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国道の上で
灰白色の雲たちが
渋滞している
その下で
私の行先はどこにも
決められてはいない
恐らくそれは
初めから
私はひととき
歩みを止め
道の脇でそれぞれ ....
渇いた瞼に浮かび上がる人影
昇り損ねた月が沈む辺りで
ひと滴の涙も見当たらない
ノックの響かない扉の向こう
風の通らない廊下で
お皿に並べた低音のハミング
半透明が重なる花 ....
水の中に両手を
そっと差し入れ
泳ぐ魚の影を
そのくねりを
掬ってみたいと
思うのです
光と私はいつでも
とても遠い場所で
落ち合うけれど
必ずまた会えることを
知っています
....
ぼくがいなくなっても
さみしくないように
きみのまくらもとに
ちいさなかみさまを
おいておくよ
あるばんにだれにも
はなせないことがあったら
ちいさなこえで
ちいさなかみさ ....
無数の生き物たちがざわめいている
走りながら{ルビ靡=なび}きながら留まりながら
かつてを振り返ることも無く
いつかを探ることも無く
連続する慌ただしい揺らぎの上に立ち
私は{ルビ空 ....
夜を急かすように
遠く点滅を続ける塔の先端の赤にも
この街の川は知らん顔で今夜も
静かに月を映している
僕は少し落ち着かず
ひとつの夢を見ることが出来ない
僕はしゃがみ足元の
惑 ....
ずいぶん遠くまで歩いて
きみのクツはまるで
最初と違うカタチのようにみえる
たくさん土の上を転がって
きみの服はすっかり
元の色を失ったようにみえる
何度も傘が破れて ....