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サーチライト君のまなざし射抜かれて
私の愛も浮かび来る海
夜海の波うち際に刻まれる
星のなまえを覚えてねむる
永遠の星を探してしずむ船
嵐の海に記憶も ....
近づいてゆく
風が乾いた草の匂いをはこんで
近づいてゆく
滅んでゆくものの気配を
怖がらないで足をのばし
サンダルを遠くに飛ばして
近づいてゆく
秋のサテンのやわらかな手触り
私はこの ....
草あざみ風はどこへと吹くのやら
一人の道に時は惑いて
くちづけはブーゲンビリアあかあかと
見つめる瞳にしずむ太陽
透きとおる{ルビ項=うなじ}をみせて{ルビ月見 ....
匂やかにすみれ花咲く
白い星を押し{ルビ抱=いだ}き
夜の{ルビ水面=みなも} さざめきだち
{ルビ朱=あけ}にめくれてゆくまで
この指先の ちぎりたる
その花びらの 薄匂い
一度にすべて 散らそうか
淡き涙を 惜しもうか
風は遠くに 行くばかり
奪う事さえ よしとせず
耳をすますと
遠く潮騒が聞こえる
ドアを開けば幻の海
白い波頭が立って
空はおぼろに霞み
「春だね」とつぶやくと
「春ね」と君が応える
潮風が弧を描いてゆく
君の長い髪がゆらめ ....