空の上で
少女たちが
花をちぎっています
あなたが窓辺で
ぼんやりと
見つめている雪が
それです
春になれば
空の上で
花は咲きません
すき、きらい、すき、が、
言えなく ....
ポットの注ぎ口から
授乳温度の液体ネコを流出させて
膝の上に置く
ネコは不定形
とろーり とろーり
湯気を立てて
うたた寝をしている
ネコの脳波はカップの上で波紋を立てて
き ....
もう疲れたよ
何もかも終わりにしよう
棄てるものなんて何もないから
このまま電車に飛び乗って
きれいな海の町へ行こう
そして海辺に座り込んで
暗くなるまで
波の音の中で眠ろう
....
通り過ぎていくひとの目に
僕はどう映るのだろう
足取りは重い
でも
いつも精一杯やっている
ラーメン屋の社訓に
「正しい努力を」とあった
なるほどなぁ
俺は甘 ....
吹けば飛ぶような僕の存在
芯などありません。
種などありません。
剥いて剥いても皮ばかり
実すらありません。
聴いてる音楽で思想が揺れるような
そんないい加減さが売りです。
吹け ....
プラットホーム
薄青く透けた空白へ
真っ直ぐに冴え立つ
色の無い脊椎の林の
プラットホーム
始まる
冬の朝の微細な輪郭線は
薄荷のことなど忘れた振りをしよ ....
別に、慌ただしい人生を過ごして来た訳じゃないけれど。
今、ゆっくりとした時間がもどかしくも愛おしい。
そして、不安で満ち溢れてる。
いつまでも続くとは思わないが、もどかしいこの曖昧さ ....
慌ただしくベランダに飛び出した
早朝、
小鳥の首を絞めてやりたい
なんせ眠れていないんだから
爽やかな祝日に寝込みを襲われた気分
何処で誰かが交わしている会話
何処で誰かが交わしている ....
もはや抱き枕と化した
その暖かな身体を
今一度確かめるべく君を喚ぶ
嗚呼あの夜もそうだった
無性に鍋を喰いたくなり
君を喚んだんだ
僕は独りで眠れない
とりわけこんなに寒い夜は僕 ....
日曜の午前九時
小さな風と太陽の光
ホームには数人の待ち人
レールの先はどこへ
夢だったならば全て捨てて
一時間の空白
潰し方が見つからない
それでも待つと決めた
待ち時間と過ごす ....
電波が入らない
電波が入らない
依存していることに今更気づいた
電波が入らない
隔絶された世界で
孤独を感じる
空は吹き抜ける秋晴れだけど
吹き抜ける風の寒さ ....
詩なんてなあ言葉でしかない
僕らは嘘つきだ
{引用=寂しかろうと悲しかろうと
かわいそうだなんて
思ってやるものか}
あなたが感じた
その美しさを
僕の手のひらで触れることが出来るのなら
あなたが感じた
その痛みを
僕の右足で蹴ることが出来るのなら
あなたが感じた
その優しさを
僕の頬がさ ....
私は電気椅子に座って
頭をケーブルで繋がれ
闇の世界を支配している
一つの生贄は
民衆の意思によって
何時でも処刑する事ができる
暗闇の中
力なく項垂れた女の
十メートル後ろをつい ....
弦の錆びたかわいいギターは
今も部屋の隅で無抗力なまま
あたしの声は小さく
でも幾分か端正に響く
少し、寒さを思い出させるあの感覚
甘ったるいホットチョコレートは
少しずつ温度を失っていく ....
君の死が、愛しいモノであるように
僕の生は汚されず、君の孤高にふさわしく
世界の、世界のほんの片隅で
小声でささやく歌のよな
スラムの路地で、汚れた子供が歌うよな
限りあ ....
なぜ君ら
かかわって来るんだ
少し黙れよ
雨の日に
濡れる右肩
君に見とれる
必要ないんなら
教えてくれない
やめるから
青春時代の青臭い
どうにもやりきれ ....
目を閉じれば、朝が来ないかも知れない。
明日、が、無くなってるかも知れない。
俺、が、亡くなってるかも知れない。
世界、が、失くなってるかも知れない。
次の幕開けを待つ、暗闇の ....
溶け出した日々の力は
透明な糸巻きに絡め取られ
季節の風景を作る
色の音は季節ごとに変わり
風を数えながら進む
雨から身を守る道具としては
七割の完成度
軽く三割は濡れてしまうもの
完璧でない
アン・バランス
正に
人が持つべき
人の為の
人に似た
道具ね
スポイトで吸った液をガラスに乗せ、顕微鏡で覗いた神秘の世界。
銀河の始まりもこんなに小さなものだったのだろうか。
サボテンの刺、蜘蛛の脚。命は先端にまで満ちていて。
髪の毛の先や爪の先まで ....
真夜中の空
唸りをあげ
何かを言っている
僕はそれを聞こうとするが
何も解からない
誰か教えて…
この空から聞こえる
この唄を…
地球はきっと広くなってる
私たちの10倍も20倍もあるような
大きなトカゲの王様が
100も200もうろちょろしてた
そんな昔に比べれば
だというのに
どうしてだろう
こんなに広い星 ....
Quartz
震えて
終わりと
始まりのないものを
区切っていく
切り刻んで
数をあてる
なにものとも
名づけられない筈の
私より薄くて
鉄も
昼夜をも含 ....
私達は
狭い空の鷹
傍若無人に翼を広げ
疎む声は聴こえない
私達は
晴れた日の雷
平穏無事を突然壊し
嘆く声は聴こえない
私達は
樹林の中の焔
湖の厚い雲影
白い壁の ....
僕は戦っている。本当だ。
誰よりも耳を澄まして、何よりも早くみんなの敵を打ちのめす。稚拙さなどつゆ知らず、雨の中、一人でいつも叫んでるんだ。
いっつもなぜか一人なんだ。
でもそれはみ ....
涙が川をつたって、海へと。
塩辛いならいつも誰かが泣いている。
想像しよう。世界の事を考えよう。無力な僕ら
灰色の空の下に、白い雲が現れた。
どんよりとした灰色の中に、
さわやかな白の色。
そのまま空を白に塗り替えて、
気持ちのいい青空つれてこい。
そう思ってみたけれど、多勢に無勢。
し ....
少年は
蒼に包まれて
抵抗せずに
溶けてゆく
いつのまにか
空の彩りの中を
およいでいた
どこまでも、
上昇気流にのって
からまりながら
何も言わずに
空を、
....
雨雲が忙しなく押し寄せて
射し 歪む 光の空
ケイコウトウの如く怪しげな
雷の前兆
家々が粗雑に窓を閉め
その響きに面をあげた
私以外の全てが
ヒューヒューと流れる
一 ....
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