何億の
ひとたちの中心軸で
生産される架空のベッド
おやすみなさい
武装を剥ぎとってねむる子供たちを
今夜は守って、
あすには明け渡す
対岸にだれも待たない橋を
壊れやすいのでひとりで ....
かえり道
ひる間の道路で
失神した
ことばを
ていねいに
編みすぎて
くちは
どこかに
縫い込まれてしまった
おい、猫
わたしたちは
やさしさが
足りなかったな
....
ミスったっていいじゃん
アイラブマクドナルド
君のゆめには
カロリーが足りない
点滅信号のループ
タイトルの長い歌を
ひくい音量で流してた
どのガードレールに
ぶつかればよ ....
地球について
しんとした時間のなかで
僕らが一秒でも考えてあげることができたら
六十八億秒の祈りが生まれるよ
気持ちを吐き出してしまいそうになるくらい
好きなひとに出会えたのもこの星だし ....
やめてください!
写メ撮るのやめてください!
ネットにアップなんかされたら、家族や友人に見られるかもしれんやろ。
めっちゃ恥ずかしわ。
ブログにアップとか 絶対やめてください って ....
フレデリカ、日々は
青い円筒のかたちをしている
耳栓をきつくしめて
きみのための水泳をつづける
硬質なつめたい水面にはじかれるのはよわいこころだ、よわいこころだときみが ....
ワールズエンド
ミニチュアみたいなおうちで
かくばった窓
ふぞろいの靴
あつぬりの白でしあわせの膜をはって
めざめたばかりの女の子は
チェックのスカートに
ちりばめられた星屑 ....
風が吹いている
青く灰色のピンクの影のなか
夕暮れの香りが運ばれている
いちにちは
誰にかやさしい終わりを告げる
よるに棲息する
わたしは無生物になるでしょう
....
見通しのいい場所で
感じないのは何故だろう
グッバイガール
細い月はハイヒール
運命はやはり
あると思うんだ
遠く遥かなものに
励まされてきた
君は近くのものに
励まされ ....
15歳になりたいゆびさきがおいかける
はやく、はやく、
流れだしたわたしの白さをつかまえてよ
すがりついた手の中に
しがらみだけが溜まって
あいしてると言えない
瞳を、
腕を、
唇 ....
パーティーは終わらない、軋んだ花で飾られた戦車に、飛び乗るなら、凍るような白い朝にしよう、クラッカーを買ってこよう、庭を壊そう、一緒に歌ってみようよ、晴れ渡った北半球の芝生に、横たわろう、星型 ....
わからなくなってしまった
デリートキーを連打すれば全てやり直せるのだと思っていた
赤い口紅を纏ったくちびるが「ショウジョヲソツギョウセヨ」と言ったのは九日前の事で
わたしはそれが日本語なのか英語 ....
雨音に見張られて
夢に溶けることも
ままならなかった夜も
いつの間にか明けて
乳白色に霞んだ
意識の繋ぎ目に
濃い目のコーヒーを
注意深く注ぎ込んだ
雨の残り香のする
雨戸を ....
演劇部の先輩のふくらはぎに
さくり、と突きたつ
矢文になりたい
長閑な朝の通学路に
あらっ?と気づかれて
さらさらほどかれたい
演目は
「草原とピアノと少女と」
そんなガラス球 ....
となりの人が一歩踏み出す。
チュッパチャップスを舐めながら自転車並列で猥談するジャージ姿の男子中学生は信号を見ないし当然のように歩道に転がる真っ赤な苺にも気付かない。
明日が月曜日であるこ ....
授業中
屋上でトランジスタラジオ聴いてた誰かは
出張先で
セックスフレンドと寝てる
隠し事がでっかくなっちまう
考えることがまたひとつ増える
Re:なにかあったの
というサブジェクト ....
この星系のどこか
色でけずったメタンガスにちかいどこか
バスの墓場がある
何億台もかさなりあって絶命している
すすけた錫がキーンと光っている
純粋だと主張する天頂方向に
....
春は夜ひびく
雨だろうと
風だろうと
ひとりで歩こうと
乳房は湿っている
夜のひかりが縞をつくる
泳いでいる
探している
いくとせがたち
....
まいにちが
わかりやすいしあわせに
みちた日々であれば
ぼくらはそれを
しあわせと呼ぶのだろうか
春のかおりが
夜にひびいている
ぼくらは
さびしく ....
{引用=すき なんていう気持ちは
実にあいまいで
海みたいに 波打っている
時折凪ぐこともあるけれど
大波が押し寄せることもある
、津波も
誰かに言われて気づいた、
満月が昇 ....
日比谷線のホームに
きみと立つのは初めて
一人で会いにきたよって言って
褒めて欲しかったんだよ
大好きだから名前を呼ばない
そんないじわるだって流して欲しかったんだよ
流線型の街が私と ....
{引用=きみが魔法使いではないように
ぼくはたぶん、星にはなれない。
でも、かなえたい夢はある。
きみとユートピア、
ぼくとユーフォリア、
これはいつかの、
....
「 いってきます 」
顔を覆う白い布を手に取り
もう瞳を開くことのない
祖母のきれいな顔に
一言を告げてから
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く
散歩日和の道を歩く
....
淡灰色の木綿
胸元に縫われた
鉤針編みの
ほんの些細な花を
両肘の下で袖をとめる
小さなボタンを
白いタイツを履いた
二つのひざに触る
生成色のピコレースを
顎の下か ....
非常階段で待ち合わせ
そんな滑稽さでもって
世界から逃げている
きみとわたし
日中の駐車場で
眩しいくらいに飛ばされた
二人の立体感が
遠い
ふれている間だけ
呼吸するのを諦 ....
いつのことだったか
夜になると冷え込んでくるような
少しさびしい季節の
もっとさびしい時間
黒いドレスを着こんで
雛鳥のように歩いていた
白い脚のふくよかな
可愛らしいお人形さんに
軽 ....
「いい天気だね」は 愛してると同じ意味
あなただけが分かればいい
あなた ひとりにだけ 伝えられればいい
あなた以外には知られたくない気持ち
沈みゆく夕陽が
たくさんの情報を引き出して
....
なんとなく蹴散らして
空に降る雨
きみはいっつもそう、
うそが上手だね
たくさんの星を抱えて
走るよ
ぼくはこの冬空の下
走るよ
なくさないために
白い息を吐いて
消え ....
さよならの内側を
ぼくらは歩き続けて
いつか
ため息が色を失う頃
ぼくらは手を振るのだろう
ねえ
そんな遠くを見ないでよ
空、見上げてごらんよ
今日も群青だ
....
雑踏ならば天使みたいな昼間のキミのキス
は磁石みたいでこわい
最悪感でひろがるのに
何度もやめたくなくてくりかえす
後ろの座席で友達がねてるのに
寝てないフリをしている
たぶん
たぶ ....
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