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地球について
しんとした時間のなかで
僕らが一秒でも考えてあげることができたら
六十八億秒の祈りが生まれるよ
気持ちを吐き出してしまいそうになるくらい
好きなひとに出会えたのもこの星だし ....
風が吹いている
青く灰色のピンクの影のなか
夕暮れの香りが運ばれている
いちにちは
誰にかやさしい終わりを告げる
よるに棲息する
わたしは無生物になるでしょう
....
授業中
屋上でトランジスタラジオ聴いてた誰かは
出張先で
セックスフレンドと寝てる
隠し事がでっかくなっちまう
考えることがまたひとつ増える
Re:なにかあったの
というサブジェクト ....
春は夜ひびく
雨だろうと
風だろうと
ひとりで歩こうと
乳房は湿っている
夜のひかりが縞をつくる
泳いでいる
探している
いくとせがたち
....
まいにちが
わかりやすいしあわせに
みちた日々であれば
ぼくらはそれを
しあわせと呼ぶのだろうか
春のかおりが
夜にひびいている
ぼくらは
さびしく ....
ことしは山下達郎より
ジョン・レノンがよくかかっている
ジョンのほうが達郎より
世界観や祈りがあふれている
苦しいときこそ
そばにいるひとを感じていたい
この気持ち ....
チャイムが鳴って
ひとの数だけゾロゾロと
若いからぼくらは
気付かないふりをして考えこんでいる
湿った日常が
青いアトモスフィア
目にかかるフィルタ
線形 ....
そうだ、中三のとき
愛について、いつも考えていた
こころの灯、なんて題名つけて
愛について、ノートまでつけていた
母が死んで整理していたら
耕太郎関係、って書いた段ボール ....
五月の夜の街道は
緑の風の香りする
きのう遅くにつけた香水
藍の影絵に、
刹那な、微小な
罪びとまえの姿形
五月の夜の街道は
緑の風の香りする
....
ぼくを好きでいることをやめた
きみを許す
旅びとだから
きみを許す
たましいは一人でしか抱けない
ぼくを許す
旅びとだから
ぼくを許す
唇できみのからだ ....
夜風がゆるく吹いていた
さくらが銀河のようだった
カップルが一組
川向こうのベンチに座っていた
僕たちはすこし道に迷ったようだ
たまに肘があたる
あてどない人生が
....
海からの放射線を
ぼくらはまるで海だと感じている
そのアリアは音楽の極北だ
無限とは広がる変数のことだ
この星に浮かぶすべての重力
海のうえには空しかなかった
....
やけどしな
春あわだつ
白いひかり
営めば営み
腐るものも
育むものも
営めば営み
白いひかり
....
この坂道をくだるといつも、だっくだっくと体がバラバラになりそうになるのを骨だけが繋ぎとめているような気がして、吉梨三郎は不快なリズムを味わうのだった。
それならバスを使えばいいのだが、三郎はそう ....
30年前かこんな季節
そんときしていた頭痛
なぜだか急に思い出す
あれからあんな地球から
こんな地球に来たけれど
冬の日の午前
ちょうどそのくらいの影や音
たいせつなことを
たしかめるための明るさは
冬の日の午前
ちょうどそのくらいの影や音
革靴をひやす
ふとい雨よ
正月をすぎてふる雨よ
冬よ、
抱きしめなくても、
おまえは、
革靴をひやす
ふとい雨よ
正月をすぎてふる雨よ
宇宙の闇
青く輝く地球
今年が終わろうとしている
そいつが一体どうしたと言うのか
うちじゃあ
まだ寝ない子供たちが
騒いでいる
宇宙の闇
青く輝 ....
それにしても
ふたしかな青い空の朝だった
嘘ばかりオレにつかれている
カノジョと朝からいるのだった
正確にはきのうの夕方から
十年まえ滞在したアルゼンチン
サッカースタジアムまえの広場
....
新幹線で夜を抜ける
街の明かりはゆっくりと
夜は星のようなところだ
見落としてもいいよ
きみにおかまいなし
生活がそこにはある
新幹線で夜を抜ける
街 ....
引力について
月と地球
地球と太陽
おなじちからで
引き合っているとする
結果としてそういうことにする
気まぐれで
出会い、別れて、
連絡とりあって ....
きみに電話してしまう
きみからの着信がしばらく続く
アドレスは変えてしまったから
ショートメールをいくつか交わす
十一月の空に罪はない
おたがいディスプレイのむこうに ....
弱さを見つめさせて下さい
電車の音に
今夜ぼくは轢かれています
真面目な夜
氷山の一角のようなんです
見えてるものは
見えないものの一部です
見えないもの ....
永遠に
きみの唇は光って
そこにいる
恋をしている
ぼくは親切になる
首をまっすぐに
遠いしたを見つめて
肩も足も
ひとりじゃ動かない
に ....
日曜の朝はふしぎです
朝のかたまりを感じます
昼には暮れる
朝のかたまり
生きていること以外
自由にあふれたかたまりです
駅からの人の群れ
なにかの試験 ....
車を降りる
星が散ってる
金木犀薫る
きみの笑い声って
三年後の秋にも
届いてきてるんだ
車を降りる
星が散ってる
金木犀薫る
長所と短所
うらおもて
さびしくなろうよ
九月の雨は
人に優しく
おまかせしようよ
藍のいろ
煙っている
アスファルト
ただの夜のいろ
....
日曜の朝
ひとの少ない駅のまわり
秋の日だ
きょうの最高気温は34度らしい
でもやっぱり
きょうはもう秋の日であるらしい
日曜の朝
ひとの少ない駅のま ....
夕方の終わりを見つめる
夜とはひとつの物質だ
夜とはたぶん雲のようなものだ
幼い頃を
洞窟のようなところから
覗いている
影
影とは雲のことだ
傍観 ....
きみもいま
地球の重力のなかにいる
月を見てる
おなじ引力のなかにいる
もう二度と
積極的には会わないひと
さいごの約束を
ふたりで破ったのは
何年 ....
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