耳の中に何か忘れ物をした気がして
振り返ってみるけれど
耳の中に帰る道を忘れてしまった
どうにかしようと耳を澄ましても
聞きたくない音や言葉ばかり聞こえてしまう
まもなく桜がきれいに咲き始め ....
折りたたまれてゆく季節は
いつか振り返れば
一瞬なのかもしれない
湧きいずる水におされて
いま
雲母のいちまいが
なめらかに遠ざかる


使いきれなかったノートの白さ
描ききれなか ....
干乾びた小動物の
骨を拾って土に埋めた
湿った赤土の上を
ゴム製の靴底で踏みしめたから
今度生まれてくる時は
強い動物になるのだと思い込んで
きつく きつく 手を合わす
仕来たりなど ....
指一本動かないほど疲れきって眠りに落ちる時に
おっぱいのことを考えているのは誰だ

泥のように眠りながら夢の中でも
おっぱいのことを考えているのは誰だ

朝起きてなによりもまず最初に
お ....
ポエムみたいな花畑で
ちいさな子どもたちが
でたらめな歌を歌いながら
シロツメクサで花輪を編んでいる


リアルとは血が流れることに非ず


地雷の敷き詰められた地面に
ハチミツの ....
喉が渇いたので 
駅のホームのキオスクで買った 
「苺ミルク」の蓋にストローを差し 
口に{ルビ銜=くわ}えて吸っていると 

隣に座る 
野球帽にジャージ姿のおじさんが 
じぃ〜っとこ ....
二日遅れのホワイトデーの
白いリボンを髪にのせて
ふわりと回ってみせる君は
大きくなったら
メイドになりたい
という

人様に奉仕したいとは
見あげた心がけだ

解釈は準備してお ....
夜を急かすように
遠く点滅を続ける塔の先端の赤にも
この街の川は知らん顔で今夜も
静かに月を映している

僕は少し落ち着かず
ひとつの夢を見ることが出来ない

僕はしゃがみ足元の
惑 ....
音楽室の
Yちゃんの真新しい椅子の後ろに
Yちゃんの埃を被った椅子
その後ろに
Yちゃんの足が折れた椅子
その後ろに
ばらばらになった
Yちゃんの椅子
その向こうは
床が崩れて
そ ....
ずいぶん遠くまで歩いて
きみのクツはまるで
最初と違うカタチのようにみえる

たくさん土の上を転がって
きみの服はすっかり
元の色を失ったようにみえる

何度も傘が破れて  ....
教えてほしい 
あの空の青みの 
ほんの隙間の翳りの中に 
何を見いだし詠うというのか 

たおやかに流れる川の
水底に沈む
ひとかけらの悪意を
掬って頬張った 
その後の嗚 ....
このはれた
けれどもとてもさむいひに
うみにあらわれたはまべで
きみというこどもは
いたずらをくりかえす

うみねこたちがなきながら
きみのいたずらをみている



きみがした ....
アスファルトの上に落ちていた
虫の亡骸を
土の上へと
いつかその身を
風にゆらす花へと
帰すまで
この身のゆらぎを
諦めに似た憂うつで
{ルビ現=うつつ}にゆらします

回転する
 ....
「ここから飛び降りるって言ったらどうする?」
「やれやれ。気まぐれなお姫さまだ」
「なによ、その棒読みのセリフは」
「感情がこもっていないんだよ」
「あのねー」
 
 
 屋上、 ....
すぐにテレビ番組の真似をしていた僕らには
ほんとに魔法が使えたのだろうさ
まさみちゃんは七色のクロトンの枝を折って
くるり くるり と回して
スペシウム光線をかわし
ついでに みんな ....
明楽さんのおすすめリスト(225)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
耳の中に- たもつ自由詩1807-3-29
青いピースサイン- 佐野権太自由詩34*07-3-29
ひと夏- 千月 話 ...自由詩20*07-3-28
おっぱい- 大覚アキ ...自由詩507-3-28
ハチミツとクローバー- 大覚アキ ...自由詩407-3-27
車内の隣人- 服部 剛自由詩33*07-3-25
お父さんスイッチ- 佐野権太自由詩53+*07-3-23
三月- 松本 涼自由詩707-3-11
Yちゃんが道を渡ろうとしている- 片野晃司自由詩2707-1-27
ひたむき- 松本 涼自由詩13*06-11-19
九月- 落合朱美自由詩2506-8-27
このはれた_さむいひに- 岡部淳太 ...自由詩13*06-1-10
仰ぐ亡骸- こしごえ自由詩8*05-10-9
やきそばパンはいかにしてなくなり、夏はどのように始まったか- Monk自由詩29*05-8-31
夕焼けのコメットさん- AB(な ...自由詩5*04-2-16

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