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博士。あなたがあちらに行って何年になるのでしょう、
数えてもしかたないけれど。

あれから、人間は全く進歩しておりませんが、
技術は立派に進歩しております。
治るようになった病がたくさんあり ....
初夏の日に映える
あの黒い羽根は
あなたにいつか送るつもりの
今はないしょの手紙

内容はまだ明かせませんが
なにしろ黒いのです
ところどころに紅さしてはいるけど
腹まで真っ黒けなので ....
そういえば最近見てないと気づくと
逢いたくてたまらなくなる
相手が人間なら電話できるが
これが実は虫の話で

面妖な臭いを発散する
コナダニつきの標本ならば
僕の抽出にあるけれど
これ ....
春たけなわの
野菜畑のかたすみ
耕すのに疲れて
うんとこしょと腰をおろすと

小さなスプリングが
ぴんっ
と跳ねて
黒い長靴の上に乗る

その乾いた土色の菱形は
まるで泥汚れみた ....
火星の人類学者は、毎日毎日「お断り」ばかり繰り返している。「珈琲に砂糖は?」「いりません、ブラックです」「クリームは?」「いりません、ブラックだと言ったでしょ」というたぐいの「お断り」だ。甘いのが嫌い .... 天国の緯度経度は
ラファティのじいさんが教えてくれた
地獄がもうないってこと
神も悪魔も死んだってこと
でも天国はこの世にあるのだってこと
ラファティのじいさんが教えてくれた

ラファテ ....
悲劇的な物語にしてしまったら
たやすく感情移入してもらえるだろうか

たとえば私の恋人は
そのむかし精神を病み錯乱したあげく入院して
退院したとたん自殺してしまったと

でももうそれはむ ....
蜜柑の里の海辺の丘で
まるで童謡の一節みたいに
蜜柑の里の海辺の丘で
太平洋に浮かぶ船をみている

船は遠くて
たぶん大きいのだろうけど
ちいさくみえる
たぶん動いているのだろうけど
 ....
気がつくと
捨てようとした広告紙の裏一面に
ひとつの名前を繰り返し書いていたりして
それがまた
自分でもびっくりするくらい意外な名前で
戸惑うというより不思議な気分になってしまって
驚愕と ....
低い山である。
釣客でにぎわう人造池と、
桜の並木が名物だが、
冬の夜明けには誰もいない。

狸しか通らないような、
細くて険しいけものみちが、
雑木のあいだを縫っている、  ....
{引用=以下の文章は2001年春に書いたものに訂正加筆したものです。}
 ふっと思いついて、『新潮世界文学辞典』で「フェミニズム批評」を引いてみた。1990年版だからわるいのかもしれないが、そういう ....
真面目にも不良にもなれなかったよ

受験受験!天井の染み私の影

曇り空どこから飛び降りてやろうか

一人酒人に言うほど飲みもせず

初デート付けてははずすイヤリング

{引用=
 ....
変わった面構えだ。
へんてこりんなその顔は
エンマコオロギを見慣れた目には
ほとんど奇形に見えるくらい。

ミツカドとはいうけれど
確かに三角といえば三角だけど
角張った顔は
ミツカド ....
一杯の珈琲から恋が生まれることがあるなら
それが一杯の中将湯であったってかまわないに違いない
もちろん玄米茶でも胃カメラでもゾウリムシでも
かまわない筈なのだがなぜか恋の原因となるのは珈琲であり ....
「カテゴリについて」における「文句こくな耐えろ」という私の言葉が暴言と言える理由は、それがただひとつの基準で対象すべてをぶったぎっているからである。あんな暴言がいいもの正しいものであると、私はおもっち .... 今、NHK教育で「ハイスクール・ウルフ」を観ながらこいつを書いている。なんであれほどのアホ・ドラマをNHK教育でやるのだろーと前は疑問に思ったこともあったが、今はわかるよーな気がするぞ。あれは、(非常 .... はだくると風がきけえま
かみんくる海になせてま
へめろほな丘にゆめめら
あろめてら嘘がはてらま

きら片靴を
てけれくらしま

はろさるい夏はきらとま
[まめ]

こまめにつかめ
たかめをつかめ

まめにかめかめ
わかめにごまめ



[ひめぎみのかぞえうた]

いちのひめぎみ いばらひめ
にいのひめぎみ にんぎょひめ
さ ....
父はつまらぬ魚屋でございましたが、係累は多うございました。
たいそう古くから魚屋を営んでいたと申します。
けれども嫁はどこの馬の骨ともつかぬと祖母は母を貶めました。
わたしは母の係累をひとりも存 ....
最初の舞台は私の家の玄関先
(もう三十年も前に植えたという)
ダイダイの木の濃緑の葉に
まんまるな卵が産み付けられたのは
風薫る五月の午後

 うるる。るる。うるる。
 あったかい。
 ....
きょうは朝から春の雨

森の仕事もできないし
畑の仕事もできないし
海草拾いもできないから
カイとふたりで赤いカサさして
てくてく出かける
ききみみ図書館

司書のおじいさんは
て ....
海はすっかり赤ワインで
空はすっかり酔っているのに
うみろばはまだやってこない

ところで
したり顔でカイが言うには
うみろばの役目は
海馬のはんたいなんだって
海馬ってなんだか知らな ....
[さ]


さあ差し向かいで
鯖煮
里芋
さよりの刺身
薩摩焼酎
差しつ差されつ

さわさわさざめき
早苗さみどり


さかなではさかしら
さかねじはさかうらみ
さしず ....
[バリケードのこっち側]


その前日
あたしは工場で残業した
まんまるいちんち段ボールの箱と格闘して
それでもまだ働けとベルが鳴った

自転車をこいで家に帰ると
戦いは明日だと言う ....
[か]


彼女は語る
空笑いを髪に飾って
かりそめに交わすカタルシスを
からみあうカドリールを
軽やかなカデンツァを
金切り声で語る語る

彼は彼で
寡黙な肩で風切って
 ....
[あ]


憐れみを集めても
飽きられあしらわれ
愛されない

諦めはあたしに合わない

綾織りの雨を浴びて
あてなく歩こう

嵐のあと
あげひばりは
明るくあらがい
 ....
星ふたつ、よっつ、
あるいは星がひとつもなくて、
真っ赤、真っ黒、真っ黄色。
みんな、ナミテントウ。

落ち葉の下に集まって
身を寄せあって。
風、さむいね。
さむいから、みんなでいよ ....
もしかしたら私は
口にしていいのかも
俯瞰したようだ
街並みである
硝子だった
観葉植物である
イキモノかもしれない
混ぜてある
というのは嘘で
風はある
風だけはある
ほかはみ ....
窓辺にトックリバチが巣をつくった。
なめらかな曲線を持っていて、
微妙な色彩のだんだらで、
それは見事な造型だった。

だから毎日眺めていたのだけれど、
いつしか忘れてしまった。
役立つ ....
そういや私が最初に「たもつ」なる名前に目をしたのは、考えてみたら「醤油」を読んだときではなかった。

某PJでレビュウに値する詩を探していた私は、幼いが鋭い何かを感じさせる短い詩「さめ」に注目した ....
たもつさんの佐々宝砂さんおすすめリスト(104)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
真冬に百合、白ければいいのに。- 佐々宝砂自由詩5*04-1-24
クロアゲハ(百蟲譜17)- 佐々宝砂自由詩4*04-1-21
モンキチョウ(百蟲譜16)- 佐々宝砂自由詩204-1-21
ヒシバッタ(百蟲譜15)- 佐々宝砂自由詩1*04-1-19
ネリリしたりハララしたり- 佐々宝砂散文(批評 ...404-1-16
天国への道順- 佐々宝砂自由詩2*04-1-10
水音の向こう側- 佐々宝砂自由詩204-1-10
まだ生きてるひとへの恋文- 佐々宝砂自由詩404-1-6
- 佐々宝砂自由詩504-1-3
金鶏の声- 佐々宝砂自由詩203-12-31
雑感&書評『テクスチュアル・ハラスメント』- 佐々宝砂散文(批評 ...10*03-12-29
普通の川柳- 佐々宝砂川柳203-12-29
ミツカドコオロギ(百蟲譜14)- 佐々宝砂自由詩303-12-29
一滴の珈琲から- 佐々宝砂自由詩303-12-28
私のダブルスタンダード- 佐々宝砂散文(批評 ...403-12-25
カテゴリについて(二流詩人7つの条件補遺3)- 佐々宝砂散文(批評 ...9*03-12-23
きら片靴を- 佐々宝砂自由詩2*03-12-19
りりと☆のことばあそびうた、また- 佐々宝砂自由詩5*03-12-19
ゆうこく- 佐々宝砂自由詩7+*03-12-17
ついの宿りは- 佐々宝砂自由詩503-12-12
ききみみ図書館- 佐々宝砂自由詩403-12-10
うみろば風信- 佐々宝砂自由詩5*03-12-10
五十音頭韻ポエムさ〜そ- 佐々宝砂自由詩6*03-12-7
小詩集「マルメロジャムをもう一瓶」- 佐々宝砂自由詩18*03-12-3
五十音頭韻ポエムか〜こ- 佐々宝砂自由詩3*03-12-3
五十音頭韻ポエムあ〜お- 佐々宝砂自由詩3*03-12-3
ナミテントウ(百蟲譜13)- 佐々宝砂自由詩203-12-2
もしかしたら私は- 佐々宝砂自由詩103-12-1
トックリバチ(百蟲譜12)- 佐々宝砂自由詩103-11-25
たもつ家のほうへ_—_たもつさんの詩の印象_2_—- 佐々宝砂散文(批評 ...603-11-25

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