ もっと光をください
冬の息づかいが とても つめたい
雲のミルフィーユ レースの裾に
遠い日のさくらのような
幻想の海が広がっている

雲の山 空の海ね
幼い頬のかけらが 溶かさ ....
白黒の無声映画がきりきりと巻き戻されて冬が始まる


泣き方が子供みたいだ やわらかい頬に吹きつけられるあわゆき


バイエルの何番だっけゆうぐれに似合うつたないものばかり降る


 ....
嗚呼、僕の恋人よ
働いて働いて働いて
僕のために
僕のためだけに
もっと働いて
できればデスクワークじゃなく
汗水流して
重い荷物を運搬するような
ツルハシで地面に穴をあけるような
 ....
さわやかな風が吹いた
ピアノの音が聴きたい

私はピアノなんて弾けないけれど…
だけど そんな気分だよ

風は私の味方…
この風に乗っていきたい
どこまでも…
どこまでも…
今 優 ....
暗い人をみたら
いつも尊敬しなさい。
父さんはいつもそう言っていた。
南の島へライオンを助けにいったきり、
かえってこなかった父さん。

明るい人がぼくは好きだ。
明るい人はなんてすてき ....
  わたしは時々、石になりたい
  そして夜の一番暗いところで
  じっと丸くなり
  わたしの冷え冷えとする体に
  とても美しい夢を備え
  いつかわたしを拾い上げる者に向かって ....
あなたがあまりにも大きく樹をゆらしたので
花びらが落ちているのだった
色とりどりのかみふぶきに混じって
潔白な白がくるりまっているのだ
地上ではパレード
美しくなった出会いと別れへの ....
美砂さんのおすすめリスト(190)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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1997- 水町綜助自由詩27*07-4-1
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おんなのこ- ミゼット自由詩10*07-3-19
喪失の朝- 石瀬琳々自由詩18*07-3-9
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だぁれだ?- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-3-7
赤_(さん)- 容子自由詩807-3-7
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ピアニッシモ- 夕凪ここ ...自由詩11*07-3-5
ハルシオン- コトリ自由詩7*07-2-27
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スノーライン- ソマリ短歌2006-11-12
ハタライテ- Monk自由詩1306-10-25
ペパーミント- きみ自由詩5*06-8-15
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パレード- フユナ自由詩22*06-5-6

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