蒸し暑い朝
目が覚めた
何もする気が起きなくて
ぐうたらぐうたらしているうちに
ちくたくちくたくと時計は進み
お腹が減ったなあと
冷蔵庫を開けても
何もなくて
ばたんと閉める
カ ....
おちつく
羊水のなか
ぼくは息を忘れて
ひとり
つめたいなみだも
あついあせも
あめのなか走ったことも
だれにもさとられない
だれもはいることのできない
ぼくだけのばしょ
....
蝉が鳴けば
朝からせつない
ドキドキして
何年かまえがせつない
大人のくせして
子供だった俺たち
よく別れられたよなあ
蝉が鳴けば
朝からせつな ....
あさ
ゆうやけ色のやさいたちを
こわしてゆくときに
ふと香る 昨夜の
ねむりにおちてゆく、
やわらかい
眩暈
きょうはいつも きのうの続きだから
きのうの夜も
まくらにほ ....
低く垂れ込めた
嵐の雲のなかへ
灰緑色の階段が続き
海は大きなちからに
踏みしめられるように
しろく崩れながら
膨らんでは混じり合い海岸線を削ってゆく
風はいっそう強くなり
雨と潮 ....
無邪気な夏を疑いもしなかった僕らは
教室にひしめいて
このなかから将来
プログラマになるやつが
出てくることも知らず
なにかを求めて
なにかを積み上げ
なにかをこねまわし
なにかを ....
きみの心臓をすこしわけて
羽根が生えたんだ
ぼくにもさ
空はあおくて
きみに出会えないカイトが
泳ぐ
捨てるべきものをぼくらは失くしたんだ
血がでたんだ
赤い血がでてい ....
さよならは、さびしいことだ。
だけど、かなしいことじゃない。
お別れは、さびしいことだ。
だけど、かなしいことじゃない。
かなしいことなんかじゃないから、
ぼくは上を向いて、空を見るので ....
おまえがまっすぐまえをむく
なみだこらえてつよいかおをしている
わかれのくるまのなかでおまえはないた
おれもはじめて
おまえにきづかいもせずにないた
さいごのひ
さ ....
つまさきを
ぼくのよわみにつけこんで
かなしそうにわらうの
きみは
あいをしっているんだろう
それなのに
ないしょってくちをふさぐ
ぼくは
あいしているよとうそをつく
きみは
....
世界の終わりを見ていたかった
がたりと崩れるその音を
僕は見ていたかった
かなしみが舞う様を
希望に見えた気がしたんだ
おりのそとには あおいもりだわ
はだしであるく みずごけのうえ
うでよりほそい おがわがあって
あたまくらいの うえきもあったよ
むせるほどの きいろいひかりに
ふらつく ....
わたしはじかんのはてから
ながれをぎゃくにたどって
ここまできました
あなたにかかわり
せかいのみらいをかえるため
べたつく夜の
触れたくない君の
肌に透き通る
3つめの目を見た
けだるい夜の
触れられたくない僕の
心をすり抜ける
君の吐息を聞いた
壊れそうな僕たちの
指先に伝わる体温の
....
雨がふる
傘をさす
そうすることによって
かなしみは埋もれる
コンクリートににじむ
蒼くなる影
雨粒を食べる
奇快な虫たち
かすみゆく視界
君に会っても
気づかないだろう
....
バカにすんなって、空に思わず毒づいたよ
昨日あいつに「顔も見たくない」
なんて言われてさ
酒かっくらって気付いたら朝で
カーテン開けたらさ、どピーカンでさ
あまりに眩しく ....
はなの
ゆびきりまで
ひとさじ
みつのように
あびているあめや
ひかり
よるのやみ
かぜ
たおりにくる
ゆびさき
くちなし
花の粉
白の香り
さよなら
六月の太い風
さよなら
六月の深い闇
くちなし
花の粉
白の香り
それはしずかな夜だった
雲が姿かたち変える
星がぱちくりとまたたく
君はきっと見ていない
どうして宇宙が透けて見えるの
夜はふしぎだ
魔力があるにちがいない
うっそうとした森によ ....
書庫の扉を開ける
水の中になってる
たぶん海なのだと思う
昨日まで資料や本の類だったものが
魚みたいに泳ぎ回っている
手を伸ばして一冊つかまえる
ページを開くようにお腹を指で裂くと
文字 ....
一番星が輝く空の下に
君のおっぱいがちょっとだけあったりして
あの日あの時の君のおっぱいが
風にゆれるカーテンみたいに
揺れたりしない事は君自身が一番わかってる筈だ
だけど可愛いそのおっ ....
ふだん
ねむっているひとに
いきなりの乗馬は
たぶん
きびしいから
南瓜に
窓を
そのままいのちのような
生ぬるい 風はまだ
うすまった春を連れていて
や ....
ヘンリー 私の膝の上でお眠り
窓辺に当たる雨の音を聞きながら
時々は 可愛い耳をぴくんとさせて
解った振りをしてくれれば いい
ひとり言を 話すから
....
おんなの子が 銃を
ぶっ ぱなしているけれど
おとこの子の 詩のほうが
弾丸よりも はやく
相手に 届いている
関連作品→http://po-m.com/forum/showdoc. ....
陽がのぼることをよろこぶ彼女は
しろい色したどうぶつだ
泣き顔がうつくしいと言ったのは
まぎれもない事実だよ
うまれた瞬間そう感じたんだ
ほしがうまれてしんでゆく
ぼくが手をつなげない ....
それはいつまで経っても明日にならない
俺は始まりからずっと遠くてもっとぶ厚くて
お前の衰弱しきった太陽が忘れられない
明ける夜に挿された首のひやっとした
どの空も拒んで傾いた
それは動く ....
雨が降ると
花は喜ぶのだろう
ごはんだね、ごはんだよ
日向がはじまると
猫は喜ぶのだろう
暖かいね、暖かいよ
空が広いと
鳥は喜ぶのだろう
気持ち良いね、気持ち良いよ
水 ....
きんいろ
きんいろ
窓から顔を
つきだして
きんいろ
きんいろ
風にさらわれる
魂
アクセルと
こころはおんなじ
あのみどりまで
ふみこんで
あ、海
五月の海
....
夕暮れの始まりには
電車も家に帰り着いているよ
そう、ぜんぶ
雨戸がひとつ閉まるたびに
天国ではピアノがひとつ鳴る
そう、どれも
だれも、おたがいのこと
なん ....
砂浜のちいさなたそがれに汐風をうけて
ふとった子蜘蛛が舞い降り詩集の端の水をのむ
大気中のかなしみも八つにきざみ鋏角にはこび
せんべいのように噛みくだかれたこころ
わたしはお前に咀嚼されな ....
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